東京都立狛江高校ダンス部コーチASUKA Yazawa&Tomoko〜仲良しOGの絶妙コーチコンビネーション!

2017.11.28 INTERVIEW

指導者不足のダンス部にOGがコーチになるのは自然な流れだろう。
ここ数年、都立高校では抜群に完成度の高い作品を繰り出す狛江高校のコーチもOGでプロダンサー。
さらに、2人の絶妙な役割分担やコンビネーションが指導の秘密になっているのだ。

ASUKA Yazawa(右)
作品作りは、自分的にスッキリしない部分を解消する感覚です

Tomoko(左)
生徒がキラキラ輝いて本番で踊ってる姿を見た時が一番のやりがいです

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——お2人は狛江高校のOGなんですよね?
ASUKA Yazawa はい。2人とも小さい頃からバレエやって小学校でストリート系もやって、高校で出会ったんです。ダンス部の時は、今ほど全員でやるって感じじゃなかったから、やりたいことが同じだった2人でダンスアタックとか外部の高校生大会に出てましたね。

——卒業後は?
A ダンスは続けました。私は大学に通いながら。
Tomoko 私は専門学校です。その頃にコーチのお話が来て「2人でやろうよ」ってことになったんです。

——指導の状況はどんな感じですか?
T 2人別々で週一ぐらいのペースですね。ASUKAが1年生から2年生の夏までの生徒の担当。私がそれ以降を担当する形です。

——時期で担当を分けているんですね。
A 自然とこういう流れになったんですけど、結構良い形かと思ってます。Tomokoの方が引き上げる力があるっていうか、まずベースがあってそこからグって上げる力があるんです。私はそっちよりもまず土台に乗せるというか、みんなを同じモチベーションに持っていく役割ですね。

——具体的に、コーチになって改革したこと何ですか?
A 生徒としてダンス部にいた頃から変えたいことはあったんです。アップのやり方とかリズム取りとか。それをコーチになってから本格的に変えました。
T 当時は「ランニングマンを1曲分ずっとやる」みたいな練習もあったので、ステップのバリエーションを増やしたり、筋トレも増やしたり。
A ウチは基本的にジャズヒップホップなので、ジャズとヒップホップそれぞれの基礎を徹底します。ジャズはプリエとか、バランスを取ってピルエットにつなげるとか。最近はシェネとかアクセルジャンプとかも取り入れてます。アイソレも重点的にやりますね。

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——狛江高校はここ数年、大会での成果も良いですね。ダンス力も作品力も構成力も衣装のセンスも高く、非常に印象的なチームです。
A ありがとうございます。私はダンススタジアムの全国大会に出した「黒蝶」を振り付けしました。私の場合はまず、その代の強みと弱みを分析して、大会を見ながら思った自分の「疑問点」を解消するように作品を作るんです。例えば、似た作品ばかりを見た時に「じゃあ、こういう作品はダメなのかな?」とか、自分の中の辻褄を合わせると言うか、自分的にスッキリしない部分を解消する感覚です。私はブラッシュアップすることが好きなので、一度できたものをどんどん変えていって100にしたい!っていうタイプですね。
T 私は、ASUKAが創り上げてくれたものをさらにもっと引き上げられるようにしています。日本ダンス大会に出した「Cats」は、わかりやすくキャッチーなものを心がけましたね。コンセプト性が強いものは審査員の好みで分かれるので、最初に出すときはすごく怖いですけどね。

——生徒とのコミュニケーションで気をつけていることありますか?
T 入学したての頃は挨拶もできないし返事も小さい、みたいなところがあるから、そのへんは厳しく言いますね。
A 言ってもやってくれない時は、叱るというより悲しくなります。「すごく悲しいわ…」って生徒に伝えます(笑)。そして素直に向き合うと、生徒も素直に向き合ってくれる。夏の大会の時なんかも、1人1人の意見聞かないとちょっとどうにもならなくて、私が自分の気持ちを伝えて、1人1人から気持ちをもらって……っていうこともありました。そうすると全然変わりますね。作品の感情の出し方が変わるんです。

——生徒たちは3年間でどんな風に成長しますか?
A すごく成長しますよ。最初は言われるがままでも、自分で気づけることが増えていく。何で今コレをやらなくちゃいけないのか、とか自分がこう動けば全体がスムーズになるとか。
——コーチとしてのやりがいを感じる時は?
T みんなが本番すごいキラキラ輝いて踊ってる姿を見た時が一番やって良かったなって思います。
A そういう時もだし、やっぱりどうしても部活なので、送り出す時が毎年あって、「あー、行っちゃうんだなあ。巣立っていくんだなぁ」みたいな。嬉しいんだけど寂しいんです(笑)。

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>>Tomokoツイッター

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▲ダンススタジアムで優秀賞、DCCでファイナル進出をした作品「黒蝶」はASUKA振り付け

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▲日本ダンス大会で優勝した作品「Cats」はTomoko振り付け。以前のチアー作品も含めて衣装の完成度も高い。



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