【インタビュー】もがきながら羽ばたく——ダンサーMiyuが描く「未来地図」

2020.03.01 INTERVIEW

私のダンスを見て、心が動いたり、パワーや勇気を持ってもらえたら嬉しいです

 

まさに「舞い降りた」という言葉が相応しいだろう。

2017年、パリで行なわれたダンスバトルの世界大会JUSTE DEBOUTでの優勝の快挙。国際的にはまだ無名だった、当時19歳の日本人女性ダンサー「Miyu」は、師匠であるHIROとのコンビで会場中を魅了した。時にバチバチの対抗意識で燃え上がるダンスバトルのステージで、誰よりもダンスを楽しみ、音楽と融合し、美と解放感と女性らしさをアピールした彼女はもはや勝ち負けのフィールドにいなかったのかもしれない。

「あのバトルでは究極にリラックスできました。誰でも立てる舞台ではないから、心強いパートナーを隣に感じて、とにかくこの場を楽しもうという気持ちになっていました。良い踊りができている時はすべてを忘れられる。音楽が体にスッと入り勝手に体が動きました。それが世界一の舞台でできた……。忘れられない体験ですね」

HOUSEの醍醐味と言える軽やかな彼女のステップはビートの合間を縫ってメロディを奏で、伸びやかな上体は美しくシルエットを変化させながら音楽を解放させていく——。Miyuが世界一の舞台で体験した、いわば「ゾーン体験」。不安や恐れ、雑念が消え、ダンスに関わるすべての感覚が究極的に研ぎ澄まされた心身の状態は単なる偶然ではなく、彼女のそれまでの生き様の結晶と言える、神様からのGIFTだったのだろう。

「意外と思われるんですけど、私すごく不器用なんです。キッズの頃もスタジオで一番ヘタだったし、振り付けの覚えも悪いし、面白いアイディアが出るタイプじゃない。何より、口ベタです(笑)。それでも、ダンスのことしか興味ないんです」

スタイリッシュなダンスにファッション、モデルもこなすルックスとは裏腹に、素顔の彼女は実直で不器用なタイプだ。ダンススキル以外に歌や演技やタレント的な振る舞いもこなす昨今の若手ダンサーのなかでは、モデルはやるもののMiyuのストイックな気質はまるでアスリートのようでもある。

「父がスポーツ選手だったこともあり、アスリートの方の生き方には影響を受けます。私も毎日、まず明日やることを書き出してから寝ます。練習する時もただ練習するのではなく、本番からの逆算をして練習を重ねる。目標までに足りないことを書き出して、順番を決めて練習のスケジューリングをします。途中にいくつかのバトルに出て達成度をチェックして、何度も修正を重ねる。練習して自信がつけば、本番でもリラックスして音楽と一体化できて、自然と自分が解放されていくんです。音楽あってのダンスだし、私は音楽を一番大切にしています。音楽を自分の体で表現できた時、音楽の中で自分自身が解放された時はたまらなく気持ちが良いんです。なかなか気持ち良く納得のいくダンスはできないけど、悩んでいたりうまくいかないということは前に進んでいるということ。そうやって、もがきながら前に進んでいる自分が好きなんです。成長があるから不器用にもがく。そこに生きている実感がありますね」

 ショーケースに出るのならば納得のいくリハーサルを、バトルに出るのならば確実に勝てる準備をする。確かな練習とイメージトレーニングができていれば、本番で緊張することはないという。バトルやコンテストならば明白な勝ち負け、ショーケースならば拍手や称賛の声と、確実な「リアル」が存在するダンスの世界で彼女のストイックな努力は着実に実り、今やその存在感は唯一無二と言えるだろう。世界中からバトルやワークショップやジャッジとして招かれ、彼女がいることでその場には花が咲く。これまでのダンスシーンにはなかった「華」こそがダンサーMiyuなのだ。


(c)Jun Ishibashi

「人の心を動かせるダンサーになりたいんです。今より、もっと多くの人を。そのためには私自身がいろんな人への影響力を持つこと。いつかは誰もが知っているダンサーになりたい。だからこそ、ダンスだけでは届かないと感じています」

22歳で世界のダンス界のスター的存在になった彼女は、早くも次の目的地を見据えている。その未来地図にあるゴールは、バトルやコンテストほどわかりやすく勝ち上がれる方法が存在しているわけではなく、一体何を積み上げていけばたどり着けるものなのか……。一般人が知るダンサーとは、踊るアーティストやコンテやバレエ系のダンサーのことだろう。ストリートダンスだけで届けるのが難しいからこそ必要なPlus Something——。これまでのチーム活動に一旦の区切りをつけ「個」として動き出したMiyuは再び、もがきながら前に進み、大きく羽ばたこうとしている。彼女が次に舞い降りる場所は、もしかしたら皆さんのすぐそばかもしれない。

「モデル活動や、ファッションやSNSなど、何かで私を知ってもらえたら、ぜひダンスも見てほしいですね。ダンスをやっている人でもやっていない人でも、私のダンスを見て、心が動いたり、パワーや勇気を持ってもらえたら嬉しいです。いろんなことには挑戦したいですが、やっぱりダンス自体は本物でありたいし、ダンサーとして本物でいるべきだと思っています。ダンスには自分なりのゴールはあっても、そこにたどり着いた時にはまた新たな景色が見えて、新たな目標ができる。だから、いつまで経っても楽しくてやめられないんです!」

インタビュー&文:石原久佳

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New🔥🔥 video,director : @kattsu_9736 produce,dance : @miyudance_ 去年自分が感じた事や経験した事、やりたい事をかっつんさんにお話したところ、私の頭の中を上手くまとめて下さり一緒にビデオを作りました🔥✨✨ 綺麗な動画としてみてもらっても良いですが、良かったら下の文を読んでから見てください😬✌🏻 〜kaihou(解放)〜 他人の目なんて虚構だ。 自分の意思を掴み、らしさと勇気を信じた瞬間。それは深く壮大な旅路に… しがらみを取り払った本当の自分たちは、広大な世界で一人一人が舞うようにしなやかだ。 そこで出会う、欠かすことの出来ない自分と共鳴する事で、目の前に無限の選択肢と可能性が広がる。 #dance #dancevideo #Miyu #ダンス動画 #ダンス #中田島砂丘 #instagood #instalike #followme #instavideo #日本の絶景 #newbalance #ニューバランス

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