リアルを拾う〜 ダンス部コーチASUKA Yazawaの連載コラム「ホンネとオモイ」#09

2018.08.01 COLUMN

#09:リアルを拾う
170829_0404Photo by SUMESHI
Hair and Makeup by Miyo Saito

 

ダンス部に所属する皆さん、こんにちは!
狛江高校ダンス部コーチのASUKAです。

皆さん、今放送されているNHK朝ドラ「半分、青い。」を観たことはありますか?
このドラマは、私が中学時代にハマった「たったひとつの恋」を手がけた脚本家、「北川悦吏子」さんが書いているものなのです。
伝わりやすい比喩に、何かの感情を隠したような言葉の表現が巧みで、私の心には特によく響き、彼女のSNSもフォローしているくらい、気にかけています。

そんな彼女は恋愛ドラマをいくつも描いていて、連続してその恋愛ドラマがヒットしたことから「恋愛の神様」と言われたりしています。
有名どころで言うと、「オレンジデイズ」「ロングバケーション」「あすなろ白書」「愛していると言ってくれ」など。
もしかしたら、今高校生であるみんなは生まれていなかった時代かもしれないので、わからないかもしれませんね……
気になる人は是非チェックしてみてほしいです!

さて、余談が続きましたが、今回この「半分、青い。」の話をあげたのには、もちろん、理由があります。
このドラマの中で、以前放送されたセリフがとても印象深く、心に残ったからです。

「リアルを拾うんだ。想像は負ける。空想の中で生きているやつは弱いんだ。
心を動かされることから逃げるな。そこには真実がある。半端に生きるな。
創作物は人が試される。その人がどれだけ痛みと向き合ったか。憎しみと向き合ったか。
喜びを喜びとして受け取ったか」

このセリフは、漫画家を目指している主人公に、師匠であるプロ漫画家の先生がかけた言葉です
この言葉が心に響いた人はどうやら私だけではなかったようで、ダンサーをはじめ、周りの友達や知り合いも何人かこの言葉に感激したと言っていました。
私にも重なるなぁと思いながら、「こんないい言葉があったよ」と部員にもこの気分をおすそ分けしました。

「喜び」や「楽しさ」などプラスの感情があるということは、「悲しさ」や「怒り」など、できれば避けて通りたい感情もあるということです。
でも、そのどれもが財産になる経験です。
そしてその経験を通過することによって、強くもなる。
似たような話を、この連載コラム #2「ヒラメキは心が動く瞬間」にも書きました。
「心が動く」経験は「ダンスを練習する」と同じくらい大切なことなのです。

実は以前実際に、みんなの心に寄り添うような作品が出来上がり、この「経験は想像を超える」ことを強く感じました。
その作品では、作品とともに、みんなの心も同じように成長していくことがよく見えたのです。
それは、私が意図した以上のことでした。
というのも、私がはじめに伝えた作品の中の感情表現やストーリー展開をみんなが一生懸命考え、もがき苦しんでるうちに、みんな自身が「これは今の自分に重なる」と思ったそうなのです。
それから、自分の実体験を表現するようになったのか、作品に深みが出てきました。
薄っぺらくないというか、感情の移り変わりや、作品の流れていき方がかなり自然になり、奥底からエネルギーを感じるようになったのです。
表情も「作っている」というよりも、みんなの中から「溢れ出てくる」ような印象の強い表現に変わり、それは同時に、動きの緩急や呼吸すらにも影響を与えました。
想像ではなく、リアルになったのでしょう。
最後にみんなが踊ったその作品は、1番はじめに踊った同作品とは全く別物でした。


▲狛江高校2017年作品「黒蝶」

リアルを拾う……
苦しみも心地よさも、作品で学び、作品で消化してほしいと願っています。

辛いと思うその状況から逃げないで。
気持ちいいと思えたその瞬間を逃さないで。

あなたのそのリアルが、観ている人の心を掴み、動かし、考えさせ、それはまた別の誰かのリアルに繋がるはずです!

(つづく)

ASUKA Yazawa

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