DANCEで笑いをCOOLに再現!「登美丘高校」だけが特別な理由をダンスク編集長が真剣に考察

2017.09.20 COLUMN

ポイント3)メンバーの個性と幅広い活動

akaneコーチの存在が絶大だとは言え、やはり実際にパフォーマンスするのは生徒たち。
それも選りすぐりのダンサーが集められたわけではなく、最初は初心者も含む普通の女子高生(あるいは登美丘のダンスに憧れた入学してきた生徒)の集まりです。

今年のバブリーダンスの世代も、akaneコーチいわく「ダメダメな2年生」と言われるぐらい最初はレベルが低かったそう。

それをまさに血の滲むような努力と練習量と、伝統を守りたいという気持ちの強さで毎年「登美丘のダンス」のレベルまで持ってくるわけですから、一概にコーチの力と言ってしまうのは語弊があります。

加えて、偶然に揃ったメンバーのはずなのに幸運にも毎年キャラの濃い部員がいることがパフォーマンスのアクセントになっています。

「エアロビ」と「おばちゃん」の時は、太めで芸人気質の「アサちゃん」が笑いを取り、
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「バブリー」では、話題の美人キャプテン「林沙耶」さんがステージに華を添えています。メディアも彼女を登美丘のセンターとして追いかけました。

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さらに、バブリー中盤の工藤静香の「嵐を起こしてダンス」や「しもしも!」をやっているメンバーの表情力も秀逸でした!
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また、登美丘はYouTubeでの動画活動も高校ダンスの枠を超えて精力的です。

発信元であるアカネキカクではトレンドや募集企画に合わせてさまざまな動画をアップ。

*恋ダンス>>230万回

*TWICE踊ってみた>>180万回

*ポカリ鬼ガチダンス>>130万回

さらに自主公演では、生徒中心にストーリー仕立てのステージ制作や歴代の振り付けを再現。

笑いとダンスと感動と、堺市の市長もかけつけるなど、地元の一大イベントになっているようです。

>>昨年の初の自主公演レポート「レポート★2年連続日本一!最強エンタメ系ダンス部「登美丘高校」初の自主公演」

 

…と、ここまで、登美丘高校の特徴と魅力を解説するのにかなりの字数を使ってしまいましたが、そんな登美丘がなぜ今年はダンススタジアムで優勝できなかったのか??!

>>ダンススタジアム決勝レポート「速報★ビッグクラス全国優勝は同志社香里高校が返り咲き!第10回ダンススタジアム出場全55チームレポート

あるいは、なぜ一昨年・昨年と二連覇するほどコンテストで無類の強さを誇ったのか?

その理由は全く同じで、登美丘高校が「異端」であるからなのです。

登美丘ダンスの前に登美丘ダンスなし。
登美丘ダンスの後に登美丘ダンスなし。

…と言ったら大げさですが、ヘタに登美丘のエンタメ路線を真似てしまうと、改めてその差に気づいてしまいます。
曲・衣装・ダンスのバランスから生まれる世界観や細部の突き詰め方、それを可能にするダンスの基礎力と統制力、一般層に伝える説得力・エンタメ力が比較にならないのです。

いわば、登美丘高校が今の路線を突き進む以上は、同じ評価軸で戦える相手がいないわけです。

だからこそ、王道の芸術路線の評価軸で突き詰めてきた同志社香里高校が今年は優勝したわけで、その勝敗は、審査員の顔ぶれや時の運によって逆になってもおかしくありませんでした(事実、DCCでは登美丘が勝ち、同志社は3位でした>>レポート記事)。

登美丘高校がダンス部界で賛否の対象になるのもその影響力の大きさゆえであって、だからこそ各マスメディアがとりあげるほどの状況に繋がっています。

しかし、高校ダンスには、登美丘高校だけではなく素晴らしいダンス部がいくつもあります。
登美丘と同じように練習で汗を流し、勝負に命をかけ、高校生活をダンスで燃やす学校が全国にたくさんいます。

異端と言える登美丘高校がダンス部を代表するような存在として一般に高校ダンス部の存在を知らしめ、その奥に広がるダンス部の多様性や可能性がさらに認知され、ダンス部を応援する人(ダンス部ファン)が一人でも増えていけば!……私もここまで長文を書いた甲斐があるというものです(笑)。

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引き続き、ダンスクでは登美丘高校とダンス部を応援していきます!

長文お付き合いただき、ありがとうございました。

文:石原久佳(ダンスク!)



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