先生たちが作る全日本高等学校チームダンス選手権2016年大編成優勝は「安中総合高校」
2016.09.21 REPORT
21:大阪府立久米田高等学校
何度も見ても素晴らしい「クメダンス」。個人個人の動き、集団としての動きにおいてこのスピード感はなかなか出せるものじゃない。それをダンス部の高校生が自然に踊りとして見せているのだからスゴイとしか言いようがない。
【2位】
22:精華女子高等学校(京都)
女性の強さ・優しさ・エネルギーを見事にダンスで表現する強豪チーム。会場からの黄色い声援から、他校ダンス部からの人気が高いのもわかる。
【優秀賞】
23:桜丘高等学校(愛知)
小編成同様に、90’sフレーバーが楽しいカルチャー系チーム。あえて「抜いて」いくアプローチもダンスの楽しさ・自由さを代弁しているかのよう。
24:上宮高等学校(大阪)
ミドル系チームのファッションと思いきや、キレキレのロッキンを高い運動能力で合わせていく。ファッションの個々のアレンジも楽しい。
<<エキシビジョンバトル>>
ダンスの醍醐味と言えば、チームコンテストだけではなく「バトル」。
振り付け中心の活動になるダンス部員だから、バトルは無理なんじゃ…と思いきや、これまた今後の盛り上がりに期待できそうなハイレベルになっている。
今回は、各予選地区やこの日の最終予選から勝ち抜いた学校代表の猛者が、トーナメントで雌雄を決する。
ストリートダンスの言葉で言えば、フリースタイル能力、学校教育の中で言えば対応力、どちらにしてもダンスバトルはティーンネイジャーが盛り上がる魅力でイッパイなのだ。
トーナメントを制したのは仙台城南高校の大沼さん。
高校ダンス部のレベルの高さを象徴するような、スキルとパワーとイマジネーションで会場を沸かせた。
<<審査員コメント>>
*yucchon… 高校生の大会を見るのは初めてだったんですけど、思ったよりも皆さん楽しんでいて良かったです。これからも楽しくダンス続けていってほしいです。
*KENJI… 自分が高校時代を思えば、今の高校ダンスの状況は信じられないですが、社会からも期待・応援されていて素晴らしいですね。これからも個性を大事にがんばってください。
*宮田健男… 個人的には、ダンスと音楽と自分が一体になった時が楽しいと思ってきたのですが、高校ダンスはそれ以外の要素も多いですね。
*坂見誠二… 違うジャンルを比べるのは難しい上に、振り付け重視やグルーヴ重視などのチームがいろいろあって、ジャッジのポイントは難しかったです。ただ、複数の審査員が評価した結果を受け止めることは将来にも役立つと思います。
<<総評>>
先生たちが創り、公式戦を目指すという本大会。
とは言え、ガチガチに規制を強めたものではなく、あくまでストリートダンスの大会である「匂い」はそこかしこに残されていた。
主宰されている先生がストリートダンス出身だから、というのもあるだろうが、本大会の「ストリートダンス色」「教員による主宰」「公式大会を目指す」というかけ算は、ダンス部大会に新しいバランスをもたらす可能性は十分にあるだろう。
この辺りは、主宰の先生に詳しい話を聞いてあるので、次号のダンスク(11/15予定)の掲載を楽しみにしてほしい。
出場校としては、会場が北九州だけあり、西日本のダンス部が中心になったが、それだけに全体のダンス力は高く、コンセプト立てのチームよりも、質実剛健のダンスで勝負するチームが多かった。
だからこそ、コンセプト立てが抜け出ていた、群馬の安中総合高校が優勝をさらったのではないだろうか。
野球は甲子園、ラグビーも大阪、インターハイは毎年開催地が変わる。
九州への遠征は大変だろうが、東日本のダンス部もぜひ挑んでほしい「公式候補」大会だ。
レポート:石原久佳(ダンスク!)