ビッグクラス優勝は「同志社香里」が登美丘を抑えて二連覇!2017年夏のダンスタ出場55チーム独自採点
2017.08.17 REPORT
31:東京都立足立新田高等学校
*スキル・グルーヴ:7
*表現力・世界観:8
*構成力・チームワーク:7
*衣装・センス・選曲:7
*エンターテイメント性:6
★独特の抽象表現を目指すコンセプトとその集中力。細かい表現力とスキルがまだ足りないようだが、その志は素晴らしい。
32:明治大学付属明治高等学校
*スキル・グルーヴ:5
*表現力・世界観:6
*構成力・チームワーク:6
*衣装・センス・選曲:6
*エンターテイメント性:6
★1曲目がやや音質が悪く、もったいないところ。上半身は動いてるのだが、下半身の安定感や歩幅が頼りなく、基礎練から見直したいところ。
33:東京都立清瀬高等学校
*スキル・グルーヴ:6
*表現力・世界観:5
*構成力・チームワーク:6
*衣装・センス・選曲:5
*エンターテイメント性:6
★華やかな雰囲気でジャズからソウルまで展開するが、全般に今ひとつスイング感が乏しく、それぞれのダンスの旨味を表現できていない。今後に期待!
34:神奈川県立百合丘高等学校
*スキル・グルーヴ:8
*表現力・世界観:9
*構成力・チームワーク:7
*衣装・センス・選曲:6
*エンターテイメント性:6
★前半は戦争の怖さ、後半はその悲しさを表現。ダンスは悪くないのだが、前後半で衣装を替えるべきだったか。
35:中央大学杉並高等学校(東京)
*スキル・グルーヴ:6
*表現力・世界観:8
*構成力・チームワーク:8
*衣装・センス・選曲:8
*エンターテイメント性:9
★酔っぱらいをテーマにした楽しい作品。さまざまなアイディアが詰め込まれており、学生たちらしい創意工夫が見えてくる。
36:神奈川県立光陵高等学校
*スキル・グルーヴ:8
*表現力・世界観:8
*構成力・チームワーク:9
*衣装・センス・選曲:7
*エンターテイメント性:9
★告白カップルと応援団という設定。演劇要素が高く、楽しく見られる。高校ダンスとして一つのあるべき理想像だ。
37:沖縄県立浦添高等学校
*スキル・グルーヴ:7
*表現力・世界観:8
*構成力・チームワーク:8
*衣装・センス・選曲:8
*エンターテイメント性:10
★予選1位通過。衝撃の「全員・具志堅」。のっけからダンスというよりパンチを繰り出し、沖縄民謡〜ロッキーのテーマというやりたい放題の展開。本人たちが楽しんでいる様子が何より楽しい。
38:宮城県古川工業高等学校
*スキル・グルーヴ:7
*表現力・世界観:8
*構成力・チームワーク:9
*衣装・センス・選曲:9
*エンターテイメント性:8
★地区予選1位通過。カラフルな90sストリートカジュアルに元気なミドルスクールのステップ。楽しく踊れば、それが伝わる、という見本のようなステージ。
39:大阪府立池田高等学校
*スキル・グルーヴ:5
*表現力・世界観:8
*構成力・チームワーク:6
*衣装・センス・選曲:7
*エンターテイメント性:9
★6年ぶりの出場という同校。オタクとアイドルの関係をシュールなダンスでキモカワに表現。楽しい作品が続く。
40:宝仙学園高等学校女子部(東京)
*スキル・グルーヴ:8
*表現力・世界観:8
*構成力・チームワーク:8
*衣装・センス・選曲:7
