BC One世界王者の恩師SHUVANが語る！「Isseiは小さい頃から世界に出るべき逸材だと感じていた」
2016.12.13 INTERVIEW
Q.Isseiくんとの出会いは？
Isseiが6歳くらいのときにうちのスタジオ（STUDIO MJ）に入ってきたんですが、そのときにスタジオの代表が「この子はすごい逸材になる！」って言ってたのをすごく覚えていますね。僕はその頃レッスン生だったので、最初はそんなに特別なことは感じず、一緒に練習したり練習を見てあげたりしていました。
そこから1年くらい経って…僕が18歳でIsseiが7歳くらいのときですね。九州男児Jr.ができたんですが、そこから本格的に彼らの先生として指導や振り付けをするようになったんです。
小さい頃のIsseiは…とにかく人当たりが良くて、世渡り上手でしたね（笑）。大人にもしっかり対応できる子でした。あとは、人一倍練習する努力家でしたよ。
Q.今は一緒に活動されている“メンバー”ですが、Isseiくんをブレイクダンサーとして認めた❗️という瞬間はあったのですか？
スタジオの代表が最初にIsseiを見て感じたように、僕もIsseiに「他人とは違うなにか」を感じるようになったんです。
センスがずば抜けてある子ではないんですが、努力家で、ダンス一筋でずっとやってきたという彼のブレイクダンサー精神を見てきて、「この子は、上に引き上げなければいけない存在だ」と思い、その頃から一緒に踊るようになりました。
Q.BC Oneの決勝戦、Hong 10とのバトルはいかがでしたか？
Hong 10がすごく良い動きをしていたので、これは危ないかな？とも思ったんですが、Isseiはスタミナ面でスゴかった。5ラウンド全て同じようなスキルでバランスよくまとめてきていたので、終わるころには「あ、勝ったな」と思いました。戦い方がすごくうまかったですね。
当日、僕は東京で仕事が入っていたので会場に行けなかったんですが、その振り付け中にIssei優勝のニュースが飛び込んできて、思わず「キター！」って叫んでしまいましたよ（笑）。僕の叫びのせいで、仕事現場の人たちも巻き込んでIsseiの勝利を喜んだという（笑）。
本当に会場にいたかった〜！（悔）
Q.Isseiくんに成長を感じるポイントは？
ミュージカリティ（音楽性）ですね！ 昔より“踊れる”ようになりました。パワームーブ（アクロバティックな大技系）のスキルは昔から高かったんですけど、それに加えてダンススキルを標準装備させたというのが、今回の優勝にも繋がったんだと思います。
どんな状況でも、どんな音でも自分の体に取り込んで出せるようになった、というところに成長を感じますね。
Q.BC One優勝直後にIsseiくんとお電話されたそうですが、どんな話を？
BC Oneは、Isseiがずっと目指してきた大会なので、今までの努力が報われたというか、頑張って続けてきて、本当に良かったね！って言いました。
小学生の時に、Isseiが一度ダンスを辞めそうになった時があったんです。そのとき、「キミは絶対に世界に行くべき人間だから」という話をしました。そういったIsseiの今までの苦労やプロセスを思い出して「本当に良かった！おめでとう！」そう思いましたね。
あとはTAISUKE（今回でBC One引退を表明した、日本のトップB-BOY）の話も。今回でBC Oneを引退するというTAISUKEの気持ちやIsseiに対する思いもあるだろうって。そしてIsseiが10年後、ちょうど今のTAISUKEと同じような歳、立場になったときのこととか… そんなことを話しましたよ。
Q.これからのIsseiくんへの思いは？
10年ほど前、僕が世界大会に出たときに「今のままでは日本は世界で勝つことはできない」と感じたんです。海外のブレイクダンサーは体格も大きいし、そんな体でパワフルに動き回るので説得力がある。帰国後、それをIsseiたちにたくさん伝えてきました。今彼らの世代は、それを理解し日本のブレイクダンスシーンを引き上げていると感じています。
日本人だからこそできる動きや技の魅せ方（細かい動きやスピード、手足首を使った技など）というのを若くから身につけて海外に出ていけば、日本人の世界チャンピオンはこれからどんどん増えると思います。今回のIssei優勝がそれを物語っています。
なので、Isseiにはこれからも、第一線で活躍してもらいつつ、日本を世界一の国に引き上げてもらいたい。BC Oneチャンピオンになったので、立場上そうしなければならない存在です。次の世代に繋げるためにも、日本の底上げをしてほしいと思っています。
