マンガで楽しむ超ダンス部入門#5-7「これが上達の時」「大会出場の勇気」「感謝の気持ち」

2020.07.24 HIGH SCHOOL

マンガで楽しむ超ダンス部入門#5

これが上達の時

 

当然、上達には時間がかかる。でも、地道にやってきたいろんなことが一気に繋がる「気づき」の時は来るのだ。それは誰かのアドバイス一言がきっかけだったりするよ!

文&マンガ原案=石原久佳(本誌編集長)
マンガ:コバタキミコ
(ダンスク2020年6月号より転載)

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▼1年生それぞれのタイプと課題!▼

ここでは、ダンス部員によくある上達のお悩みを紹介。筆者がこれまでに話を聞いたプロダンサーやコーチからの意見を参考にアドバイスをまとめた!

 

キレがほしい!

よく「キレキレのダンス」と表現されるが、うまいダンスはキレ具合が際立つ。キレとは単に速度だけのことではなく、止めから動き出しへのスピードの落差と、動いてからの加速度を指すのだろう。スピードを出すことと同じぐらい、ピタリと止める力やスローな動きのニュアンスが大事。速さだけではなく、落差・緩急・メリハリ。また、指先足先までの表現や大きく踊ることもキレの印象につながる。

 

パワーがほしい!

パワーとは踊りの力強さや重さ。先のキレとも似ているが、単純に筋力の強さや物理的な力だけを示しているのではなく、ダンスでは力強い印象=パワー感のことを言っている。そういう印象を与えるためには、ダンスの動きと同じぐらい「ニュアンス」づけが重要だ。
言わばダンスにとっての「演技」の部分。表情や勢いや余韻の部分で、力強いイメージをどのように表現するかを考えたい。また、とあるダンサーは「逆に脱力することによってパワー感が演出できる」と言っていた。ここもキレ同様に動きの緩急や力の抜き差し、内側からのエネルギーがポイントになる。

 

体力がほしい!

筋トレによるフィジカル強化や踊り込みによる持久力強化は初心者には欠かせない。運動部並みの走り込みでスタミナ強化を行なうダンス部もある。筋トレやアイソレで重要なのは、今どこを鍛えているか、ダンスのどの部分につながっているかを意識すること。プロダンサーの中にはフィジカルトレーニングを行なわずに、あくまで踊りの中でフィジカル強化を行なうタイプもいる。そうすることで、踊るための筋力が自然に鍛えられ、無理のない体の使い方を覚えることでケガ防止にもつながるという。


▲『ダンスク!』がプロデュースしたダンス動画「毎日DANCEトレーニング」はYouTubeにて公開中!

 

マンガで楽しむ超ダンス部入門#6

大会出場の勇気

 

大会に出てみたい! でもまだヘタだし緊張するのはイヤだし…って気持ちもわかる。でも出ないことは気づけないこと、見られない風景、次へにステップがある。構わず出よう! 出ればわかるさ!

▼アガるのはしょうがないけど…▼

ダンス部大会には年々マスコミからの注目も上がっており、大会数も増えている。出場常連校と未出場校の実力差が顕著になっているようだが、大会出場はさまざまな成長が得られるので、ぜひ勇気を持って参加してもらいたい。ここでは大事にしたい3つのポイントを解説しよう。また、主要ダンス部大会の傾向を別表にまとめたので、参考にして欲しい。

 

目標

まずは、作品や振り付けの前に部や個人にとっての明確な目標を話し合うこと。何のために出るのか? を見失うと制作途中でブレることがある。それは、具体的な入賞や予選突破なのか、自分たちらしい作品を作ることなのか、参加することで学びたいことは何か、などなど。

 

バランス

作品作りにおいて、常に気をつけたいのが「バランス感覚」だ。作品作りには、テーマ、振り付け、表情、選曲、衣装、ストーリー、メッセージなどいろんな要素があるが、それらが1つの方向に合致していないケースをダンス部の作品にはよく見かける。大事なのは、見ているだけで「伝わる」こと。コンセプト作品にせよ、抽象表現にせよ、観客や審査員には思っているほど世界観が伝わらないもの。伝わりにくさは、減点や飽きにつながる。自分たちの作品を客観視し、仕上げと見直しに意識を向けら得るかが大事になる。

 