*エンターテイメント性:6
★春シーズンから強いインパクトを残しているストーリー作品。メンバー個々が世界観と役どころをしっかり理解している。
41:大阪府立桜塚高等学校
*スキル・グルーヴ:7
*表現力・世界観:7
*構成力・チームワーク:7
*衣装・センス・選曲:8
*エンターテイメント性:8
★オリンピックをテーマにしたクリエイティブな作品。衣装替えも鮮烈で、マスゲーム的な動きを取り入れている。
42:山村国際高等学校(埼玉)
*スキル・グルーヴ:8
*表現力・世界観:9
*構成力・チームワーク:8
*衣装・センス・選曲:9
*エンターテイメント性:9
★地区予選Cブロック1位通過。作品の作り方としては登美丘高校に似ており、エンタメ路線では今後のさらなる躍進に期待大の学校だ。
【優秀賞】
43:大阪府立堺西高等学校
*スキル・グルーヴ:9
*表現力・世界観:9
*構成力・チームワーク:10
*衣装・センス・選曲:10
*エンターテイメント性:8
★昨年の優秀賞で予選Cブロック1位通過。7年連続出場の強豪校。技術、構成、センス、衣装、練習量、すべてにおいて超高校級と言えるレベル。大所帯のダンス勝負ならこの日一番ではないだろうか。
【優秀賞】
44:愛知淑徳高等学校
*スキル・グルーヴ:8
*表現力・世界観:8
*構成力・チームワーク:8
*衣装・センス・選曲:8
*エンターテイメント性:7
★三味線のみの音に対してビートをつけていく難しい序盤のアプローチ。そこが伏線となり、その後の展開を惹き付ける。中部地方のダンス部らしく下半身も安定している。
45:神奈川県立市ケ尾高等学校
*スキル・グルーヴ:8
*表現力・世界観:9
*構成力・チームワーク:9
*衣装・センス・選曲:9
*エンターテイメント性:9
★可愛らしい衣装に賑やかな振り付け。カノンの使い方がとてもうまく、高校生らしさが抜群!
【ストリートダンス協会賞】
46:同志社香里高等学校
*スキル・グルーヴ:10
*表現力・世界観:9
*構成力・チームワーク:10
*衣装・センス・選曲:9
*エンターテイメント性:8
★昨年準優勝校で地区予選Bブロック1位通過。1つ1つの動きを本当に丁寧に、意味深く表現している。個や群でのグルーヴがさらに強化されており、もはやスキ無しの完成度。
【優勝】
47:大阪府立今宮高等学校
*スキル・グルーヴ:8
*表現力・世界観:9
*構成力・チームワーク:9
*衣装・センス・選曲:10
*エンターテイメント性:9
★昨年の優秀賞。日本史とヒップホップのハイブリッドな融合と言う秀逸コンセプト。飛び道具も効いていて、まるで一遍の映画を見たような感触だ。
【優秀賞】
48:奈良市立一条高等学校
*スキル・グルーヴ:8
*表現力・世界観:9
*構成力・チームワーク:8
*衣装・センス・選曲:8
*エンターテイメント性:8
★昨年の優秀賞。ガテン系ヒップホップダンスといったコンセプトで、コミカルとダンスをうまく共存させている。所作の取り入れ方もうまい。
【優秀賞】
49:大阪府立福井高等学校
*スキル・グルーヴ:9
*表現力・世界観:8
*構成力・チームワーク:7
*衣装・センス・選曲:7
*エンターテイメント性:7
★全国初出場校。にも関わらず、実力の高さを伺わせる本格ヒップホップ。ユニゾンの精度と群としてのグルーヴ感は秀逸。今後に非常に期待!
