「ハイダン」に生まれ変わった「マイナビHIGH SCHOOL DANCE COMPETITION」2020シーズン1回目の予選をレポート!
2019.11.22 HIGH SCHOOL
ダンス部大会は数多くありますが、その中でも「ストリートダンス」を強調した大会が、HIGH SCHOOL DANCE COMPETITIONだ。
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DANCE AIVE HERO’Sをはじめとするストリートダンスイベントを開催するアノマリーが2015年から仕掛けるイベントで
「ストリートダンスに特化したダンス部コンテスト」
として認知を広げ、今シーズンから「ハイダン」という愛称で、より親しみを増したイメージになっている。
他大会との差別化の部分と、そのスタンスをより明確にするため、まずはアノマリーに詳しく質問をぶつけてみた。
Q)ストリートダンスイベントを主としていた会社がなぜ高校ダンス部大会を?
A)ダンス部の方から「ストリートダンサーの目線で審査」をしていただきたいという要望を受け開催を決めました。そのため、予選は日本のストリートダンサーが審査をし、決勝大会では海外のストリートダンサーが審査をするという他の高校ダンス部大会とは異なる要素を入れました。
また、決勝進出チームが両国国技館で開催される「DANCE ALIVE HERO’S FINAL」の舞台に立つことで、ストリートダンスシーンの中心にいる方々に『高校ダンス部シーン』というものを見ていただく、高校生ダンス部員に真のストリートダンスシーンを見ていただく機会を設けたいと思っております。
Q)これまでダンス部大会をやってきて気づいたこと、高校ダンス部の特徴をどう思うか?
A)ダンスシーンに新しい風が吹き、今では高校生ダンス部というものが根付いてきたと思っております。
部活動ならではのフレッシュ感、青春感、汗と涙というような、今までのダンスシーンではあまり見ることのなかった透明感が高校ダンス部にはあると思います。
Q)「ハイダン」という愛称になって、変えることはあるか?
A)開催当初、高校生ダンス部の大会は少し畏まっていなければいけないような節が社内にありましたが、今ではその垣根が取り払われ、よりライトな愛称が浸透するようになったと思い「ハイダン」と呼ぶようにしました。
皆様に親しみを持って「ハイダン」と呼ばれることを願っております。
Q)ストリートダンスに特化したダンス部大会と謳っているが、それ以外のダンス部の出場に関しては?
A)決勝の舞台が、日本発信の世界最大級のダンスイベント「DANCE ALIVE HERO’S FINAL」であり、審査員がストリートダンサーであることが他の高校ダンス部大会とは異なりますが、ストリートダンスジャンルではないダンス部の方が参加できないわけではございません。
「DANCE ALIVE HERO’S FINAL」の舞台に立ってみたい!ストリートダンサーに自分たちのパフォーマンスを評価してもらいたい!等思っていただけましたら、ぜひご参加いただきたいです。
2020年シーズンからは、予選規模を関東2回、関西2回と増やし、さらに今年は中学生を対象とした「Jr.HIGH SCHOOL DANCE COMPETITION(ハイダンJr.)」を開催するそうだ。
今回は、2020年シーズンの予選一発目である「マイナビHIGH SCHOOL DANCE COMPETITION EAST vol.1」を取材してみた(11/9@大宮ソニックシティ)。全チームレポートもしたので、ぜひ今後のアドバイスとしてもらえれば幸いだ。
レポート:石原久佳(ダンスク!)
