ダンス部への提案〜新しいDANCEのススメ#2「ブレイキン」

2024.05.17 COLUMN

もうすぐ新学期、新生活、新体制での部活動がスタートするね!
それを機に何か新しいコト、新しいダンス、新しい活動に挑戦してみるのもいいでしょう!
今回は、『ダンスク!』が7つの新提案=「新しいDANCEのススメ。」をご紹介します!」

 

インタビュー&文:石原ヒサヨシ(ダンスク!)

フリーマガジン『ダンスク!』2024年4月号より転載

 

ブレイキンで自分の
無限の可能性を爆発させよう!

 

アドバイザー:KATSU ONE(プロダンサー/日本ダンススポーツ連盟ブレイクダンス部長)

 

 

「ブレイキンにはいろんな可能性がある。まずは〝友達が作れる〞。世界中にブレイキンで出会える友達がいる。これからダンサーになろうが、社会人になろうが、一生繋がっていられる友達が世界中にできる。
そして〝自分のスタイルを作る〞ことができる。ブレイキンで自分を見つめ直すことができる。時々迷ったりするけど、自分がどういう人間かを探す道でもあるから。仲間と切磋琢磨しながら、一生懸命何かをやる大切さを学べる。そこで学んだことが他の業界でも100%活かせる。
そして〝エネルギーをブツける〞。ブレイキンで自分の可能性を爆発させることができる!」

そう熱く語るのは、B-BOY KATSUONEこと石川勝之さん。「公益社団法人日本ダンススポーツ連盟ブレイクダンス部長」の肩書きを持つ、オリンピックのブレイキン競技にて、日本選手をサポートする責任者だ。
そう、今夏のパリ・オリンピックにて、ブレイキン(ブレイクダンス)が正式競技となる。これは、ダンス界にとっても、ヒップホップカルチャーにとっても、革命的な出来事なのだ。

「まずダンスがスポーツ化されて、オリンピック競技になっていることをみんなに見てほしい。ダンスがどれほど世界に、社会に、受け入れられているかを感じてほしい。絶対盛り上がるんで! だってオリンピックの会場でずっとDJが音楽を流していて、MCがいて、ヒップホップカルチャーがオリンピックに入っているんだから!」

 

ブレイキンがオリンピック競技に!
男子ダンス部員が目立てるチャンス到来!?

 

ブレイキンはそれ以外のダンス(立ち踊り)とは異なる部分が大きい。1980年代のヒップホップカルチャーの誕生ともにあったストリートダンスであり、他のヒップホップ要素(DJ、グラフィティ、ラップ)との繋がりも深い。フロアでのフットワークや、パワームーブなどのアクロバット技も多く、チームダンスで見せるというよりもバトルで対決することが主戦場のダンスである。
ダンスシーンとはまた違う、ブレイキンのシーンが世界中の国々にあり、ある意味他のダンスとは一線を画した競技性とコミュニティを持つ。
競技自体にも、より高度な身体能力と鍛錬が必要とされ、アクロバティックな大技は万人にとってもわかりやすい興奮がある。闘志むき出しで相手に向かう姿勢は格闘技さながら。そんな魅力があるからこそ、数あるダンスの中でもブレイキンが競技採用されたのだろう。

しかしながら、高校ダンス部でブレイキンを目にする機会はそれほど多くない。やはり女子生徒が中心の競技であることと、作品作りやコンテスト主体の活動であるからだ。
大会で目にするブレイキンのチームは、いたとしても大体1〜2チーム(でも確実に入賞してくる)。オリンピックを目の前にしてちょっと寂しい状況である。ぜひ今夏のオリンピックを観戦して、その後のダンス部の男子部員、ブレイキンチームの増加を増やしていこう!

「日本人選手のメダルへの期待は非常に高いです。世界選手権で表彰台に立つことが多いですからね。でも他の国のレベルの上がり方がハンパないので、正直なところわかりません。中国やリトアニアとかのB-GIRL(女子選手)の伸び方がすごいので、その辺の対決に注目して欲しいですね!」

と、見どころを語るKATSU ONEさん。すでにオリンピック代表選手の切符を手にしているShigekix(半井重幸)には金メダルの期待が大きくかかる。現在、残り男子1名、女子2名の枠をかけて日本代表の熾烈な最終選考が行なわれているところだ(※2024年2月のインタビュー時点)。


▲金メダル候補筆頭のShigekix。世界のスターとなるか?

「日本人の強さの秘密は、繊細さです。デカいポイントを狙うよりも、着実にポイントを重ねていく戦い方です。そして女子B-GIRLも日本人は本当に技術レベルが高い。女子にもブレイキンができて、こんなカッコいいんだ!ってことを感じてほしいですね」

高校ダンス部の大会は現在、女子を中心にした表現系のチームが鎬を削っている状況だ。確かにレベルは高いのが、やや方向性が被り、画一的になっている感もある。
そんな状況の中で、男子を中心としたブレイキンチームが増えれば、よりシーンが多様化し、活性化することだろう。ぜひオリンピックに注目し、日本人選手を応援し、お気に入りのダンサーを見つけて、ブレイクダンスとダンス部の距離を縮めていこう!

>>関連記事:【インタビュー前編】ブレイキンを五輪へ!日本BBOY界のリーダー【KATSU ONE】
>>関連記事:【インタビュー後編】ブレイキンを五輪へ!Shigekixら日本人メダルの可能性?!【KATSU ONE】


★WORKSHOP開催★
高校向け「ブレイキン」ワークショップ
講師:KATSU ONE他
『ダンスク!』では、高校生B-BOY/B-GIRLを増やすべく、初心者向けワークショップを開催します! 講師はKATSU ONEもしくはそのキャスティングで予定。時期はオリンピック(2024年9月以降)終了後に学校と擦り合わせて調整します。ダンス部ではな学校全体でのエントリーもOKです!

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新しいDANCEのススメ:CONTENTS
#1:フリースタイル
#2:ブレイキン
#3:TikTok
#4:脱力/ヨガ
#5:合同練習



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