後から引かれるスタートライン〜 ダンス部コーチASUKA Yazawaの連載コラム「ホンネとオモイ」#03
2018.04.05 COLUMN
#03:後から引かれるスタートライン
ダンス部に所属する皆さん、こんにちは!
狛江高校ダンス部コーチのASUKAです。
年度末の大会も幕を閉じ、新年度が始まりましたね。
高校部活のコーチをしていると、それまでの「1年生」を「2年生」、「2年生」を「3年生」と呼ぶようになったり、今年は新入生が何人入部してきそうだという話が出たりと、また新たな「スタート」に立ったのだなと感じます。
その都度私は、この道に進んだ「スタート」を振り返ります。
私がダンス関連の仕事に就きたいと言葉にするようになったのは、小学校6年生の頃です。
それまでの夢はというと、コロコロ変わっていたのか、正直あまり記憶にありません。
余談ですが、幼稚園の頃は「ポケモンマスターになりたい」と現実からかけ離れた夢を持っていたくらいです(笑)。
そんな私の初めての揺るぎない夢が「ダンスの先生になりたい」という夢でした。
私の出身小学校の卒業式は少し変わっていて、1人1人名前を呼ばれてから、卒業証書を受け取る前に、舞台上でそれぞれの将来の夢を一言語りました。
私はそこで「ダンスの先生になってダンスの楽しさを伝えたいです」と声を大にして言いました。
もう15年くらい前のことですが、セリフ丸ごと今でも覚えています。
▲筆者、小学生時代のステージ写真
その後の中学・高校では、「ダンサーになりたい」と言葉の形を変えても、ダンスに関わる仕事に就きたい気持ちはずっと変わらず。
何がそんなにダンスに対する思いを強くしたのか、実はあまり心当たりはありません。
とにかくダンスをすることがいつの間にか、私の中では当たり前のことになりすぎて、それ以外の選択肢を考えることができなかったのです。
一緒にダンサーを目指すのだと思っていた友達も何人もいましたが、少しずつその道から離脱していきました。
ダンスは趣味にしていたいと言っていたり、他に夢中なことができたり、また他の夢を描き始めたり、理由は様々です。
その中でも私は、世界の広さも何も知らないのをいいことに、ただひたすらにその旗を目指してきました。
しかし、その一点しか見えない私の世界が少し広がった機会もありました。
いよいよ進路を決めるのだと、大学受験を控えた時のことです。
私はそこで他の物事が見えるようになりました。
その時はダンス以外の可能性をたくさん考えました。
そして、もうひとつ夢が浮かび上がりました。
昔持っていた「幼稚園の先生になりたい」という夢でした。
ただ「まだどちらかに夢を絞る必要はない」と思い、私はひとまず大学に進学して、ダンスをしながら教員免許を取得することに決めたのです。
入学してからは、教育学を学びながら、徐々にダンスの仕事も少しずつ経験させていただくようになり、ちょうどその頃から狛江高校ダンス部の指導も始めました。
そのようにふたつの夢に向き合いながら、やりたいことが明確になっていきました。
やっぱりダンスだったのです。
私がダンスの道に進むと決意して両親に話したのは、ちょうど20歳になる頃でした。
そして今、学生時代にずっと描いてきた夢は、大きく叶いました。
これが私の今までの道筋であり、ここまで来れた「スタート地点」です。
そこに何か感動する特別なエピソードがあるわけではありません。
私の中ではこれまで小さな「スタート」がたくさんあって、知らない間に大きく「スタートライン」
を切っていました。
だから、皆さんにとっての「スタート」も、きっと自然にもう始まっているのだと思います。
それは今「こうだからこう」と頭でわかるものばかりではなくて、後から確信することというのは思っているよりも多いです。
親や先生からいろんなことを言われて、「うるさいなぁ」と思っていたことが、後からわかる感覚と同じですね。
そんな「スタート」の瞬間は今この時もたくさん秘めていて、きっと後から自分でそこに「スタートライン」を引きに行くのだと私は思います。
だから今は、自分の「気持ちいい」心地よさと、そうならない違和感を大切にして、自分の未来を楽しみにしてくださいね。
今年度もたくさんの「スタート」を切っていきましょう!
(つづく)
#01:コンフォートゾーン?!
#02:ヒラメキは心が動く瞬間