50:大阪府立久米田高等学校
*スキル・グルーヴ:8
*表現力・世界観:9
*構成力・チームワーク:9
*衣装・センス・選曲:8
*エンターテイメント性:7
★昨年の優秀賞。同校ならではの、加速していくようなスピード感に、目まぐるしい展開、集団の力をフルパワーに使った迫力。観客を圧倒する力は見事。
【優秀賞】
51:光ヶ丘女子高等学校(愛知)
*スキル・グルーヴ:9
*表現力・世界観:10
*構成力・チームワーク:9
*衣装・センス・選曲:9
*エンターテイメント性:9
★地区予選1位通過。強いフィジカルを感じさせる動きに、隅々まで行き渡ったニュアンス。曲の表現力も見事。世界に見せたい作品。
52:大成高等学校(東京)
*スキル・グルーヴ:7
*表現力・世界観:6
*構成力・チームワーク:6
*衣装・センス・選曲:6
*エンターテイメント性:5
★インパクトはあるが、やや一辺倒な展開。衣装、世界観、曲、表情のバランスやメリハリなども再考したい。
53:四條畷学園高等学校(大阪)
*スキル・グルーヴ:7
*表現力・世界観:8
*構成力・チームワーク:7
*衣装・センス・選曲:7
*エンターテイメント性:6
★紹介VTRからウケ狙いをしている感があるが、ラジオ体操をモチーフにした振り付けではダンス力も見せる。もう1つ展開があると良かった。
54:桜丘高等学校(愛知)
*スキル・グルーヴ:8
*表現力・世界観:8
*構成力・チームワーク:9
*衣装・センス・選曲:7
*エンターテイメント性:7
★スーツ姿でスタイリッシュな足技を見せる愛知のB-BOYS。全国のダンス部男子を引っ張る存在になってほしい学校だ。
55:神奈川県立横浜平沼高等学校
*スキル・グルーヴ:8
*表現力・世界観:7
*構成力・チームワーク:8
*衣装・センス・選曲:7
*エンターテイメント性:6
★かわいいスーツのサラリーマン女子高生。基礎力も高く、フォーメーションでの見せ方もうまい。
<総評>
今年の決勝大会の傾向としては、西高東低はやや薄らいだようで、大阪勢の圧倒的なダンス力に追いつけ追い越せと、関東や他の地区の基礎レベルが上がっているように感じた。
これは全国のダンス部のレベルの底上げとも言えるだろう。
同志社香里と登美丘高校、優勝を争った2チームはあらゆる意味で対照的な2校と言える。
絶妙な狙い所のパロディとシュールなお笑いセンス、それを芸に昇華させるダンス力で三連覇を狙う登美丘高校。OGコーチのカリスマ的な指導力のもと連覇のプレッシャーの中で、出場大会すべてで優勝を飾ってきた。
登美丘の前の優勝常連校であった同志社香里は、中高一貫でダンスに打ち込み、コーチ不在ながらも、たゆまぬ鍛錬と謙虚な姿勢で、芸術性の高いパフォーマンスを創り出す名門校だ。
勝敗の差は、審査員の傾向もあったろうが、時の運と言うか、「ダンス部の多様性を見せたい」というような見えざる神の力が働いたような気がしてならない。
両者は全く別のベクトルのそれぞれの勝者だ。
それどころか、上位入賞したチームはひとつとして似ていないスタイルを持ち、それぞれがやりたいことをやりきっていることは間違いない。
芸術路線、エンタメ路線、ストリート路線などのいくつかの潮流がダンス部にあるのだが、本大会ではニューウェーブというか独自のアプローチでインパクトを残すチームが見られたのも楽しみなところだ。
アニメーションダンスで独特の哀愁感を生む北九州、男子の元気さとカルチャー感をダンスに吹き込む桜丘、ごちゃ混ぜ感が面白い横浜創英、剥き出しの感情を叩き付ける駒場学園、群舞のアイディアが斬新な市ケ尾、和の融合を突き詰める今宮高校などなど。
ダンスは、皆がコンテストに勝とうとすると、トレンドやアプローチが似てくる傾向があり、それがシーンを硬直化させることが多々ある。
しかし、ダンス部の場合はその逆だ。
先生や学校が成長期の生徒に求める、創造性や独自性や自主性、戦略や修正や遊び心などが、偶然にも斬新な個性やアイディアを生み、プロダンサーが思いもつかなかった新しいダンス表現が発見されるかもしれない。
ダンス部の活動には未来の教育的可能性が潜在する、と個人的には思っているのだが、それだけでなくダンス部のコンテスト作品には新たなパフォーマンス発見の可能性がまだまだ潜んでいると感じた、今年のダンススタジアムでした。
皆さん、お疲れさまです!
レポート:石原久佳(ダンスク!)
この2日間「ポカリ×ダンスク!」のブースを出させていただきました♪
いろんな学校の生徒の皆さんが来てくれました! ありがとうございました!
こちらの様子はインスタグラムで「#ポカリスナップ」と検索!