全国大会最多優勝の強豪・同志社香里高校ダンス部が「自粛中に取り組んだ5つのこと」

2020.08.05 HIGH SCHOOL

コロナ渦の休校自粛期間中に全国のダンス部がどのような活動をしていたかをご紹介しよう。
ダンススタジアム全国大会で最多優勝記録を持ち、先のダンススタジアム予選の「近畿・中国・四国大会Bブロック」を1位で勝ち抜いた同志社香里高校ダンス部の部長・梶浦さんからのレポートだ!

※『ダンスク!』2020年8月号30号より転載(執筆時は6月中旬です)

自粛中に取り組んだ5つのこと


梶浦麻椰

同志社香里高等学校ダンス部部長

自粛期間中の「ダンス部ノート」作成

こんにちは。同志社香里ダンス部の部長を務めています、梶浦麻椰です。

私達はコロナの影響で3月からクラブ活動が全くできず、6月15日から1時間のミーティング、2時間の個人練などが段階的に始まりました。しかし、6月中旬の時点ではまだまだ通常練習に戻ることができません。

自粛期間中、ずっと練習ができないことに不安を感じましたが、このままダンス部として成長を止めてはならない!と思い、行なっていたことがあります。

その1つ目は、「個性爆発ダンス部ノート」を作成することでした。(左上写真)そのノートには、私たちが普段練習に取り入れている7ジャンル(SOUL、LOCK、WAACK、HIPHOP、POP、HOUSE、JAZZ)の歴史、音楽、ダンサー、衣装、今と昔の変化をまとめたり、この期間で心に深く刺さったダンス動画特集を作ったり、今後の作品作りのネタなどを書き入れました。

そして、完全にオリジナルで世界に1つだけの貴重なノートが出来上がりました。普段の練習中、ダンスの歴史などを伝えても、どうしても時間内に伝えきれない悩みがありましたが、このノートを作ることで全員がダンスを深く理解することができ、その悩みも解決し自粛期間を最大限に活かせたと思います。

動画作り、完コピ練習、リモート練習

2つ目はダンス動画の作成です。高3が決めた課題曲を各学年に伝えて、各々が創作する場面を作り、学年で一本のダンス動画を作成し、それを全学年に共有しました。他学年の部員が必ず自分と同じ場面を創作しているので、「ここの音を拾うんだ!」など自分との違いを見ることで、さまざまな気づきを得られたと思います。

3つ目は、7ジャンルのプロのダンサーの方の動画を部員全員が完コピし、動画に撮って送ってもらい、改善点を伝えました。普段プロのコーチがいない私たちにとって、自分とプロの方のダンスを見比べることはすごく大切で、違いを自分の目で確認でき、さらに動画で何度も見直すことができるので、今後の課題点を見つけられたと思います!

4つ目は、各学年が数名ずつ入ったグループを作り、LINEのビデオ通話でリモート基礎練を行ないました。リアルタイムで一緒に練習でき、不足していたコミュニケーションを取ったり、部員同士の表情を確認することができました。自粛で寂しい気持ちになっている私たちに必要だったものが取り戻せたなと思います!

5つ目は、上級生と下級生でペアを作り、この期間の悩み、今までの活動の中での悩みを下級生が電話で相談できる状態を作りました。いつもは人数が多いので1人1人と触れ合える時間が限られますが、時間があるこの期間に下級生に寄り添うことで、心に余裕を持ってもらえたと思いますし、今後のチームワークを強める良いきっかけになったと思います。

 

自粛中に気づいた「大切なこと」

いくら自粛中とはいえ、クラブから離れすぎてしまうと、みんなの意識からダンスという存在が薄れてしまうのではと心配していたので、そうならない課題作りを意識していました。また、先の読めない不安な状況でも、みんなががんばって踊っ ている姿を見るだけですごく元気をもらえていたので、ダンスが与える力は大きいのだと再認識することができました!

高3同士では、今後の大会のために、Zoomでミーティングを行なっていましたが、リモートで1つのことを決めるのは大会があるかのように捉えて、絶対に後悔のない作品を作るということを決心し、強い信念を持ってこの目標に向かい続けます

この原稿を読んでくださっているダンス部の方の中には、同じように壁にぶつかり悩まれた方もいらっしゃるのではないかと思います。私もすごく辛くて、大会が中止や延期になるたびにため息ばかり出ました。でも、この期間があったからこそ時間を気にせず先のことをじっくり考えたり、逆に㆒度離れることで、みんなとダンスができる日常の大切さやありがたさを感じることができました。この気持ちは、必ず私たちを強く大きくしてくれると思います。いつもなら大会で競い合う関係でもありますが、この辛い状況を経験した仲間として、ダンスを通し、お互いに高め合い、残されたダンス部生活を楽しみながらがんばっていきましょう!


▲ 顧問の先生からのメッセージも部員を勇気づけた!


▲ようやく部活再開の日。マスクの下で笑顔がこぼれる!



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