ストリートダンスの祭典SSDW高校生対抗ストリートダンス選手権優勝は「千葉敬愛高校」

2018.11.26 REPORT

世界中から注目されるストリートダンスを日本とアジアとの文化交流をはかりながら、国内外に発信する。「表現者(ダンサー)」・「参加者(オーディエンス)」・「舞台(ステージ)」を繋ぎ、幅広い客層に支持される新しい芸術文化として、ストリートダンスのポジショニングを確立する。
ストリートダンスをキーワードに、ストリートダンサーの聖地である渋谷から世界へ良質なエンタテインメントを発信し、国内外から渋谷への集客を目指す。その結果、より活力に溢れた街をつくる。

…そんなコンセプトで今年3回目を迎えるSHIBUYA STREET DANCE WEEK(SSDW)。
11/25渋谷代々木公園でのイベントを中心にて、さまざまなステージやバトルやレクチャーなどで開催された。

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中でも目玉として盛り上がるのが高校ダンス部対抗による「高校生対抗ストリートダンス選手権」

エントリー開始早々に定員に達してしまうという、回を重ねるごとに定着してきたこのコンテストの模様をDANSTREETおなじみの全チームレポートでお届けしよう!
(一昨年のレポートはコチラ

1)東京都立光が丘高等学校
女子34人で活動。初心者ダンス部らしく基本に忠実なステップワークで群舞の楽しさを伝えてくれた。

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2)東京立正高等学校
5人での出場だが、情熱をテーマに集中力高く、この日の寒さを吹き飛ばすパフォーマンス。メンバーに華があるので今後に期待したい。

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3)出場キャンセル

4)品川エトワール高等学校(東京)
歴史の長いダンス部は得意のガールズヒップホップを流れるように構成。後半は強めのアタックでチームワークの良さを感じさせた。

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5)東京都立飛鳥高等学校
1年生全員での出場。現代と昔のパーティを表現した二部構成や緩急のつけ方が印象的。

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6)杉並学院高等学校(東京)
牢屋から逃げ出した囚人をテーマにしたストーリー作品。年々パワーと表現力が上がっているようで、来年への飛躍が期待できる。

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7)川口市立高等学校(埼玉)
2年生30人での出場。大人数を生かしたフォーメーションやユニゾンでの見せ方が素晴らしい。後半での音取りにセンスの良さを感じさせる。

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8)東葉高等学校(千葉)
毒蛇を擬人化した世界観の徹底が素晴らしい。ユニゾンの精度も高く、練習量とチームワークを感じさせる。
【2位】

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9)東京都立練馬高等学校
『風の谷のナウシカ』をテーマに、高校ダンスには珍しいコスプレ系衣装。スキルはまだまだだが、展開の多さと創意工夫が好印象だ。

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10)日本体育大学荏原高等学校(東京)
同校特有のキャッチーなコンセプトが高い身体能力で表現される。今年の大飛躍に続き、来年の活躍が大いに期待できる。

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11)千葉県立松戸国際高等学校
スキル、ユニゾン、構成共にバランス良く、練習量とチームワークの良さが伝わってくる。グルーヴ感が増せば化ける可能性あり。

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12)目黒学院高等学校(東京)
チアのスタイルでアクロバティックなヒップホップを踊る。後半はスポーティな衣装にチェンジし、寒さを吹き飛ばした。

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13)東京都立足立高等学校
イカつめのヒップホップをチームワークと気合いで見せる。下半身もしっかり、ヒップホップ特有の伸縮が表現されている。

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14)武蔵野中学高等学校(東京)
大きくしなやかに、体幹の動きでグルーヴを作るのが素晴らしい。スキルのバラつきがなくなり、ユニゾンの精度が上がれば今後の飛躍が期待できる。

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15)國學院高等学校(東京)
渋谷のダンス部は大胆なコンセプトで挑戦。フォーメーションや出はけの構成が良く、大人数を効果的に見せている。

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16)高木学園女子高等学校
学生らしいストーリー展開が楽しいコンセプト作品。まだ初心者のようだが、ダンスの楽しさを忘れずにスキルアップを目指して欲しい。

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17)北九州市立高等学校(福岡)
北九州からの連続出場はソウルフルで大人っぽい作風で勝負。女性らしい艶やかさも表現されていた。

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18)千葉敬愛高等学校
今年は王道のロックダンス勝負だった千葉の古豪。この作品をずっと踊り込んできたパーティーグルーヴと笑顔が抜きん出ていた。
【優勝】

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19)東京都立清瀬高等学校
東京には珍しいワックチーム。しなやかに大きく情熱的に。ラテンに乗った笑顔の良さと開放感はこの日ナンバーワン!
【3位】

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20)二松學舍大学高等学校
「学校教育で許される範囲のギャングスタを表現する」という昨年の優勝校。持ち前のポップダンスはファンキーでアグレッシヴ。緩急のつけ方にも余裕を感じさせる。

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<総評>
他の大会では見られないダンス部など、初出場の顔ぶれが興味深かったこの大会。
予選もなくエントリー先着で出場できるので、大会経験の少ないダンス部が大勢の観客にパフォーマンスを披露するにはもってこいのロケーションだ。
また、コンテスト以外に国内の実力派ダンサーやチームが揃うイベントがあるので、そういった見識や交流を持つためにも良い場所だろう。

上位3チームと二松學舍は僅差の出来だったように思う。
二松學舍が入賞しなかったのは意外だが、ポップダンスを得意とする学校は得てしてポップ一本やりの場合が多く、審査員が固定される大会では鮮度が薄れる場合がある。
同校の場合は、毎年若干のバージョンアップがあるのだが、今後はどのようにサプライズを残すかが課題になってくるだろう。
清瀬はヒップホップのイメージが強いが、ワックでの勝負した時の表現力の強さが際立っている。東京では珍しい本格ワックチームなので、今後の活躍に期待したい。

悲願の優勝は千葉敬愛。
全国レベルを誇る関東の強豪校だが、今年はロックダンスで勝負してきたこのチームは夏の大会では思うように予選を突破できず悔しい想いをしてきたそうだ。
だが、その度に重ねてきた踊り込みが素晴らしいグルーヴと表現力を産み、見事に優勝を獲得。EW&Fの「セプテンバー」という選曲も老若男女が集まる会場でウケが良かったようだ。
まさに努力と涙が強い力になった好例と言えるだろう。

年々、ダンス力への審査評価が問われているダンス部大会だが、この日は自然光のステージと開放的な空間でも頼りになるのはやはり「ダンス力」。

強豪・新鋭・初出場と入り混じるのが本大会の特徴と言えるだろうが、来年も上位陣が固定されない熱い戦いを期待したい。

レポート:石原久佳(ダンスク!)

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