先生たちが作る全日本高等学校チームダンス選手権 小編成優勝は「鎮西高校」
2016.09.20 REPORT
「ダンス部にはインターハイがない」
そう、他の競技とは違って、急速な盛り上がりやストリートダンス系の扱い方もあって、高体連や高文連などの公的組織が主体となる正式なリズムダンス大会は存在していないのが現状だ。
その代わり、企業が主催するダンス部大会が多種多様に開催されているのだが、ダンス部の顧問の先生によると、学校側へそれら大会への出場許可を取るにはなかなか苦労するところもあるらしい。
「公的組織が動く甲子園のような公式のダンス部大会を作りたい」
と、立ち上がったのが「全日本高等学校チームダンス選手権」だ。
決勝大会が行われるのが北九州とあって、まだまだマイナーな存在だが、大会を運営しているのがダンス経験のある顧問の先生方、総合優勝校には文科大臣賞が送られるなど、今後公式大会に成長していく可能性は高いと言える。
▲ダンス経験のある顧問の先生によるショーケースも!
DANSTREET/ダンスク!では、今回初めて大会の取材に入った。
まずはおなじみの全チームレポートをお送りしよう。
12人以下で行なわれる「小編成部門」から。
*大会要領はコチラ
01:大阪府立福井高等学校
のっけから優秀なチームの登場で決勝出場校のレベルの高さがわかる。デカく動き、ゆらぎ、ノっていく。ヒップホップの安定感あるノリを効果的な構成で見せてくれた。
02:沖縄県立北中城高等学校
はるばる沖縄から、気合いの入ったワック〜ジャズで決めてくれた。キャラの立った男子部員のキュートな(?)スター性が印象的。
03:東京都立深沢高等学校
都会の高校らしいスタイリッシュさを武器にするチーム。深く被った帽子のせいもあって表情が伝わりにくかったが、後半のタットがアクセントになっていて印象に残った。
04:初芝立命館高等学校(大阪)
ナポレオンジャケットで決めた12人組は、ミリタリーをモチーフにしたフォーメーションチェンジと白手袋を効果的に活かし、鮮烈な世界観を残した。
05:名古屋市立西陵高等学校
名古屋らしいヒップホップチームが5人編成でチャレンジ。見せ所や自分たちの強みにもっとフォーカスしたかった。
06:福岡大学付属若葉高等学校
まるでアーティストのような雰囲気を漂わせるセクシーなチーム。1つ1つの動きの可動域やキレをもっと丁寧に再現できると良いだろう。
07:大阪府立柴島高等学校
これぞチームダンスのヒップホップと言うべきダンス・衣装・選曲。練習量に裏打ちされたシンクロパワーで魅せる。
08:二松学舎大学付属高等学校(東京)
ストリート系大会常連とも言える二松学舎のポッピンチーム。得意のポッピンをおしゃれに見せつつ、後半は楽しげなミドル系のヒップホップで盛り上げた。
09:京都両洋高等学校
王道ロッカーズスタイルの8人チーム。ロックダンスのファンキーさ、動きの揃い、身体能力の活かし方などバランスが良い。青春ロック!
10:柳川高等学校(福岡)
まさかの和田アキ子パロディ! 「あのころわぁ!」にこれほどロックダンスが似合うとは! しっかりとファンキーなダンス力やブレイクの見せ所もあって、会場は大盛り上がり!
11:豊田大谷高等学校(愛知)
メイクと衣装がばっちりダンスと合っていて、カッコ良い女子力が全開。後半ではまた違うダンスの展開ができると良かったか。
12:樟蔭高等学校(大阪)
普段は創作ダンスへ取り組んでいる同校初のリズムダンス大会への参戦。独特のアート性や表現力は突出しているので、揃いの精度やファンキーなノリを意識できると化けるかもしれない。
13:群馬県立安中総合高等学校
群馬の強豪校は、得意のジャズでリリカルに邦楽曲を表現。衣装やリボンも効果的な演出となっていた。
14:福岡工業大学付属城東高等学校
衣装、選曲、ダンスと意外な組み合わせだが、とても新鮮で、心地よく見られる。要は、音取りのセンスと揃いの良さがあるからだろう。盛り上げどころを引き算で考えるあたりも心憎い。
【最優秀コレオグラフ賞】
15:大阪府立泉陽高等学校
忍者の様にストイックな4人組男子ブレイカー。それっぽいアクロバットや元気さが見どころだが、立ち踊りへの意識をもっと高めていきたい。