【BIGクラス全チームレポート&総評】第19回ダンススタジアム準決勝大会〜決勝進出ベスト8が決定!
2026.08.21 HIGH SCHOOL
大阪府立泉陽高等学校(大阪)
伸縮を活かした群舞のバリエーションで見せる叙情的世界観。

★日本大学明誠高等学校(山梨)
2位
道具使いの極みとも言うべきスタイリッシュな和世界。予選時よりもダンス成分が上がってバランスも良し。

福岡大学附属若葉高等学校(福岡)
若葉らしいクラシカルな創作ダンス。確かにスキルをベースにした壮大な世界観。

★東京都立富士森高等学校(東京)
必然性のある演出とダンスのバランス、ストーリーの伝わりやすさ、楽曲とのマッチングが素晴らしい。

神奈川県立川和高等学校(神奈川県)
米津玄師の「まちがいさがし」をトレースする叙情的な演舞。衣装とフォーメーションもセンス良し。

大阪府立登美丘高等学校(大阪)
人気アニメ作品をオマージュした登美丘伝統のハイテンションなエンタメ作品。

三重高等学校(三重)
三重らしいフレッシュなロッキン、遊び心たっぷりの演出で元気とエネルギーを放出。

如水館高等学校(広島)
広島から創作ダンス系の大所帯チーム。伸びやかな体使いとシンプルな音取り。

山村国際高等学校(埼玉)
群舞の流れとスカート使いが美しい作品。1曲使いでの統一された世界観。

品川学藝高等学校(東京)
ミュージカルコースの生徒がニュージャックに挑戦。ならではの表現力と高校生らしさが好印象。

梅花高等学校(大阪)
大所帯のLOCKを表情と展開で見せる。冒頭から一直線で駆け抜けた!

豊南高等学校(東京)
アイディア満載の野球ネタ。初心者を活用するエンタメ作品としてお手本になる。

愛知工業大学名電高等学校(愛知)
軽快なJ-POPに乗せてサラリーマンのドラマをコレオ。振り付けの間(マ)が良い。

桜丘高等学校(愛知)
華やかさを押し出した桜丘のJAZZ作品。ワックを武器に一気に駆け抜ける。

★細田学園高等学校(埼玉)
アンビエント曲で、呼吸でリズムに息を吹きかけるような静謐な作品。唯一無二の存在感だ。

★大妻高等学校(東京)
AI制作のオリジナル楽曲で構築した「お嬢様ブレイキン」作品。パワームーブも武器!

目黒日本大学高等学校(東京)
1位
SMALLの同校作品を継ぐようなコレオ作品。斬新な動きで静かなる情熱を抽象表現する。

★叡明高等学校(埼玉)
表現系HIPHOPとして関東随一の存在。スローでダイナミックな動きに相当の練習量を感じさせる。

京都聖母学院高等学校(京都)
7位
聖母らしい、ユニゾンやカノン、スカート使いの美しさ。中盤のペースチェンジも印象的。

★埼玉県立坂戸高等学校(埼玉)
4位
コントラストが美しい旗や幕の道具使いが効果的。スピード感、構成、ボリュームもバッチリ。数年前なら優勝していたレベルだ。

大阪府立高槻北高等学校(大阪)
音を感じて後ろに引っ張るフィーリングがファンキーなLOCKチーム。楽しさが伝染してくる。

白鵬女子高等学校(神奈川)
ほぼドラムとベースだけのトラックの変化に体幹フルのヒップホップをハメる。見た目からもスポーティな印象なチームだ。

★東京都立三田高等学校(東京)
8位
アイドルの仮面を被ったエンタメ系ストリートダンス。実は密に構成された作品で、しつこいハケ方も作品のうち(笑)。

帝塚山学院高等学校(大阪)
6位
迫力の技術と表現力の帝塚山。磨き上げたスタイルで、日本一奪還の執念が見えてくる。

東京都立狛江高等学校(東京)
スイング感を基調としたダンスに、華やかな衣装と道具使い。相変わらずの安定感だ。

【結果】
1位通過 東京都 目黒日本大学高等学校
2位通過 山梨県 日本大学明誠高等学校
3位通過 東京都 東京都立葛飾野高等学校
4位通過 埼玉県 埼玉県立坂戸高等学校
5位通過 神奈川県 神奈川県立市ケ尾高等学校
6位通過 大阪府 帝塚山学院高等学校
7位通過 京都府 京都聖母学院高等学校
8位通過 東京都 東京都立三田高等学校
★全て全国決勝大会出場

