DCC〜ダンスタまで登美丘と同志社香里が一騎打ち!2018年ダンス部大会を振り返る

2018.10.29 COLUMN

かつてないほどに、ダンス部に熱い視線が注がれた夏だった。昨年のダンススタジアムでの惜敗に端を発した登美丘高校「バブリーダンス」のブーム。そこに立ちはだかった絶対王者の同志社香里高校。両校の再対決をハイライトに、多くのマスコミが注目するダンス部の夏の戦いが幕を開けた。

まず8/14には、DCC(全国高等学校ダンス部選手権)が会場を舞浜アンフィシアターに移しての開催。昨年は、登美丘がバブリーダンスを全国披露、圧倒的なインパクトで優勝をさらい、同志社香里は3位に甘んじる結果となった。漢字二文字のテーマ表現が審査のポイントとなる本大会では、登美丘は「煇晴(ハレルヤ)」というテーマで、トレンチコートや傘をアクセントにした得意の展開の速いパフォーマンスで二連覇を達成。準優勝は、常連校の久米田、3位には昨年準優勝の青春ロッキン三重高校。同志社香里は力強い作品ながらも、ここでは入賞を果たせずに終わる。

8/14:DCC(第6回全国高等学校ダンス部選手権)
優勝:大阪府立登美丘高等学校
準優勝:大阪府立久米田高等学校
3位:三重高等学校
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その2日後には、ダンススタジアム(日本高校ダンス部選手権)のスモールクラス。地方から参加校は、関東での長期滞在での参戦となる。12人以下で編成されるこのクラスは、個々のダンススキルが大きな武器となり、鉄壁のポップ&ロックで箕面高校が二連覇中だ。優勝したのはダークホースと言える羽衣学園。ショーケースのようなジャジィな世界観で箕面や桜丘のストリートダンス勢を抑える形となった。優秀賞の福岡工業や精華女子も高校生離れした表現力を持ち、二松学舎、神村学園、京都山城のダンス力も光る。賞には入らなかったが、樟蔭、柴島、三重、四條畷、仙台城南などの作品も目についた。

8/16:ダンススタジアム(第11回日本高校ダンス部選手権)
スモールクラス
優勝:羽衣学園高等学校(大阪)
準優勝:桜丘高等学校(愛知)
優秀賞:大阪府立箕面高等学校/精華女子高等学校(福岡)/二松學舍大学附属高等学校(東京)/福岡工業大学附属城東高等学校/京都府立山城高等学校/神村学園高等学校(鹿児島)
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翌日はいよいよビッグクラス。ここで昨年同様の逆転劇が起こる。DCCで涙を飲んだ同志社香里が、登美丘をまくっての優勝。持ち前のワックと緩急自在のユニゾンを武器に、研ぎ澄まされた芸術性と集中力で格の違いを見せつけた。中高一貫ではあるが、コーチ不在の練習環境でここまでの作品力とダンス力を維持するのだから敬服に値する。優秀賞は、作品作りのうまさが光る関東勢の山村国際と市ケ尾、両クラスで入賞した箕面、心地よいグルーヴ感の奈良一条、毎年優勝クラスの質を誇る堺西と久米田。特に、久米田は日本ダンス大会、DCCと合わせると今年は3大会で準優勝、ある意味で偉業と言える奮闘ぶりだ。個人的に、ダンス力では上宮、渋谷、三重、北星学園、作品力では帝塚山学院、四街道、光ヶ丘女子、鎮西が印象に残る。

8/17:ダンススタジアム(第11回日本高校ダンス部選手権)
ビッグクラス
優勝:同志社香里高等学校(大阪)
準優勝:大阪府立久米田高等学校
優秀賞:山村国際高等学校(埼玉)/奈良市立一条高等学校/大阪府立登美丘高等学校/大阪府立堺西高等学校/神奈川県立市ケ尾高等学校/大阪府立箕面高等学校
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例年では年末に行なわれていたダンススタジアムの中学校大会も夏のうちに開催された。こちらは同志社香里、三重、樟蔭、品川女子、広尾学園など中高一貫校のダンス部のレベルがやはり高く、彼らの高校での活躍も予期させる。今後は、公立中学の積極的な参戦にも期待しつつ、高校ダンスの準備段階ではない「中学ダンスらしさ」が確立されていってほしい。

8/19:ダンススタジアム(第7回日本中学校ダンス部選手権)
優勝:三重中学校
準優勝:同志社香里中学校(大阪)
3位:江戸川区立葛西第三中学校(東京)
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駆け足で振り返ってきた夏の大会だが、詳しくは各リンクに全チームレポートや総評を書いたので、興味のある人は確認してほしい。
8月にDCCとダンススタジアム、6月の日本ダンス大会に、9月開催の全日本高等学校チームダンス選手権、その他チア系やストリートダンス系の大会など。世間的な注目が集まるほど、複数の全国ダンス部大会が存在する状況にわかりにくさを覚える一般の方々は多い。今後、各大会にはより明確な差別化が求められるだろうし、いずれは業界全体として整理が必要になってくるかもしれない。現況としては企業が開催する大会が多いのがダンス部大会の特色であるが、あくまで選手ファースト、教育ファーストで発展していくのが理想である。そのための1つの課題点が「審査基準」。続いて次の記事を見てほしい。
>>考察★審査基準に物申す!ダンス部顧問に一大アンケート調査「高校ダンス部大会の審査基準」

レポート:石原久佳(ダンスク!)
※ダンスク!第19号より記事転載

 



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