【中田フィッシュ=FISHBOY】ストリートダンサーが国政に出る理由【インタビュー】
2025.06.18 INTERVIEW
「社会を変えたい」という気持ち
プロダンサー、FISHBOYが「中田フィッシュ」として国政参議院戦に出馬する。プロダンサーとしては前代未聞。筆者と彼は旧知の仲なのだが、『ダンスク!』メディアの読者は主に選挙権を持たない高校生だ。それを承知で取材を申し込んだところ、多忙中にも関わらず快く引き受けてくれた。
「ダンサーが国政に挑戦する、そのインパクトを若い子たちにも知って欲しい。たとえ、僕が当選しなかったとしても、その前例は作れるわけだし、あとに続こうとするダンサーもいるかもしれない」
と、自らが使命感を持って先頭に立つ、覚悟のような想いを語ってくれた。
プロダンサーとしては世界大会で優勝するなど輝かしい実績を持ちながら、著名人の弟として知名度を広げ、タレントやアーティストとしてもメディアで活躍。最近ではD.LEAGUE「CyberAgent Legit」のディレクターとして結果を残し(先日24−25シーズンも優勝!)、その指導力と人格を評価されている。他に、部活動支援や盆踊り支援活動など、行政と手を組んだ社会的な活動にも意欲的なダンサーとして知られる。
その流れで、次のステップとして議員を目指すのは意外なことではないのかもしれない。
「特に、政治に興味があったわけでないんです。でも周りには“なってみたい”と言っていたようで、議員になりたいというよりも、もっとダンスを知って欲しいとか、社会を変えたい、とか鬱屈した気持ちが若い頃からありましたね」
彼が出馬する政党は、最大与党の自民党、比例代表。何かと風当たりの強い立場ではあるが、党からの声がけがあったわけではないらしい。
「自分から自民党の門を叩いて公認をお願いしました。地方のダンス関係者に会うと自民党議員の方の話がよく出るし、地方へのネットワークはやっぱり一番ですよね。そのインフラが自分がやりたいことに必要だし、あえて野党になって与党を糾弾するような活動は自分は望まなかったのです」
全国行脚から知ったこと
議員としての彼がスローガンとしているのは「動かない日本にムーブを」。
具体的には…
① 表現活動:ストリートカルチャーの地位向上
② コミュニティ:共同体の再評価と再生
③ 若者の居場所作り、出番支援
④ コミュニティ運営の専門人材育成・DX化
という4つの基本政策方針だ。さらに、社会保障や地域格差についても語ってくれた。
「若者の立場を考えれば、今まで5人で1人の高齢者を支えていた時代から、3人で1人の時代になっていく。重いリュックを背負わされるような感じで動きが悪くなる。足取りも重くなって、若者が挑戦しない世の中になってしまう。高齢者も、すぐに病院に行く習慣をやめて、もっと健康に意欲的になってほしい。その1つの解決法がダンスであり、そこで若者との世代間交流も生まれるかもしれません」
現在彼は、全国行脚企画として、全国各地のダンススタジオをはじめとした施設を訪問し、交流と知見を深めている(YouTubeチャンネルで「中田フィッシュ (FISHBOY) CHANNEL」、その模様を更新中)