日本初のプロダンスリーグ「D.LEAGUE」発足!リーグ成功のポイントを独自解説!

2020.08.13 COLUMN

日本初のプロダンスリーグ「D.LEAGUE」発足!
リーグ成功のポイントを独自解説!

文:石原久佳(本誌編集長)

かねてから噂のあったプロダンスリーグ「D.LEAGUE」がついに公式発表となりました!

詳しいコトは他のニュースサイトに譲るとして、ダンスクwebではさらに切り込んだ情報をお伝えしていきましょう!

>>オフィシャルサイト

「D.LEAGUE」はプロ野球リーグ(NPB)やサッカーリーグ(Jリーグ)と同じく、企業がチームスポンサーとなり、一定期間のリーグ戦で順位を競っていく。ダンスとしては世界初のプロリーグと言える。

出揃っているのは8チーム、8企業。
ダンス関連企業だけでなく、ネット企業から化粧品メーカー、人材派遣会社など多様だ。

各チームが「ディレクター」を立て、ディレクター含む8名チームで構成、2分〜2分15秒の作品を発表し合う形だ。
1ヶ月2ラウンドを半年間、合計12ラウンドのポイントを集計し、上位4チームによる準決勝・決勝が行なわれ、年間チャンピオンが決定する。

ルールに関しては、以下の動画を見ればわかりやすいだろう。

ここまで来てピンと来た人も多いだろうが、このリーグはD.LEAGUEを運営する株式会社D.LEAGUEのCOO神田勘太郎氏(カリスマカンタロー)がかつてプロデュースした、テレビ番組企画「DANCE@HERO」が雛形になっているのだ(筆者も審査員を務めていました)。

「DANCE@HERO」は、ストリートダンスの世界を一般層にもわかりやすく伝えるという意図で、チームの作品力やストーリー性、タレント性を押し出しており、現在活躍中の東京ゲゲゲイやBeat Buddy Boi、黄帝心仙人のタイムマシーンなどを輩出した。

D.LEAGUEはそれをさらに大きくスケールアップし、企業や関係者やメディアを巻き込み、綿密にルールやスケジュールを組んだ上で満をじしてスタートされるのだ。

他のスポーツリーグと違い、すでに確立されている競技スタイルをプロ化するのではなく、競技自体を世の中にプレゼンしなくてはいけないのが難しいところ。
成功に向けての重要なポイントは以下になるのではないだろうか。

*チームや競技のファンをつけること!
日本に純粋なダンスファンはいない。
野球ファンやサッカーファンはいる。競技者でなくても、観覧し応援する「ファン」がいるのかいないのかが大きな違いなのだ。
ダンスを主にした舞台のファンや踊るアーティストのファンはいるが、ダンスだけを見て、ダンスだけの公演に入場料を払う一般層は欧米に比べて日本は圧倒的に少ない。
「やる」ことにかけては日本はダンス大国なのだが、「観る」ことはまだまだ未発達な国なのだ。

D.LEAGUEの競技自体が一般層にどれだけ楽しめるものなのか、あるいは各チームやダンサーに「ファン」がつくのか——ここがリーグ成功の大きな鍵になるだろう。

ダンス自体のクオリティはもちろん、何を持ってチームやダンサーのファンになるのか?
そのために、リーグや各チームは相応の戦略や努力が必要になるだろう。

*一般層を巻き込むこと!
上記に関連してだが、一般に「ダンス界」というのはほぼダンサーだけで成り立っている。
ダンスは「やる/観る」文化ではなく、「やる」文化なのだ。
ダンス人口が600万人と公式発表されているが、実際アクティブに活動しているダンサーはそれほどいるだろうか。
ダンサーだけのダンス界はまだまだ小さい。よって、市場規模もまわっているお金の額も小さい。

だから、ダンス界以外の一般をどれだけ巻き込むかが、最大ポイントになる。
ダンスはまだまだお客を選んではいけない。
ダンス作品自体のクオリティアップはもちろん、アプローチやシフト、ダンサー自身の意識改革、他業界やメディアや企業との連携がより必要になってくるだろう。

*ダンスをわかりやすく伝えること!
何のジャンルだろうが、その世界がわかりやすく伝わるために評論家やメディアが必要だ。
あるいは、最近ではアンバサダーと言えるような知名度のある伝え手の存在も。
例えば、音楽や映画などに比べれば、ダンス(特にストリートダンス )は評論やメディアが発達しておらず、一般との接点がまだまだ少ないと言える。

アドバイザーにEXILEのHIRO氏がついているのは心強いところだが、D.LEAGUEがその点でどのような展開をしていくかも注目ポイントだ。

メディアが急速に変遷していく現在、「誰が」「何を使って」「どう伝えるか」が大事。
決してマニアックな世界にならず、一般との接着点をいち早く見出していくのが、リーグ成功の最大のポイントではないだろうか。

ダンス界の「期待」が「現実」となるよう、本誌も微力ながらD.LEAGUEを追いかけていきたい。

次回は、各チームのディレクターから読み解く、パフォーマンス予想をお届けしよう。



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