2021年関東ダンス部躍進の秘密#1〜ハイダン関東予選に見る代表ダンス部とその特徴

2021.11.22 HIGH SCHOOL

文:石原ヒサヨシ(ダンスク!)

 

2021年は関東のダンス部が活躍した年だった。
DCCでの山村国際の完璧な演舞、ダンスタなどで台頭してきた叡明高校や日体大桜華、そして千葉敬愛や狛江、百合丘などの古豪も地力の強さを見せた。

これまで、ダンス力や表現力の面で強い関西勢に押されてきた傾向があったが、ここに来て全国上位に関東勢が食い込んでくる状況。

本当に関東のダンス部は強くなったのか——?

その秘密を探るために、11月13日に江戸川区総合文化センターで行なわれた「マイナビ ハイダンEAST vol.2」を覗いてみた。

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出場チームは、先に挙げた強豪校・新鋭校がズラリ。
まずは、その特徴をまとめてみよう。

 

群馬県立安中総合学園高等学校

ジャズからクランプまで多様なジャンルを踊る群馬の強豪チーム。コンセプトやストーリーも明確で印象に残る作品も多いが、年によってややクオリティにバラつきがある。学校は群馬の郊外にあり、情熱的な顧問の指導のもと専用のダンス練習場で気合の入った練習を続けている。

 

専修大学附属高等学校(東京)

徹底してハウスにこだわる、全国でも珍しいダンス部。ハウスはコンセプトや衣装などの演出面では勝負しにくいジャンルのため、ストリートダンスらしいグルーヴとフレーバーを追求する姿勢が清々しい。玄人好みの王道スタイルだ。

 

埼玉県立杉戸高等学校

スタイリッシュにフロウする新旧織り交ぜたHIPHOPスタイルに、顧問の得意ジャンルであるPOPがアクセントに入る。毎年平均的に良いパフォーマンスを続けているだけに、もう一つ実績や武器を確立すれば、1段階ステイタスを上げていく可能性も充分にある。
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二松學舍大学附属高等学校(東京)

関東では異色のPOPを主武器にしたチーム。毎年、個性的なメンバーが揃っており、個の力の集合体としてのチーム感がストリートっぽい。ストリートダンサーである顧問の指導のもと毎年のバージョンアップが楽しみなチームだ。
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さいたま市立大宮北高等学校

大阪や名古屋と同じように、大宮や川崎には伝統的にHIPHOPチームが多い。HIPHOPの音楽シーンが根付いているからだろう。古くからダンス部シーンで活躍する大宮北は、力強いアタックとグルーヴをベースにしたダンス力が伝統の1つだ。

 

日本体育大学桜華高等学校(東京)

3年前からダンスパフォーマンス専攻が創設され、専門コーチが授業から徹底的に部員を鍛える。振り付けやコンセプトも面白い作品があるが、基本はダンス勝負。シンプルな動きだからこそ、強いフィジカルが映える。体力も技術のうちなのだと実感する。

 

千葉敬愛高等学校

R&Bやソウルのスタイルをベースに、ワックと円形フォーメーションでアクセントを加える作風が定着している。部員による振り付けが伝統で、部は関東に珍しい体育会系気質。ある意味で関西のダンス部的な雰囲気がある。
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山村国際高等学校(埼玉)

高い技術に加え、関東らしい華やかさとバランスの良さが、一級のエンターテインメントを作っている。ダンス技術、女性らしさ、規律とチームワークなどの面で関東ダンス部の規範と言える存在だ。

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叡明高等学校(埼玉)

ストリートシーンで実績のある振り付け師によって生まれ変わり、2021年はいきなり日本一に手が届くまでの飛躍を見せた。特筆すべきはバランスの良さ。ダンス、曲、衣装、カルチャー感すべてが水準以上のレベルで揃い、ストリートダンスらしさに加え高い大衆性を持っている。
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ここに挙げた他にも、特徴的な関東のダンス部を列記していこう。

 

東京都立狛江高等学校

2人のOG振付師による構成力の高い作品。フォーメーションを活かした作風で、部員たちの結束とチーム力も高い。
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日本大学明誠高等学校

数年前から台頭し、全国の常連に。空気感を大事にしたアニメーションスタイルから、最近ではスタイル系に進化する。
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品川女子学院高等学校(東京)

女子らしい華やかさとコンセプトの明確な作品。東京の伝統的ダンス部。
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駒澤大学高等学校(東京)

振付師によりヒップホップとジャズのチームに分かれる。どちらもハイレベルで個性的。
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神奈川県立川和高等学校

ダンスというよりも、フォーメーションやカノンを活かしたマスゲーム的な見せ方が特徴。ダンス部ならではのアプローチで、同じコーチだった市ヶ尾高校も同様のスタイル。

 

武南高等学校(埼玉)

女子がジャズヒップホップ、男子がブレイクで切磋琢磨する。自主性が強く、振付も自主制作にこだわる。
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目黒日本大学高等学校

元体操選手の顧問の指導によりアクロバット技を得意にし、最近ではスタイル系のヒップホップに挑む。練習は非常に体育会系。
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神奈川県立川崎北高等学校

川崎といえばヒップホップのイメージを作っている伝統の強豪校。最近では、そこにコンセプトやストーリーの演出を乗せる。

 

神奈川県立百合丘高等学校

川崎北同様の古くからの強豪校でコンスタントに全国入賞を重ねる。ヒップホップをベースに、多彩なジャンルをこなす。

 

他にも関東の強豪校はいくつもあるが、ここでは筆者が直接練習取材をした中で、特徴の際立ったスタイルの学校を紹介させていただいた。

次回は、強豪校の顧問の意見をもとに、さらに「関東ダンス部の特徴」に迫りたい。



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