小学校のクラス単位でも参加できる朝日新聞のダンス大会「全日本小中学生ダンスコンクール」

2016.09.12 REPORT

■中学校「学校参加の部」

28:MDC(東京:明治大学付属明治中学校)
打って変わって中学ダンス部によるパフォーマンス。スインギンな雰囲気で華やかに決めた。
銅賞

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29:高槻市立阿武山中学校ダンス部(大阪:高槻市立阿武山中学校)
心地よく群が揺れる大所帯チーム。後半のロックダンスでは迫力で見せた。
金賞

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30:Anniversary(神奈川:桐光学園中学校)
オタクをテーマに衣装替えとフォーメーションを楽しく構成。面白い!
銀賞

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31:弥富北中学校ダンス部(愛知:弥富市立弥富北中学校)
体操服(?)でコミカルに楽しくダンス。民族っぽいムードを衣装で表現したかったか。
銀賞

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32:星美学園中学校ダンス部(東京:星美学園中学校)
応援団と女子高生という編成を熱いロックミュージックで表現。青春ドラマみたいな雰囲気!?
銅賞

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33:樟蔭中学校ダンスクラブ(大阪:樟蔭中学校)
ダンススタジアム中学生部門で日本一に輝いたチーム。さすが、ダンス力・構成力ともに抜きんでいている。
金賞

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34:SDC 10期(埼玉:さいたま市立白幡中学校)
ドレスを纏って刹那的なストーリーをダンス表現。余韻が素晴らしい。
銀賞

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35:SERIOUS FLAVOR Jr.(三重中学校)
Tシャツ+体操服でロックダンスという中学校っぽいスタイルだが、ダンスはしっかり練習されていてノリも抜群。
銀賞

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36:WAV CRU(神奈川:桐光学園)
気合いの入ったSWAGスタイルのヒップホップ。パワー感とヒット感が抜きん出ている。
金賞

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37:島本町立第一中学校ダンス部(大阪:島本町立第一中学校)
和の出で立ちと選曲でキレキレダンス。エンディングのタットっぽい場面が良かった。
銅賞

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38:Next(東京:品川女子学院)
ダンス名門校である“品女”の楽しいコンセプト作品。水兵の冒険旅行を表現。
金賞

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■中学校「オープン参加の部」

39:ぷるめりあ(埼玉:studio egg)
ココからぐぐっとレベルアップ。基本的なダンス力もさることながら音の取り方のセンスがアーティスティック!
金賞

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40:ONE STONE(兵庫:T’s-BOX Dance School)
個々のスキルが際立つ混合チーム。間の取り方やターンの入れ方が大人っぽく観客を魅了する。
金賞

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41:スーパーピーナッツ(千葉:タップダンスラボラトリー)
50年代のスイングやビバップをテーマに楽しくパフォーマンス。ちびっ子とお姉さんのコンビネーションは微笑ましい。
銅賞

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42:Flex’(沖縄:Flex’)
沖縄から来た外人みたいにカッコいい女子チーム。キレとスタイルの良さはピカイチ。
金賞

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43:三丸大サーカス(神奈川:B.exciting)
スイングジャズの妖艶な雰囲気を表現したダンスと、体の柔らかさと軽い身のこなしでアクロバットが目を引く。
銀賞

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44:Mi crew(兵庫:プリズムダンススタジオ)
ビートのアクセントを強く効かせた迫力の群舞。力強さが抜きん出ている。
金賞

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45:トキワ松学園ダンス部(東京:トキワ松学園中学校)
アフリカの民族ダンスとビートをテーマに、大地のエネルギーとその深淵さを表現した。
銀賞

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46:PANAPP(三重:TYJDダンススタジオ)
ピンク+ホワイトの衣装とエネルギッシュなダンスで華やかな女子力をアピール。
銀賞

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47:MPFダンス部(山形:ダンススタジオMPF)
白を基調に個性を活かした衣装と、トレンドを組んだ振り付けが印象的。
銅賞

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48:舞姫(大阪:スタジオみき)
たっぷりとしなやかさとジャズの美しさを見せた前半から、和テイストへ自然に展開していく。まさに舞姫!
銀賞

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49:enjoy(神奈川:スポーツアカデミー新城)
スポーツクラブ発のチーム。力強くステップ系のダンスで突っ走る。
銅賞