(審査基準)
• DANCE「技術、センス、グルーブなどのダンスに関する全て」
• PERFORMANCE「構成、演出、表現力、音楽、ビジュアルなどの作品能力」
• IMPACT「オリジナリティー、完成度、難易度、エンターテイメント性などの作品からうけるインパクト」
上記の3つを「審査員それぞれの着眼点」でそれぞれ10点の30点満点で計算し合計点で採点します
(審査員)
ARANAMI(9stepper’z!! / bebop crew gang)
JUMPEI(Alaventa / Rook A Tribe)
MEDUSA(ebony)
TAKESABURO(XXX-LARGE / SODEEP)
yu-ki.☆(ファンファーレ)
武南高等学校(埼玉)/ GENESIS RAY
37名大所帯。以前に比べ、ユニゾンや構成力に練習研究の成果が見られる。今後は、パワーと大きさ、カウントでの踊り、音質の低さを課題にしたい。
目黒学院高等学校(東京)/ DEF CREW
新人チームがゆるいノリで奮闘。当然、緊張感はあるだろうが、もっと楽しむノリが出てくれば、ダンスと表情にエネルギーが出てくるだろう。
東京都立立川高等学校 / Anchor
ユニゾンを鍛えた大所帯チーム。音取りもよく考えられていたが、やや忙しく詰め込んだ感があり、印象が薄く流れてしまった。
浦和学院高等学校(埼玉)/ Red Glitter
レトロゲームの音源で個性を出しつつ、鍛え上げたユニゾンで、気迫みなぎるアタック感を見せる。多少のラフさも勢いにつながっていた。
叡明高等学校(埼玉)/ BOOGROOVER
ポップをベースにした新鋭高だが、オリジナリティの加え方が板についてきた感じ。基礎力をアップし、さらにユーモラスやハイライトを作れればより伝わるだろう。
神奈川県立大和南高等学校 / Brave
ワックやジャズヒップホップをベースにした3人組。空気感の出し方や表現力にはポテンシャルを感じるので、基礎力が伸びれば今後に大きく期待できる。
埼玉県立杉戸高等学校 / Sergeant
いつも衣装と選曲がハイセンス。ノリのつかみ方も良い。1つ1つのシルエットや動きの軌跡を突き詰めていけば、ぐっと雰囲気や色気が出てくるだろう。
東野高等学校(埼玉)/ MOBB
体感をフルに活用する同校の特徴的ダンス。ダシキ衣装も個性を演出しているが、オシャレ系に振るならばもっと細かいニュアンス表現が必要だ。
武南高等学校(埼玉)/ ”WARA”B-BOYZ
チームワークとエンタメ性が楽しいブレイキンチーム。テンポの良い構成で観客を引き込む。青春感も爆発。
東京都立八潮高等学校 / 都立八潮黄金期
衝撃の全員ドナルド。構成も凝っており、ダンスも多彩だったが、最後までドナルド衣装に目を奪われてしまう。ネタ負けしないダンスの説得力を。
叡明高等学校(埼玉)/ AWESOMEST
応援団の声援をバックに、季節外れのサマーダンスから、重心の低いヒップホップ、ファンキーなレゲエノリへ展開。観客を楽しませる構成力が光る。
二松学舎大学附属高等学校(東京)/ Butterfly effect
序盤の椅子を使った余裕のパフォーマンス。ポップの強さとバネの利いたバウンス感が観客をグイグイ引き込む。今年も二松は強そうだ。
千葉敬愛高等学校 / UNGEST
今夏からのネタがより進化を見せてきた。強豪校だけに厳しい注文をつけるが、つい上半身へ意識が向いてフリが忙しくなっているので、今後は下半身のしなやかさと表現力が課題か。
群馬県立安中総合学園高等学校 / 9代目TOP ROBBERS
序盤からのグイグイと引き込むグルーヴ表現。音取りの多彩さと刺激。クールなストリート感が今大会の魅力を象徴していた。
【結果】
優勝:二松学舎大学附属高等学校(Butterfly effect)
2位:武南高等学校(”WARA”B-BOYZ)
3位:群馬県立安中総合高等学校(9代目TOP ROBBERS)
特別賞:千葉敬愛高等学校(UNGEST)
>>優勝チームは、DANCE ALIVE HERO’S内で行なわれる決勝大会へ進出。2・3位チームは同イベントのサブステージにてパフォーマンス。
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