スケジュール

スケジュールには余裕を持っていきたいが、各工程においてなかなか思うように制作は進まないものだ。大会前日まで踊り込んでいたり、作品の修正を繰り返していたり、揉め事もあったりするが、大会出場とは「そういうもの」だと腹を括ろう。そこも含めて、部員の成長や経験につながるのだ。スケジュールも大事だが、もっと大事なのは「全員が意見を言うこと」「納得するまで試すこと」「自分たちらしさを見つけること」だ。

 

反省と課題

勝っても負けてもやりっぱなしは良くない。納得如何に関わらず、全員が結果と向き合って、反省点と課題点を早めに共有したい。現場で見た他校の作品について話し合うもの良いだろう。その蓄積が後輩や伝統に受け継がれ、やがて太い幹として大きな成果につながるのだ。勝つことだけがダンスじゃないし、大会出場の目的ではない。だが、限られた時間を燃焼するためには大会出場は大きなモチベーションになる。結果的には、勝ち負け以上に得られる宝物があるのだ。


※参加チーム数と決勝時期は昨年のもの

 

マンガで楽しむ超ダンス部入門#7

踊ることへの感謝と未来

 

コロナがあったからこそ痛感しただろう「普通に踊れていた日々」の貴重さ。今こそ、感謝の気持ちを心に抱き、ダンス部員一人一人が「責任」を感じるべきなのだ。

▼先輩たちの卒業と夢見る将来像▼

 

普通に踊れる日常への想い

ダンス部で得られる大きな能力に、創造性と協調性と自主性があると本誌では何度も言っているが、その活動の中で「感謝の心」を得られることも忘れてはいけない。ひと昔前ならば、学校の中でストリート系ダンスを踊ったり、ダンスミュージックが大音量で流れたりなんて、あり得ないことだった。ストリートダンスとは「学校の外」で楽しむものだったのだ。それは時代の流れ、と言ってしまうほど簡単な変化ではなく、その当時の「踊りたい」という生徒たちの気持ちと、それを聞き入れて学校や各所と折衝してきた先生方の尽力があり、それが綿々とつながって今の状況があることを想像してほしい。
そしてその状況が、ダンス部員誰かの勘違いや油断による不祥事で、「やっぱりダンスは…」という社会の目に裏返り、全体の迷惑へと大きく転化してしまうことを想像してほしい(昨今のアマチュアスポーツ界の不祥事が良い例だ)。脅かしているわけではないが、今の時代、ダンスは社会に歓迎され、良い状況と環境が作られている。だからこそ、だ。普通に踊れている状況に感謝し、ステージと機会を作ってくれる人たちに感謝し、それを見て喜んでくれる周囲や社会に感謝しよう。ぜひその気持ちを君たちのダンスに込めて欲しい。そういうことを直に表現できるのがダンスの魅力なのだ。
高校ダンス部のダンスはお金を生むわけではない。伝えることができるのは、ダンスをする喜びと「感謝の気持ち」。自分があるのはまわりのおかげ。ダンス部の活動によって、その気持ちを真に得ることが最高の財産になるのではないだろうか。

 

ダンス部員の未来

「ダンス部出身でした」という社会人に出会うことが多くなった。どの若者も明るく、表現力豊かで、やる気とアイディアに溢れている。そういう若者がどんどん増えれば、就職や起業に関して元ダンス部員は有利なイメージになることもあるだろう。皆さん一人一人がダンス部員の見本になるつもりで、ダンス部員の未来地図を描いていってほしい。
ここで、ダンス部の活動の特性から向いている仕事を具体的にあげてみよう。
①体を使って表現する仕事(保育士、インストラクター、ダンサーなど)
②コミュニケーションが重要な仕事(接客業、看護、福祉系、観光業など)
③イベントを作る仕事(イベント制作、舞台制作、エンタメ系など)
④SNSや動画でコンテンツを作る仕事(広告代理店、制作会社、その他クリエイター)
⑤職人的な技術が必要な仕事(調理系、音響系、エンジニアなど)
もちろん、可能性はこれに限らず。コロナ以降は職業に関しての状況もシフトしていくはずだ。皆さんがダンス部で培ってきた「ノリ」と「センス」をぜひ日本の将来に活かしてほしい!


▲バブリーダンスで一世を風靡した大阪府立登美丘高校の元キャプテン・伊原六花は現在芸能界で活躍する。

 

 



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