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50:Venus(山口)
アクロバットを混ぜた前半から、しなやかなダンスへ変化する後半。メンバーに華があって印象的だ。
金賞

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51:NOIZE CREW(神奈川:サイ・ダンスフィールド)
制服イメージで賑やかに始まったかと思えば、中盤のR&B表現でハッとさせ、後半のユニゾンでハッピーエンディング。バランスが素晴らしいチーム。個人的にはベストでした。
金賞

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52:Fest(兵庫:Fest)
アラビアンムードの衣装からパンキングとステップを高難度に振り付け。
銀賞

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<総評>

ここ10年の間に、ダンス文化は急速に発展している。
ストリートダンスと呼ばれる、まさに路上やアンダーグランドで作られて来たジャンルも、若者や新世代の普通の興味として一般化し、子供の習い事や学校の授業や部活などで活況を見せている。

その状況に対して、ここ5年ぐらいは企業や学校など、子供を青少年を取り巻く環境も、変化と対応を迫られてるわけだ。

企業や機関が、ビジネスや教育においてダンスを使ったどのような環境を整えていくか、あるいはどのようなサービスを提供していくかには、個人的にメディアを通じてずっと注目していていたのだが、ストリート文化が発祥なだけに、なかなか良いフィットを生み出すのは難しい状況が続いているようだ。

その意味で、本コンクールは、しっかりと「やる側」の需要を捉えつつ、教育的意義と社会貢献の意味合いを伴いながら、独自のダンス大会として発展していく可能性を持っていると直感した。

まずは「裾野」が広いこと。

本大会は、「学校参加の部」で小学校のクラス単位でもできる。いわば、学級の出し物として目標にできる舞台が用意されているのだ。
若者のスポーツや文化は質や順位に目がいきがちで、参加することの意義を見失いがちだが、実はダンスもそう。
うまい人、強いチーム、派手な取り組みだけに注目が集まるのではなく、いかに裾野が広く、敷居が低いかはその競技の未来を決めていく重要な部分だ。

他のダンス大会が、基本的に「うまい順」をイベント化しているのに対し、本大会は「参加すること」にきちんとスポットライトを当てている。
「誰が踊ってもいいんだよ」というメッセージを出しているのだ。

順位に関しては、他大会とは違い、「金賞」「銀賞」「銅賞」というコンクール授与形式の「緩さ」が奏功しているところがある。
というのも、個人的にも審査員をしていて感じるのが、優勝チームに圧倒的優位がない限りは、上位入賞チームにそれほどの差はないものだ。

 

審査員のラインナップやその好み次第、と言ってしまうと参加する側は割り切れない思いだろうが、明確な審査基準を持たないリズムダンス系の大会の審査の実情はそうであり、しかし参加する側にとって1位と2位には天と地ほどの差が生まれている。

今回も、金賞チームが18チームあったわけだから、出場の1/3が「成績上位グループ」に分類されたわけだ。
金賞も銀賞も銅賞も、それぞれのチームが達成感とやりがいを持って帰路に着いたに違いない。

 

ダンスコンテストでは、「勝ち」にこだわるあまり、ダンスそのものやその取り組みは、本来の「楽しみ」や「愉しみ」から変容してしまう場合が多い。

コンテスト文化と共に発展してきているダンスだが、そもそものダンス文化を守るために、本大会の「緩さ」から参考にできる部分は多いのではないだろうか。特にアマチュアである学生の大会ならばなおさら。

そして、こういう大会を日本有数の新聞社が主催しているという事実。

大手マスメディアによるダンス大会。
ストリートダンスにずっとたずさわってきた先人にとっては感慨深い時代の変遷と言えるだろうが、参加する側にとってはこれ以上ない安心感・信頼感だろうし、受賞にも万人に認められるようなお墨付き感がある。

 

急速な発展はあるとは言え、ストリートダンス/リズムダンスは、まだまだ世間一般的にはマイナーな存在だ。

 

そんなダンスを、「社会が・文化として・認めている」こと。
ダンスは教育や青少年育成にとって有効であり、日本の文化として世界に発信できるポテンシャルがあること。

それをイベントとしてきちんとメッセージできている「全日本小中学生ダンスコンクール」の今後の発展に大きな期待を寄せたい。

レポート:石原久佳(ダンスク!)



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