バイオリズムは5年ごと!?ダンスク編集長が解説するストリートダンスとTV番組の歴史

2016.01.15 COLUMN

2016年一発目の「STREET DANCE」コーナーでは、ちょっと真面目にダンスの歴史について書いていきましょう!

 

文:石原久佳(ダンスク!)

 

ダンスの面白さが一般層に伝わるのに一番デカいのは、やっぱりテレビの力

その元祖と言えば、ビートたけし司会・テリー伊藤演出の伝説のバラエティ番組『元気が出るテレビ』のコーナーだった「ダンス甲子園」!

 

当時は、ヤンチャなコたちが夢中になり始めたストリートダンスを、真面目な制服姿でやらせてしまおう、というテリーさんらしい発想のこのコーナーは、番組の看板になるほどヒットしました。

高校生レベルとは思えないダンサーや、単なるお笑い系まで、とにかく個性的なダンサーの登場で、番組はどんどん面白く転がって行きました。

信じられませんが、元俳優で今は国会議員として活躍する山本太郎さんも、ビキニ姿で「メロリンキュ〜!!」とこの番組で世に出たのです!

「ダンス甲子園」によって、ダンス番組の礎(いしずえ)は作られたのですね!

 

ストリートダンスのブームは5年ごとに起こると言われています。

それはちょうどダンスのテレビ番組が流行るタームと同じなのだ。

 

「ダンス甲子園」後、2001年は「RAVE 2001」というテレビ東京系の番組、

その5年後の2006年には日テレ系の「スーパーチャンプル」がスタート、2008〜2013年には深夜番組の「DANCE@TV」と、約5年ごとに確実に新しいダンス番組が登場し、その時代のダンスシーンを世の中に伝えてきました。

superchample_kids

中でも「スーパーチャンプル」は、今日のストリートダンスシーンを象徴するいくつかの要素をキャッチーに押し出していた。

まずは「ストリートダンサーのエンタメ化」

元々はアンダーグラウンドカルチャーにいたストリートダンサーを、一般客を入れた明るいスタジオで、タレントを交えながら地上波でお茶の間へ映していく。

そこにいるダンサーたちは、より一般層に受け入れられるパフォーマンスを意識せざるを得ない。

ダンスのスキルが高いのは当たり前。ではそのスキルの高さをどのようなエンターテインメントとして変換していくかが、ダンサーたちの腕の見せどころとなったのだ。

 

象徴的に、エンタメ適応しやすいアニメーションダンサーたちが番組内で台頭。

ひとりでできるもん、黄帝心仙人、はむつんサーブ、そして今や大ブレイクのエグスプロージョンらだ。

 

次に「キッズダンサーの登場」。テレビ番組として、ブレイクダンスと並んで瞬間視聴率の高い、言わばお茶の間受けするコンテンツはキッズだったという。

大人顔負けのスキルに、かわいらしいルックス、純粋な言動が魅力のキッズダンサーたちは、確かに2001年の時点では存在しなかった。

ダンスがJ-POPの要素として確立し、習い事として環境が整備され、生まれた時からダンスが目の前にある新世代の活躍は、ファミリーや社会を巻き込み、瞬く間にストリートダンス界の中心と言えるまでに拡大していったのだ。

(つづく)



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