「日本ダンス大会」審査委員長TAKAHIROがココだけで明かす〜ダンス部大会必勝のポイント4つ!

2017.12.04 INTERVIEW

>>Part.1/2より

Part.3〜大会で勝つために
諦める理由を100コ見つけるより、やる理由を1つ掴む方が大事

——ではダンス部にとって、大会へ出場することはどんなメリットがあると考えますか。
まずは、良いダンス部の作品を見ることができます。見たことは想像できるようになり、 想像できるものは練習の末やがて踊れて作れるようになる。いろんな作品を見ることによって、自分たちの強さと弱さを知ることができる。さらに、優勝するようなダンス部が、出番以外をどう過ごしているかを現場で見ることによって、その強さの裏側を体感することができる。そういった部分は、YouTubeでは映りませんからね。

——大会へ出れば、勝ったり負けたりで、嬉しい/悔しいなどの感情が出てきます。
それが素晴らしいところです。熱くダンスをやりたいならば、チャレンジすることは大事です。目標を持って練習に取り組むことは自分たちを向上させます。例えば、来年6月の日本ダンス大会に出るならば、より計画的に、より短時間で自分たちを向上させることができると思いますよ。かけっこもゴールが見えていれば速く走れるじゃないですか。

——そうですね。TAKAHIROさんのキャリアも挑戦し続けているわけですよね。
ハイ、諦める理由を100コ見つけるのは簡単なんです。でも、やる理由を1つ掴む方が大事。ダメだったら、自分たちのレベルではまだダメだった、という情報を掴むことができるわけですから。…もしかしたらイケるかもしれないし! それもやってみないとわからないでしょう。私たち審査員もみなさんが挑戦してくれることはウェルカムです! 日本ダンス大会の決勝では、得点も順位もすべて公表されますから、自分たちのレベルというのが一目瞭然でわかりますよ。

——日本ダンス大会は、ビデオ審査が予選となりますが、その撮影のコツはありますか?
普通に正面から定点で撮ればいいと思います。斜めから撮るとか、暗かったりとか、カット割りをしたりとかは必要ないです。見やすいのが一番です。

——過去の日本ダンス大会優勝校について印象を聞かせてください。今年の優勝校である、狛江高校については?
技術力と構成力が高く、スキがなかったです。そういうレベルでは5校ぐらいが並んでくるのですが、そこで何を伝えたいかというのが勝つポイントになる。狛江高校の場合は、ネコの衣装でネコを連想させる振り付けをクリエイトして見せてきた。高い技術力のうえに狛江高校ならではの新しい振り付けを見せてきた、というのが抜け出せたポイントです。各年の優勝校に共通している部分は、表現が外に向いているということ。お客さんの心をつかむことに秀でているのです。「うまい」までは印象を高められた。そこから会場を「掴む」ところまでいかないと優勝できない。そういう時は、拍手がウワ~っと鳴ったり、ザワザワと騒ぎになったりします。

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▲2017年の日本ダンス大会優勝校の狛江高校の「Cats」。同大会のレポートはコチラへ。

——その「うまい」から「掴む」というレベルまでいくのは大変そうです。
それはどんどん「見せる」ことが大事です。練習は鏡の前でやるから、自分の内面に入り込んでいきがちなんだけど、本番では外に解放しなくてはいけない。あるいは、もらった振付を一旦は受動的に受けたとしても、ステージでは能動的なものに変えなくてはいけない。そのためには、練習の時から誰かに「見せる」ことが必要なんです。そうすると、自分たちには見えなかった意外な面がわかってくる。

——経験の少ないダンス部員だと、いろいろ変えているうちに「何が良いかわからなくなってきた」という状態もあると思います。いわゆる客観的判断ができなくなった状態です。
困ったら、3人の人に見てもらうことです。1人目はあなたの周りの信頼できる仲間、 2人目は尊敬できる人や指導してくれる人。3人目はまったく違う目を持った第三者。1人に反対されるならば研究の余地ありで、3人全員に反対されることならば考え直した方がい いでしょう。困ったら「3人の賢者」ということです!

