「大阪府立堺西高校」厳しさと楽しさ、両極のバランスが生む全国トップ校レポ＆コーチインタビュー！
2017.12.13 REPORT
今年のダンス部大会で話題をさらった登美丘高校と同志社香里高校の一騎打ち。
その２校に負けず劣らずのパフォーマンスで、全国ベスト3の実力と言えるのが大阪府立堺西高校だ。
息を呑むような独創的な振り付けで、女性らしい凛とした美しさを表現するのが同校の特徴。
全国大会でも毎年オンリーワンの存在感を示し、その勇姿に憧れるダンス部も多い。
▲こちらは2017年ダンススタジアム・ビッグクラスの作品。アーティスティックな作風で同志社香里、登美丘に続く第３位に輝いた。
顧問の加藤先生いわく、大会での成果は6年前から外部コーチを務めるKOTONEさんの指導力・作品力によるところが多いというが、コーチがダンス部に来て指導にあたるのはわずか月２回。
その状況下で全国ベスト３を勝ち取るぐらいだから、普段の部員たちの練習にも何か秘密があるはずだ。
▲KOTONEコーチによる指導風景。月２回だけの機会とあって、短時間集中型で指導し、部員も真剣に食らいつく。
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練習は武道場を他の部活と共有しながら使用する環境。
取材時期の9月は夏の大会を最後に引退した3年生22名が引退した時なので、1〜2年生で計20名とわりと小規模での練習風景だ。
練習メニュー自体は一般的で、ストレッチからアイソレ、筋トレに加え、ジャズダンスの基本メニューをこなしていく。「最大の良さは練習でのひたむきさ」と加藤先生が語るように、部員たちの集中力には引き込まれるほどのテンションがある。
▲体幹トレや基礎トレは重点的に。堺市には他に強豪の登美丘や東百舌鳥などがおり、対抗意識も強いそうだ。
さらに練習が熱を帯びていったのは、目前に控えたイベント用の振り付け練習に入った時だ。
1回踊るごとに上級生が下級生に個人的なアドバイスを与え、ダンスリーダーや部長が全体を見回して、的確に、瞬時に、時に厳しい口調でダメ出しを続けていく。
▲部員同士が本音でブツかるからこそ生まれる信頼関係。それが日々磨かれて部の「絆」になっていくのだ。
基本的な立ち位置やバランス、スピード、角度、ノリ、そして表情まで、その内容は非常に細かい。それに応じる部員から「ハイ！」と特徴のある返事が響く。
その真剣な雰囲気から体育会系の部活ノリかと思いきや、休憩中や練習後には一変して和気藹々とした声が聞こえてくる。
上下関係もなく、いたって普通の女子高生らしい和らいだ雰囲気だ。
厳しい時は徹底的に厳しく、楽しむ時にはとことん楽しく。
緊張と緩和。集中と弛緩。そんなバランス感やその振り幅の大きさが堺西ダンス部の練習の特徴と言えるかもしれない。
▲３年生が引退し部員数は寂しくなったが、２年生が自覚とリーダーシップと明るさを持って雰囲気を作る。来年の活躍も楽しみなチームだ。
時に、厳しさ一辺倒のダンス部はステージにもその息苦しさが伝わってきてしまうことがある。
同校のダンスが、高度な技術と緻密な構成力を持ちながら、同時に一人一人が自己を解放してくような表現力を感じさせるのは、この普段の感情の起伏や振り幅が生んでいるのかもしれない。
ダンス部の活動だけでなく、顧問やコーチや部員が重要視しているのが、普段の学校生活。
大会での強豪校のしっかりした礼儀やマナーを見たことをきっかけに、まずはその改善から取り組み、比例するように大会での成果も向上したという。
部員同士でも、普段の生活態度をチェックし合い、見過ごせない部分はしっかりと注意する。
女子が多い部活だけに、人間関係の問題も多く、取り組みの足並みを揃えるのは大変らしいが、部員同士が本音でぶつかり合いながらチームワークと作品を３年の夏までしっかりと仕上げていくのだという。
そして、たとえ優勝まで手が届かなかった時にも「今まで最高のダンスが踊れた！」という達成感が、堺西高校ダンス部の真の素晴らしさを物語っているのだ。
DATA
●部員数：20人（1年8名／2年12名）※女子のみ
●活動時間：週7日（平日2時間／土日3時間）
●ジャンル：ジャズ／ジャズヒップホップ
●最近のおもな成績：ダンススタジアム全国大会2017年ベスト3（全国大会5年連続出場）、HIGH SCHOOL DANCE COMPETITION全国大会優勝、ダンススタジアム新人戦2017年西日本優勝
●振り付け：大会作品はコーチ主体
●チーム名：Storm Crew
大阪府立堺西高校ダンス部Storm Crewの取材に来ました！ダンスタ新人戦優勝、ダンスタ全国優秀賞の強さの秘密は次号ダンスクにてレポート！#堺西高校@sakainishi_hs pic.twitter.com/Pe13wu8t60
— DANSTREET/ダンスク!【公式】 (@Danstreet203) 2017年10月4日
