愛知の強豪「桜丘高校」が優勝!全日本高等学校チームダンス選手権主催の“高ダン連”緒方浩先生に聞く!

2017.09.21 INTERVIEW

ダンス部大会数あれど、先生方が主導して行なわれるストリートダンス系の大会が
全国高等学校チームダンス選手権大会
>>昨年の決勝大会全チームレポート

全国のダンス部顧問の先生が各地で予選を開催し、決勝大会は北九州市のバックアップのもと、北九州メディアドームで行なわれる。

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今年の決勝大会は9月17日

そう!台風18号が九州に接近した日なのだ!

無事に大会は終了したとのことだが、当日の模様を大会の主催者である、一般社団法人全日本高等学校ダンス連盟(高ダン連)の代表・緒方浩氏に聞いてみた。

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▲強豪・北九州市立高校のダンス部顧問でもある緒方氏。

——とにかく台風が心配な時期でしたが、大会を開催するか中止するかのジャッジはどのようにあったのですか?
それはギリギリまでありましたね。学校や保護者からの問い合わせも多く、自分も寿命が縮まりそうでした(笑)。前日16日の15時の時点で開催か中止かを決めようかと思っていたのですが、関西以外のほとんどの学校はすでに16日に北九州に来ていたんです。それに、台風は九州の南をかすめる進路でしたから、北九州の方はそれほどひどくなかった。会場のメディアドームも避難場所に指定されているぐらい頑丈な建物ですし、新幹線も動くようでしたから、開催することに決めました。

——学校側からも開催の要望は強かったですか?
そうですね。最終的には、安全面を考慮して欠場した久米田高校以外の49チームは参加することになりました。運営もほとんど問題なく、ジャッジムーブなどをカットしたぐらいで、例年通りに開催できました。会場に設置した『ダンスク!』もすぐに捌けましたよ!

——それは良かったです(笑)。今回は7回目になりますが、何か目標や改善点はありましたか?
目標は継続開催していくことなので、基本的には変わらないのですが、照明やステージ設備などをちょっと追加しましたね。

——大会自体は予選からどんな様子でしたか?
エントリー校は年々増えてますね。最初は10校15チーム程度の参加だったのが今は100校120チームになってますから。予選出場校のレベルもさまざまですが、初出場のダンス部や初心者にも挑戦してもらえる大会にはなっているとは思います。

——改めて、本大会の主旨や他の大会との違いを教えてください。
まず学校の教員が運営する大会ということが根本です。どの学校でも公式戦扱いしてもらえる大会を目指しています。そして、今のダンスの普及の仕方というのは、絶対にストリートダンスの影響なんですよね。だから、ストリートダンスをきちんと評価する大会にしたいという部分はずっとあります。だから、入賞するチームもわりとコアに踊るチームが多いと思いますよ。コンセプトはあってもいいのですが、やはり踊れているチームほど高評価を得ていると思います。

<<本大会の入賞結果>>
【小編成部門】
優 勝 鎮西高等学校(熊本)
準優勝 仙台城南高等学校(宮城)
3 位 精華女子高等学校(福岡)
優秀賞 北九州市立高等学校(福岡)
優秀賞 桜丘高等学校(愛知)
優秀賞 福岡工業大学附属城東高等学校(福岡)

【大編成部門】
優 勝 桜丘高等学校(愛知)
準優勝 同志社香里高等学校(大阪)
3 位 北九州市立高等学校(福岡)
優秀賞 群馬県立安中総合学園高等学校(群馬)
優秀賞 奈良市立一条高等学校(奈良)
優秀賞 千葉敬愛高等学校(千葉)

【文部科学大臣賞(総合優勝)】
桜丘高等学校(愛知)

※その他の賞と出場校リストはコチラ

——そして結果ですが、審査員も務めた緒方先生としては順当でしたか?
そうですね。ほぼ自分が思った通りでした。まず、小編成部門の鎮西と仙台城南は抜きん出ていたと思います。他校とはちょっとレベルが違いました。小編成部門は、個人個人のスキルの違いが結果につながりますね。

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▲小編成優勝の鎮西高校。ダンスコースを備える熊本の学校だ。

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▲準優勝の仙台城南も素晴らしいスキルを見せた。

——大編成部門は、ついに桜丘が優勝しました。
桜丘はとにかくパワーが違いました。踊り終わった瞬間に「コレはいったな」という感じで。個人的には樟蔭高校も同じぐらい良かったです。同志社香里は、ダンススタジアムで優勝した3年生ではなく2年生のチームが違うネタをやりました。優秀賞をとったチームなどで、夏の大会と同じネタでも見違えるぐらい良くなったチームが多かったですね。高校最後のチャンスの生徒も多いですし、台風でも絶対出場するんだ!という気迫も感じられました。良くなっている学校はやっぱり研究してきていますね。

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▲ストリートダンス系ダンス部の雄、桜丘高校が総合優勝!

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▲ダンススタジアム優勝作品ではなく、2年生チームで準優勝した同志社香里。

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▲緒方先生の評価が高かった、身体芸術コースを持つ樟蔭高校。私立高校の環境の良さが成果として現れる大会でもあった。

——審査結果を待つ間のエキシビジョンバトルも恒例になってますね。
毎年盛り上がりますね! あれはうまくいっているので続けていこうかと思います。

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▲出場校から代表者1名を選出して行われるエキシビジョンバトルは大盛り上がり。「個」の存在をチーム全員で応援し、台風の悪天候に負けない熱気だった。

——緒方先生もダンス部に関わって長いそうですが、本大会や主催の高ダン連がやっていきたいことはなんでしょうか。
これはずっと変わらずで、何より各学校から公式戦扱いしてもらえる大会を作り上げたいと思ってます。そして生徒が自分の想いをぶつけられる、自分を表現できる大会を続けたいというところですね。いろんな状況の変化には対応していきたいとは思いますが、「ブレないこと」というのが一番大事です。高ダン連では、大会開催以外にも、福岡県の学校の合同発表会をやったり、今後合同練習会などもやっていきたいと思っています。また、大会出場校が常連化してくると、そうじゃない学校は参加しにくい状況になってくるので、そのあたりの底上げもやっていきたいですね。

インタビュー&文:石原久佳(ダンスク!)



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