Part.4〜高校ダンスの意義 
身体・センス・協調性〜高校ダンスは「日本の新しいダンスの魅力」

——高校ダンス部には、先生やコーチが振り付けをする場合と、自分たちで振り付けをする場合がありますが、それぞれの特徴やメリット/デメリットをどう考えますか?
コーチが振付する場合は、安定感のある作品ができます。生徒が主体に作った場合は、 ワイワイとリアルな笑顔が自然に出ているというか、「自分たちで作った感」は確実に感じます。例えば、作品の中にスキがあった場合は、コーチが作った場合はそれが単なる間(マ)になってしまいます。生徒が作った作品にスキがあったとしても、それをなんとか埋めようとした頑張りや意思を見て取れることができます。例えるなら、いま僕がしゃべっていることが台本通りならば、台本にないことを聞かれた場合に止まってしまいます。でも、実際は考えながらしゃべっているので、間ができずにリアルにライヴで対応できるわけです。だから、自分たちで作っている作品には、より「能動」とか「自由」が見える。「そこでそれやっちゃうの?」という感じのサプライズがあって、より強い印象を受けることがあります。…なぜならば、世の中は作られた作品や平均化された作品が多いから、そうじゃないものが際立ってくるんです。ただし、コーチが作った安定した作品は構成力やシンクロ率が高いから、そこが点数になってくる。生徒が作った作品は逆にそこが弱いことがありますね。もらった振付を自分たちの作品になるまで高めるスタイルも素晴らしいと思います。そして、コーチ作品でも自分達が作ったほどに作品をチームのものにしているグループもいます。どちらが良いかは、環境にもよりますが、自分たちの特性で決めれば良いと思います。もちろん審査の場合は両者公平に見ていますが。

——ダンス部を通じた学生たちの人格形成をどう考えますか?
ダンスは体を動かすものですから、まずは身体能力が伸びます。音楽性もあるから、そういったセンスも磨かれる。グループでやることによって協調性を持つことができる。移動するときに、人にぶつからないように相手を慮る気持ちやチーム全体の空気を読む力を得ることができる。それを感じながら、自分をソロなどで主張する能力や勇気を持つことができる。協調しながら主張する能力が備わるわけです。身体だけではなく芸術性も伸ばすことができるし、あるいは構成を考えることによって建築的なセンスも学べるでしょうし、空間把握能力も備わってきます。ダンスはスポーツでありアートであり、コミュニケーション。体を使いながら社会性を学ぶことができるんです。ストリートダンスの歴史には、元々バトルや自己主張の意味合いがあったわけですが、高校ダンスは「日本の新しいダンスの魅力」と言っても良いのではないでしょうか。アメリカの自動車はそのままの大きさでは日本では走りにくいですが、それを見本に日本の会社が日本に合わせて安全安心コンパクトな自動車を作った。 それと似たようなことがダンスでも言えるのではないでしょうか。

——確かにそうですね。TAKAHIROさんが手がける振り付けとして「コンテスト作品」「ショー的なダンス」「PR目的のダンス」「楽曲を伴ったーティストの振り付け」などがありますが、それぞれの特徴をあげると何ですか? また、「コンテスト作品」がそれ以外の振り付け作品の特徴から取り入れられる部分はありますか?
「コンテスト作品」は頭から最後まで上り調子で作ることが大事です。もちろん例外もありますが厳密には、頭から 登って、一度落ちて、最後に最初の登りよりも大きく盛り上がるのが、一般的に見やすい作品と言われます。技術のレベルも、わかりやすく伝えてきちんと評価してもらわないといけない。シンクロ率を高めるのも大事。「ショー的なダンス」は、それよりもお客さんの盛り上げや作品のテーマ性を大事にする。「PR目的のダンス」はダンスが一番輝くのではなく、ダンスをした上で輝くものが主役。例えば着ている服をよく見せるためのダンスということです。「楽曲を伴ったアーティストの振り付け」はアーティストや楽曲の歌詞が望む世界観を彩るダンスです。もちろん、すべてが1つの要素であるわけではないので、「コンテスト作品」が「ショー的なダンス」の良さを取り入れることもできますね。

——チームワークや大会へ賭ける思い、メンバーの気持ちの統一など、一見してステージには見えないファクターは、審査にどのぐらい影響すると思いますか。
そこは、加点方法で明確に得点配分が決まっている訳ではありません。日本ダンス大会は団体競技ですので、チームワークも見どころ1つだと思っています。 日本ダンス大会は6月開催ですから、3年生にとってはラストステージとなる場合もあると思います。各学校それぞれに、沢山のドラマが毎年生まれていますし、それは確実に作品に現れていると思いますよ!

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【12/1よりエントリー開始】
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インタビュー:石原久佳(ダンスク!)
撮影:渡邊直朗



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