総評
「ダンススタジアムは難しい」
それが大会が終わっての率直な感想であり、知り合いの顧問やコーチ、出場者からも漏れていた声だ。それは審査結果を受けてのことで、その攻略の難しさは独自の審査基準から来ているものだろう。
他の大会にはない「ビジュアル」「音楽」「エンターテインメント」「スペシャリティ」の審査項目が、ダンス技術だけでない「作品性」を大きく評価する。そして、それらのポイントの明確な基準がわりと不明瞭のままジャッジの主観や好みに委ねられている(と思われる)。
「ジャッジによって審査結果は違う」という意見にはあまり賛成したくないのだが、ダンススタジアムは、ジャッジの主観による揺れ幅が大きくなってしまう審査システムだと以前から思っている。
>>過去記事「ダンスタの独自審査を攻略する」
そして今大会では「テクニック」「コレオグラフ」という、客観対象であるべき審査項目が、同じジャッジ陣であるのにSMALLとBIGで大きく傾向が異なっていたように思う。審査結果や得点表から見ると、SMALLはわりとクラシカルなダンス技術が評価され、BIGではニュースタイルやコレオ寄りのチームが評価されていた。特に、BIGの審査結果については異論が多かったようだ。決勝大会ではジャッジが変わるのだが、例年は上位にあまり変動がなかった。今年はBIGが大きく変わりそうな予感がする。
「毎年レベルが上がっている」
これも毎年のように聞くコメントだ。個人的にはもう15年以上も聞き続けている気がするが、ダンス部の人口が増え、注目が集まり、シーンが盛り上がっていけば、当然のように技術・作品レベルは上がっていく。しかし、同時に起こるのが「似た方向で硬直化」していく傾向だ。
勝者がトレンドを作り、それを追う者が現われ、似た方向で固まってくる。近年ではプロの指導によるコレオグラフやアクティング、小道具大道具の導入やJ-POPの1曲使いなど。もっと細かく言えば、落ちる動き、声出し、立体的な展開などはもはや安直な選択に思えてくる。私は毎年、全ての大会の決勝を見ているが、昔のように違いを楽しむというよりも、正直息が詰まるような窮屈な感覚を覚えている。
みんな高校生なのだから、もっと冒険してほしい。自分たちの感性でチャレンジしてほしい。常識を、定石を、コーチが作った振り付けを、これまでの伝統を一度疑ってみてほしい。よくあるステップを、シンメトリーを、ラスサビを、バーンという終わり方を、「それ本当に必要?自分たいらしい?」というところから一度疑ってみよう。ジャンルの形(カタ)ができたなら、次は「型破り」を狙っていこう。
技術が上がる、作品力が上がる、だけではなく、アプローチが多様化し、独自性やチャレンジングな作風が増える。それが真の意味で、シーンの「レベルが上がった」ということではないだろうか。
「ダンスは受験勉強ではない」
みんなは進学したい学校のために受験勉強をするだろう。しかし、ダンス部の活動はそうあってほしくないのだ。結果を得るためダンスをやる、練習する、作品を作るのではなく、まずはその行為そのものを楽しむ意識を忘れないでほしい。楽しむとは、楽をすることではなく、探求することや没頭すること、その行為の中で自分の可能性と出会っていく喜びのことだ。
もちろん勉強もそうあってほしい。受験に成功するためではなく、学び自体を楽しんでいるうちに目標が見えてくる。学びを知識ではなく知恵にする。同様に、ダンスを本来の踊る喜びに戻そう。そうしてダンスを仲間と楽しんでいる毎日から目標が見えてくる。そこへ向かうアプローチも浮かび上がってくるはずだ。やり抜けば、結果もついてくるかもしれない。たとえ望む結果が得られなかったとしても、人生全体としては予期せぬプレゼントとして、あとあと不意に返ってくる。
人のためでも、結果のためでもなく、行為の中で自らを見つけることを「表現」だとするなら、それこそが人間の持つエネルギーで最も出力が高いものだ。純粋な表現のエネルギーには皆が惹き込まれてしまうだろう。それを作品にしているチームが、本大会ですでに別次元の凄みを持っていることは皆も知っているはずだ。
作品のための表現ではなく、高校生である君たちが、今しかできない自分たちのため表現。
答えはすべてキミたちの中にあるのだ。
大人たちの想像を超える、見たこともないようなダンスの登場を待っています。
テキスト:石原ヒサヨシ(ダンスク!)

>>9/20開催「ダンス部リーダーズ講習会」で、石原編集長の「強豪校の特徴」という講義が聞けます。詳細とエントリーはコチラへ(HIPHOPとJAZZクラスは定員)。








