【インタビュー】ダンサーって実は音楽を作っているんです「PERFECT HUMAN」のJUVENILEが語る「高校生ダンサーの可能性」

2025.02.01 MUSIC

 

「PERFECT HUMAN」の意外な誕生秘話

 

 「実はダンサーって音楽を作ってるんですよね。歌手が、耳と声を使って音楽を作っているなら、ダンサーは視覚と体を使って音楽を作ってる」

そう語るのは、あの大ヒット曲RADIO FISHPERFECT HUMAN」の作曲者、JUVENILEさん。
先頃に新曲「Letter feat. KIM DO GYUN」をリリースした彼は、まさにダンスシーンから生まれたアーティストと言えるだろう。

「僕は、子供の頃にピアノをやっていて、そのうちにシンセもいじって曲も作り始めた。簡単なコード進行で展開できるヒップホップやエレクトロに興味を持ち始めて、大学ではダンスサークルに入りました。そこのコーチがFISHBOYRADIO FISH)さん。仲間に曲編集やDJなどを頼まれるようになって、ダンサー向けのトラックも作り始めたんですね。ちなみに、僕はフリを覚えるのが苦手だけど、曲はすぐ覚えられたし、作ることもできた。耳と手先を使って音楽を作るタイプだったわけです」

まわりが就職活動を始める前に、さまざまな現場でミュージシャンとしての自身の力量を測り、「まぁ、いけるだろう!」と、音楽の道へ進むことを決意。
最初から順風満帆ではなかったが、仲間だったダンサーRYUICHIからの誘いで、「OOPARTZ」を結成。ダンサーとトラックメイカー兼トークボックスアーティストという珍しい組み合わせのユニットで2015年に音楽活動を開始する。その頃に、先のFISHBOYからの依頼で「PERFECT HUMAN」の制作にも関わっていくのだった——。

「実は、完成までになかなか難航した曲だったんです。何回も作り直したり、途中で制作が滞ったりして。オリラジのお二人と僕とでもう一度話し合って、ようやく方向性が決まったんですね。藤森さんは声が高いからラップいけるんじゃないかと提案しました。でも慎吾さんはラップで何を歌えばいいのかわからないと。“ところで、ラップとかヒップホップって何?”と質問されて、“ヒップホップは基本レペゼン、何かを賞賛することです”と僕が答えたら、“じゃあ俺にはあっちゃん(中田)を褒めることしかできない”と……。で、生まれたのがあの歌詞。“ナカタ!ナカタ!=PERFECT HUMAN」なんです」

リリース後「PERFECT HUMAN」は社会現象と言えるほどの大ヒットを飛ばし、JUVENILEさんの環境もガラリと一変。多くの賞賛だけでなく、アンチの声もネット界隈では聞こえてきた。 

「アンチがあったからこそ、“売れたなぁ”と思いましたね(笑)。何かのパクリとかいう意見もありましたけど、それにはしっかり反論できます。音楽を作る時って、リファレンス(お手本)っていうのが意識的にも無意識的にもあって、その組み合わせでオリジナリティって生まれると思うんです。アレにコレを持ってくるセンス、その組み合わせ方に価値観があって、それはダンスの振り付けも一緒じゃないですかね」 

 

高校生とのコラボで見えてきたモノ

  

その後、JUVENILEさんはソロ活動もスタートする。当時のコロナ禍でも制作できるリモート環境で、さまざまな歌手とのコラボをスタート。『INTERWEAVE』シリーズから、新曲の「Letter feat. KIM DO GYUN」まで多種多様、さまざまなジャンルや曲調を守備範囲としながら、ダンスミュージックらしさと、特有の少年性(=JUVENILE)が各曲に通底している。

まずはコラボする相手の話や希望を訊くことを大事にしています。どれだけ訊いて、相手の意向を汲み取っても、結局は手を動かして曲を作るのは僕なんで、最終的には僕の色が出てしまう(笑)。だからこそ、相手の話をまず訊くことが大事だと思ってます」

ダンス&ヴォーカルユニット82MAJORKIM DO GYUNとのコラボは、意外にもスローでチルな雰囲気のRBチューン。

「曲のBPM(テンポ)は、82MAJORからとってBPM=82にしたという。それって今の基準ではかなり遅いテンポで、人によってはバラードに聴こえるぐらいですね。キムくんは、18歳の高校3年生で、めちゃめちゃ努力家です。みんなと同じ高校生がここまでやっているという意味でも、ぜひ聴いてほしいです。若い感性って本当に貴重で、僕にとってもすごく刺激になるんですよね」

 


Letter feat. KIM DO GYUN

 

そんなJUVENILEさんは、高校ダンス部カンパニー「Wonder School」のオリジナル曲制作も、快く引き受けてくれた。
メンバーから選出されたKotomiKanadeをヴォーカルに、エモーショナルなダンスナンバー「Step in HEART」を現在レコーディング中だ。


Wonder Schoolのオリジナル曲「Step in HEART」は、TikTokで聴けるぞ(サビのみ)

Wonder Schoolの彼女たちもそうですが、ダンスや歌をがんばっているコたちって、目つきや真剣さが違いますね。必要以上に物おじしないし、ちゃんと自分を出してきます。僕が作ったメロディに対して、メンバー自身が歌詞を作ってきて、レコーディングで何度も歌い直したいようでした。あの時点でもうカラオケではない。主体的な表現になっているんです。ダンスで培ってきた表現への取り組み方が、歌になったとしても活きている。それが、歌でもダンスでも“音楽を作っている”ということです」

インタビュー&テキスト:石原ヒサヨシ(ダンスク!)


Letter feat. KIM DO GYUN
JUVENILE

K-POP界注目の新星82MAJORのメインヴォーカルKIM DO GYUN。
“君は今どうしてる?”DO GYUNの情感溢れる歌声がJUVENILEのエモーショナルなメロディラインに絶妙にクロスオーバーし聴く人全てが涙する。この冬最大の失恋ソングが完成。

JUVENILE
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Wonder School自主公演
「H.E.A.R.T.」
日時:2025年3月23日(日)
場所: SUPERNOVA KAWASAKI

*昼公演: 開場15:30 / 開演 16:00
*夜公演: 開場 18:30 / 開演:19:00
*チケット金額: ¥4,290 (税込) +1ドリンク

>>チケット購入はLivePocket

※未就学児は保護者の膝上鑑賞可(小学生以上チケット必要)
※ご入場時に別途ドリンク代をいただきます。



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