ダンススタジアム2018年夏のビッグクラス優勝は同志社香里が二連覇!出場50チーム独自採点&総評

2018.08.18 REPORT

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41:宝仙学園高等学校女子部(東京)
*スキル・グルーヴ:7
*表現力・世界観:8
*構成力・チームワーク:7
*衣装・センス・選曲:7
*エンターテインメント性:8
★いつも独特の世界観を見せてくれる東京の常連校。ゾンビをテーマに恐怖のパフォーマンスを展開するが、今回はスキルのばらつきやユニゾンのスキがやや目についた。

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42:沖縄県立普天間高等学校
*スキル・グルーヴ:7
*表現力・世界観:7
*構成力・チームワーク:7
*衣装・センス・選曲:6
*エンターテインメント性:6
★4年連続4回目の出場。沖縄ダンス部の台頭を代表するような学校。強いビートにアグレッシブなダンスを乗せる。

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43:愛知教育大学附属高等学校
*スキル・グルーヴ:6
*表現力・世界観:6
*構成力・チームワーク:6
*衣装・センス・選曲:5
*エンターテインメント性:5
★メンバーの個性を活かした構成だが、やや散漫な印象になってしまったので、振り付けの取捨選択や見せどころへの集中をより意識したい。

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44:神奈川県立光陵高等学校
*スキル・グルーヴ:7
*表現力・世界観:8
*構成力・チームワーク:7
*衣装・センス・選曲:8
*エンターテインメント性:7
★生徒たちの創意工夫が詰め込まれた楽しい作品。一瞬の衣装替えがどういう仕組みかわからないほど完成度が高かった。

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45:東京都立竹早高等学校
*スキル・グルーヴ:8
*表現力・世界観:8
*構成力・チームワーク:8
*衣装・センス・選曲:7
*エンターテインメント性:7
★7年連続出場になる常連校。速いテンポをさまざまなダンススタイルで見せ、スケールの大きなエンディングにつなげる。部としての経験値を感じさせるような作品。

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46:山村学園高等学校
*スキル・グルーヴ:7
*表現力・世界観:8
*構成力・チームワーク:7
*衣装・センス・選曲:6
*エンターテインメント性:6
★強いフィジカルを存分に使ったダイナミックな音取りが特徴。ビジュアルはキャッチーだが、選曲のせいでややマニアックな印象で届いてしまったか。

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47:同志社香里高等学校
*スキル・グルーヴ:10
*表現力・世界観:10
*構成力・チームワーク:10
*衣装・センス・選曲:10
*エンターテインメント性:9
★昨年の優勝校だけに、ステージに持ち込んだ集中力がすでに別格。鋭角的な音に合わせ、得意のワックやソウルでドラマチックな展開を演出する。大人数が掛け算で倍増していくような迫力と波動が圧巻。これをコーチなしの状況で自分たちで振り付けしているのだから、もう脱帽だ。

【優勝】

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48:奈良市立一条高等学校
*スキル・グルーヴ:9
*表現力・世界観:9
*構成力・チームワーク:9
*衣装・センス・選曲:10
*エンターテインメント性:8
★風通しの良いフィーリングのグルーヴ感をテーマに、演技や楽器なども使った余裕のある演出で楽しませる。押せ押せではなく、抜きや引き算の考え方で、ショーケースのような作品作りを目指した。

【優秀賞】

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49:清教学園高等学校(大阪)
*スキル・グルーヴ:7
*表現力・世界観:7
*構成力・チームワーク:8
*衣装・センス・選曲:7
*エンターテインメント性:6
★大きくメリハリの効いた動きが特徴。より音を心地よく感じるフィーリングを磨いていきたい。

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50:東京都立福生高等学校
*スキル・グルーヴ:8
*表現力・世界観:8
*構成力・チームワーク:9
*衣装・センス・選曲:8
*エンターテインメント性:9
★まさかの東京音頭からよさこいへ急変化。和をテーマにしたダンスの掘り下げ方が素晴らしい。

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【結果】
優勝:同志社香里高等学校
準優勝:大阪府立久米田高等学校
優秀賞:山村国際高等学校/奈良市立一条高等学校/大阪府立登美丘高等学校/大阪府立堺西高等学校/神奈川県立市ケ尾高等学校/大阪府立箕面高等学校

〜特別賞〜
審査員特別賞:東京都立大森高等学校
ワン・ダイニング特別賞:京都府立山城高等学校
エースコックスーパーカップ特別賞:日本体育大学荏原高等学校
産経新聞社賞:横浜創英高等高等学校
(社)ストリートダンス協会賞:大阪府立渋谷高等学校

※審査員:協賛企業者に加えて栗原ひろみ、ISOPP、HASE(Repoll:FX)、HAL、gash!(Beat Buddy Boi)

 

【総評】

内側から湧き出るエネルギーを!

注目のビッグクラスは同社香里の二連覇だった。
DCCのレポートで予想した通り、DCCとダンスタで登美丘と同志社香里の順位が入れ替わる再来劇となった。

ウィニングダンスでの同志社香里の堂々たるパフォーマンスはもはや風格さえ漂う。
しかし、ここまで来るまでには相当なプレッシャーや葛藤があったことは、何度かの同校での取材で十分に窺い知れる。

二連覇複数回の優勝という偉業だけでなく、同志社香里が素晴らしいのは、コーチ不在で自分たちでの振り付けという完全自主的スタイルはもちろん、「まずは自分たちの目指すことをやりきる」という内的評価に活動の指針を置いていることだ。外的評価=結果はあくまでのその過程があってこそ。同志社香里は、中高一貫の6年間のなかで、そのための技術とセンスを真摯に磨き、部の伝統を着実に積み上げている。

高校ダンス部の全体レベルが上がり、これだけの注目が集まれば、当然皆が勝ちたい。その流れで傾向として出て来るのが、レベルアップにともなう「平均化」だ。
あえて苦言を呈するならば、特に顕著なのが「ハメていく」傾向。
音にハメていく、振り付けにハメていく、流行りやウケるコンセプトにハメていく。
すべて外から入って来る情報やお手本に対して、短期間の準備でなるべく正確に当てていくやり方だ。

具体的には、スポーツ的にパキパキと音に合わせる動きや、外部コーチの難易度の高い振り付けを必死でこなそうとする様子や、ウケるコンセプトを焼き直すテーマ作品が今回の大会でも多く見られた。
もちろんそれだけでも充分。でもこれから先に進むためには、一度「原点」を見直してみよう。

ダンスとはそもそも、自分の内側から湧き出る衝動やコミュニケーション、あるいは祈りやエネルギーだ。
それらが自然なフィーリングやグルーヴやパッションになり、結果審査員にも「踊っている」という心地良いエネルギーが送られる。
人間離れした動きを目指すのではなく、逆に人間らしいパッションや感情こそが心を動かすのだ。

誰かの真似をする必要も背伸びをする必要もないので、高校生なりに自分たちの内側から出る感性やエネルギーに今一度向き合ってみよう。
その上で、音楽をていねいに聴き、自然なフィーリングで踊ることに目覚め、自分たちの等身大のテーマを持つ。さらには、踊ることの真の喜びに目覚め、ダンスでダンス以外のことを学び取り、できれば卒業後も大好きなダンスとの付き合いを続けていってほしいものだ。

レポート:石原久佳(ダンスク!)

 

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