HIPHOPマスター【MAA】踊るなら知っておきたいHIPHOPの歴史とスタイル
2026.08.08 COLUMN
HIPHOPマスター【MAA】
踊るなら知っておきたいHIPHOPの歴史とスタイル
インタビュー&テキスト:石原ヒサヨシ(ダンスク!)
HIPHOPに「ミドルスクール」とか「ミドル系」と呼ばれるスタイルがある。ミドルは真ん中だから、その前後に「オールドスクール」と「ニュースクール」があるわけだ。
「オールドスクール」とは、1970〜1980年代に生まれたLOCK、POP、BREAKの総称のことであるが、当時は「オールドスクール」とも呼ばれていないし、HIPHOPとも呼ばれていなかった。のちになって「オールド」と分類されたわけで、それがHIPHOPダンスの源流として位置付けられたわけだ。
「ミドルスクール」とは、スタイル的にはカラダを大きく使った、深くて重いノリのダンスであり、音楽もゆったりと重めで、派手さがあるものではない。ダンス部で言うと、仙台城南高校、東野高校、叡明高校などが得意にするスタイルだ。
プロでは最近では「咫和巵×無名」というチームが有名なので、参照してほしい。
>>参考動画:咫和巵×無名
ここでHIPHOPダンサーからリアルな言葉を聞いていこう。1990年代からHIPHOPカルチャーにハマり、チーム「Rockwilder」でシーンの最前線で活躍。キッズチームを何度も優勝に導き、プロリーグチームも振り付け、叡明高校を2年で日本一に導いた一流のHIPHOPマスター「MAA」だ。

「まずミドルスクールでコンテストに出るなら、ショーに展開を作らないといけないですね。途中でテンポや質感やムードを変えないと、観ている人が飽きてしまうから。ソロを回す方法もよくありますが、2分30秒のショーだとなかなか難しいところもあるかもしれません」
ミドルスクールより少し前の年代では「ニュージャックスイング」というスタイルがあり、ボビー・ブラウンなどの曲を使って、弾けるような動きやステップが特徴的。ランニングマンやロジャーラビットなどの有名なステップはニュージャックスイングのものだ。
「日本だとMIDDLE FILTERなどのチームが有名ですね。ニュージャックはまずはシルエット。そして16ビートとグルーヴが命。あと曲やファッションもこだわっていけると、プロジャッジから評価されるんじゃないかと思います。ニュージャックはステップがシンプルだから、初心者がやりやすい分、嘘っぽくなってしまうところもありますね」
>>参考動画:MIDDL FILTER
さらに細かくいうと、1990年代には『ALIVE TV』というHIPHOP番組がアメリカであり、そこで映し出されたHIPHOPスタイルがアンダーグラウンドでウケ始める。
これら1990年代のHIPHOPスタイルを「ニュースクール」と分類されることが多く、当初はHOUSEもその一つとされていた。
「その後2000年に入ると、ジャスティン・ティンバーレイクやアッシャー等のメリハリの効いた音楽に乗せて、キレとメリハリを利かせ、スタイリッシュなシルエットと演技的な動きを取り入れたスタイルが、彼らのMVから流行っていきます。“コマーシャルHIPHOP”とか“スタイルHIPHOP”などの呼び名で知られていきましたね」
>>参考動画:Justin Timberlake – Like I Love You
>>参考動画:Usher – U Don’t Have To Call
>>参考動画:Eve – Who’s That Girl?
ニュースタイルHIPHOPとは?
これらは国内ではs**t kingzらが取り入れ、現在“ニュースタイル”とも呼ばれるHIPHOPスタイルにつながるもので、ダンス部では目黒日大や中京大中京などのチームがそのスタイルで存在を示している。
>>参考動画:目黒日大の2025年作品
>>参考動画:中京大中京の2025年作品
「あと2010年あたりからパリス・ゲーブルという振付師のグループ“ロイヤル・ファミリー”がSWAGのスタイルを流行らせて、僕もそういうスタイルにハマっていた時期がありますね。僕がHIPHOPを始めた頃に比べると、どんどん細分化されていって、それぞれが深掘りしていってる感じがします」
>>参考動画:ReQuest Dance Crew- ReBuilt
>>参考動画:THE ROYAL FAMILY – HHI 2015 (Finals Performance)
ひと口にHIPHOPと言っても、これだけ歴史とスタイルに分かれるものであり、ここまで紹介している以外にも、JAZZの動きを取り入れたJAZZ HIPHOPや、よりスローな音楽に乗せるR&Bなどにも派生し、メジャーなスタイルになった。また、2010年代にはMV からHARLEM SHAKEなどのスタイルが流行し、そして映画『RIZE』でブームとなったKRUMPスタイルが派生していく。
また、ダンスシーンはよりショービジネスと密接な存在になり、日本でも、アーティストのダンスのレベルが上がり、メディアやプロリーグなどでHIPHOPやダンスがより身近な存在となった。
HIPHOPからさらに、どんなスタイルを選択するか。深掘りしつつ、どれだけオリジナリティを乗せられるか、その進化を楽しみにしよう。
☆MAAさんが講師のダンス部向け講習会
「高校ダンス部リーダー講習会 by ダンスク!」

プロから正しい基礎を学び、他校のリーダーたちと交流しよう!
*日時:2026年9月20日(日)9時〜15時
*場所:代々木公園BE STAGE(Spot.Yoyogi Parkスタジオ)
東京都渋谷区神南1丁目1−1 代々木公園(神南一丁目地区)内
*参加費:無料
*参加資格:現役高校ダンス部員(部長やリーダーでなくても参加可能。1校3人まで)
*内容予定:
①強くなるHIPHOPの基礎練+質問会(MAA)9時〜10時45分>先着25名
②間違いがちなJAZZ基礎練+質問会(Mayu)11時〜12時45分>先着25名
③講義:勝てるダンス部の特徴(石原編集長)&参加者交流タイム:13時〜14時45分>先着50名
※基本は①〜③の全クラス参加が望ましいが、部分的な参加も可能
>>エントリーはGoogleフォームへ(先着順)あるいは下記QRコードでアクセス

▼過去にMAAさんが高校ダンス部を指導した様子
(コーチをした叡明高校での練習の様子)
(ワークショップの様子)
(臨時コーチとした際の様子)







