「自粛犬」がまさかのブレイクしたブレイクダンス元世界王者ISOPPが送るwithコロナの生き方

2020.07.31 DANCE

「自粛犬」
をご存知でしょうか?!

九州で局地的にバズっているYouTube動画で、独特な筑後弁を見事に使いこなすダックスフントの「花ちゃん」が主役なのだ。
外出自粛や新型コロナウイルスの影響を受ける社会や飼い主へ「犬の言い分を語る」1~3分ほどの短い動画で、福岡の「筑後弁」による吹き替えが
「カワイイ!」
「面白すぎる!」
と大ブレイク。

コチラの第1回目は

なんと140万回再生!

計10回の動画シリーズで

900万回の再生を記録しているのだ!

「最初は自粛中の地元の人に喜んでもらおうと思って作っただけなんですけど、すごいコトになってしまいました…。今や僕より有名で、花ちゃんにCM出演の依頼も来てるぐらいです(笑)」

…と語るのはブレイクダンサーのISOPPさん。
そう、動画の主はISOPPさんなのだ。動画の加工もナレーションもISOPPさん。
以前からYouTube活動には精力的なISOPPさんだが、今までの動画の何よりも「花ちゃん」の動画の再生回数がエグいことになってしまったのだ……。

ブレイクダンスでは世界チャンピオンの座につき、DJやヒューマンビートボックスや物真似や執筆講演活動までを武器に、メジャーシーンやテレビでも大活躍。
そして、こんな動画制作まで……。

いや〜、才能がある人は何をやってもあるんですね!!
本人の顔や名前が出なくても、溢れすセンスと情熱は隠せません!!

そこで『ダンスク!』2020年8月号30号に掲載されたISOPPさんの近況と高校生への熱いメッセージをお送りしましょう!

題して…

「倒れてもまた立ち上がれ!」

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コロナの影響と近況

予定されていた2020年のステージや舞台はすべてなくなり、神奈川県在住の僕はコロナ感染拡大を避けるため実家の福岡県には帰らず、ひたすら自粛生活を続けました。
まるで入院しているかのように自分の部屋が「精神と時の部屋」状態です。
しかし、イベントやステージが組めないのであれば自宅でイベントをしてそれを配信して見てもらおうと、すべての部屋を大改造し、あらゆるコンテンツをメディア発信するようになりました。
環境は大きく変わりましたが、コロナ前と比べて今のほうがやることは多くなっています。
だけどあくまでも僕はステージに生きたいのではやく舞台で表現したいというのが本音です!

自粛期間中に感じたこと

お金持ちも貧乏人も、売れてる奴も売れてない奴も、実力がある奴もない奴も、すべてがスタートラインに戻り「よーいドン!」の合図が「緊急事態宣言」のように思いました。
輝きたいと思っているのに輝けない奴がもう一度輝くチャンスを手に入れました。
崖っぷちに立った時の人間ほど本性が現われるもので、こんなときこそ見えてくる景色が毎日ものすごいスピードで展開していく2020年を過ごしています。

人の価値観とは皆それぞれ違うもので、この自粛中に自分が本当に手に入れたいもの、本当に大切にしたいものがハッキリしたのではないかと思います。
「それ」に向かってもう走り出している人もいれば、まだ「それ」が見えない人もいます。だから今はまだ成長の途中、スマホで言う所の「アップデート中」です。昔使えていたアプリがOSのアップデートにより使えなくなるのと同じように、昭和や平成の時代の常識が令和では通用しなくなります。
奪い合うテイク&テイクの時代からギブ&テイクの時代に変わり、これからはギブ&ギブの時代に少しずつ近づいていくように思います。

これからのダンス界や世の中で起こること

オモテ向きだけのフェイク的なもの=「ニセモノ」は通用しなくなると思います。例えば身近な表現をすると、YouTubeでは動画の中身のないサムネイル釣り、インスタグラムでは「映え」よりも中身のある内容を発信できる人が注目されていく……つまり、モノを見定める人の目がより一層レベルアップすると思います。
ダンス業界においても、ダンス部の大会においてもこれからは「ただの上手」では勝てない時代が来ます。それを踏まえての高校生へのメッセージと
しては……
「バズり」より「悟り」

これを投稿したらバズるかな?を考えるよりも、この投稿を見た人はどんな気持ちになるかな?を考えること。
うまく踊ろうとか、うまく歌おうとかを考えると同じくらいに「どんなつもりで踊っているのか、どんなつもりで歌っているのか」を感じること。
高校時代は感受性も高いし、感動もすれば傷もつきやすい。だけどあなた達は表現する方法を持っている。
傷ついた心すら芸術に変えろ! うまく踊れるようになるのも楽しいし、新しい技ができるようになるのも楽しいけど、今度はそれらを使って、「どう人を楽しませてやろう?」と考えるようになろう!

そうなった頃にあなたはスターだ! だからいっぱい感じろ、いっぱい泣け、いっぱい笑え!
そうやって経験値を積んだ奴がステージに上がるから、観客はただならぬオーラを感じるんだ。勝つからカッコいいのではない、倒れてもまた立ち上がるその背中がカッコいいんだ。
だから勝つまで挑戦し続けてほしい!

勝ったら次に登りたい山が見えてくるから、次のことはまたそこで考えればいい。
前を向いて顔を上げて突き進め!
そしてあなたの実力でこの業界に、新しいダンスムーブメントのクラスター感染を巻き起こせ!


▲ブレイクダンスで世界を極めながらマルチな活躍を展開するISOPP氏。SNSや動画での活動は、すべて自身で企画・制作・運営するという多彩さと情熱だ。

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