3つのマスト〜 ダンス部コーチASUKA Yazawaの連載コラム「ホンネとオモイ」#04
2018.05.07 COLUMN
#04:3つのマスト
ダンス部に所属する皆さん、こんにちは!
狛江高校ダンス部コーチのASUKAです。
毎日夏のような暖かさ(暑さ?)ですね。
部活でたくさんの汗を流していることでしょう。
部活でのダンスは、外部のダンススクールでダンスをするとはまた別の感覚だと思います。
毎日顔を合わせるメンバーと、毎日向き合うべき課題が必ず目の前にあって…きっとそんな環境下にいるでしょう。
それはとても幸せなことでもあり、時にはちょっと負担になることでもあると思います。
もしかしたら「辞めたい」と思うこともあるかもしれません。
でも、第一に言いたいのはひとまず
「辞めないでください」。
もしそんな気持ちに陥ったら、具体的にアドバイスです。
まず、「ダンス部」以外で他にやることを2つ程増やしてみてください。
それが人のためにやれることでもいいですし、もっと違う自分の趣味でもいいですし、毎日何かをするという決め事でもいいと思います。
自分がやれるかも、やりたいかもということを、やることリストに追加するのです。
ダンス部でイッパイイッパイなのに逆に増やすの?と思うかもしれませんが、これは、私が昔イッパイイッパイになった時にもらった言葉をヒントにした対処法です。
私がプロダンサーになった1年目、わずか3ヶ月経ったところで、心身ともに頑張りすぎの疲れが出てしまいました。
どうしたらいいのかもわからず、モヤモヤするだけで、なんだかとにかくだるい毎日でした。
これを解消したいと思って向かった先は、大学時代のゼミの教授のところでした。
声もあまり出なくなっていた私は、一生懸命教授にまとまらない話をしました。
「うんうん」と教授はひたすらに聞いていましたが、最後に言いました。
「人はね、大体3つのことを同時にしていると精神が安定するんだよ」
納得したような、よくわからないような……そんな私に、教授は続けて言いました。
「3つも取り組んでいれば、1つがうまくいかなくなった時に逃げ場ができる。これはうまくいかなかったけど、あれはうまくいってるとか、それはうまくいくように頑張ってみようとか、気持ちの逃げ場ができるでしょ」
腑に落ちた瞬間でした。
説明を受けると、ごく普通なことなのですが、当時1つのことに真っ直ぐ集中していた私には、突き刺さる印象的な言葉でした。
「逃げ場」と言っても、やっていたことを放り出して向かう場ではありません。
「気持ちの逃げ場」です。
マイナスを補うパワーチャージのための場所です。
1つのことに物凄い集中力で向かえる時というのは、それだけのエネルギーがある時でしょう。
エネルギーをつぎ込んでいるばかりだと、もちろん途中で燃料切れになります。
だから、そのためにエネルギーをもらえるような他の何かが必要になるんですね。
皆さんにわかりやすい身近な具体例でいうと、「勉強(仕事)」「友達」「恋愛」の3つとか。
「3つのことをしていると精神が安定する」という理論的なことは、学生の頃考えていませんでしたが、この3つが全てうまくいくのってなかなか難しいな〜なんて思ったことが、私はよくありました。
逆に、この3つがうまくいくと幸せ絶頂だな〜とか(笑)。
話を戻すと、この教授と話した後、視野が広がった私は、うまく気持ちを取り戻すことができました。
今の私は「ダンス」「文章」「人と直接会って語ること」の3つをマストに、日々生活しています。
どれも自分にとって大好きなことなので、それによって「苦しい」と思うことは、当然ありますが、どのこともバランスよく取り組むことで、気持ちを安定させています。
きっと「苦しい」と感じた時は、何か1つへの集中度が高まりすぎてしまっているんだろうなというバロメーターにもなります。
みんなの3つのマストはなんでしょう?
気持ちの逃げ場、自分の好きなこと、探してみてください。
(つづく)
#01:コンフォートゾーン?!
#02:ヒラメキは心が動く瞬間
#03:後から引かれるスタートライン