【大会】大編成優勝は「京都文教高校」全日本高等学校チームダンス選手権2023年

2023.09.24 HIGH SCHOOL

第13回 全日本高等学校チームダンス選手権大会

 

2023年9月17日@北九州メディアドーム

全日本高等学校チームダンス選手権大会小編成部門レポートに続いて、大編成部門の各校のパフォーマンスを見ていこう。

>>昨年のレポート記事

レポート:石原ヒサヨシ(ダンスク!)

 

>>動画レポートはコチラ

 

 

大編成部門(13名〜40名以下)

 

東京都立狛江高等学校
各大会で高評価の完成度高い作品力で本大会にも挑戦。ライオンキングの世界を表現。

 

 

精華女子高等学校(福岡)
2トーン衣装と速い展開で惹きつけ、解放的なエンディングへと繋げる。

 

 

福岡県立ありあけ新世高等学校
鮮烈な衣装とフォーメーション。情熱的なビートに乗って駆け抜ける!

 

 

大阪府立泉北高等学校
mahinaの「羊」に合わせたリリカルな表現。世界観を表現する衣装やアクティングも印象的。

 

 

武南高等学校(埼玉)
得意の華やかなショーダンスで、1950年代のアメリカ世界をペアダンスで展開。昨年優勝校の存在感を見せる。

 

 

関西学院高等部(大阪)
ダークな世界観とパワフルなユニゾン、迫力とパッションに引き込まれる。

 

大阪府立金岡高等学校
4つ打ちビートに乗せてワックとフォーメーションで見せる。煌びやかな衣装も印象的。

 

 

東京女子学院高等学校
狐の嫁入りをテーマに、エキセントリックな世界観を展開。まるで夢に出そうな残像感。

 

 

東京都立王子総合高等学校
気迫とオリジナリティが特徴のチーム。学生ならではの振り付けの意外性が面白い。

 

 

安城学園高等学校(愛知)
明るさと勢いでコメディの歴史を展開する。本来の高校ダンスらしい魅力がたっっぷり。

 

 

大阪府立堺西高等学校
ジャズを基調に情熱的なダンスを大所帯の迫力で見せる。心に迫る表現だ。

 

 

東京都立武蔵村山高等学校
大人数のロックダンスで一気に駆け抜ける。男子メンバーの多さも良いアクセントに。

 

 

樟蔭高等学校(大阪)
樟蔭得意のダークファンタジー作品。表情、表現、色合い、息使いに引き込まれる。

 

 

愛知県立昭和高等学校
タンゴに乗せた情熱的なパフォーマンス。今後もこの独自路線に期待したい。

 

 

鎮西高等学校(熊本)
宇多田ヒカルの名曲「First Love」を独特の音どりとパッションで表現。感動的。

 

 

二松學舍大学附属高等学校(東京)
大編成にも挑戦の二松のポッピンチーム。強烈なヒットの波動が会場を揺らした!

 

 

上宮高等学校(大阪)
シンプルなビートで大きなノリを展開。実力校らしいアプローチだ。

 

 

群馬県立安中総合学園高等学校
ヒップホップなシスターたちによる、悪夢のような素晴らしい作品。

 

 

広陵高等学校(広島)
スピード感のあるロックダンス。衣装、選曲、スイング感とバランス良くオシャレ。

 

 

沖縄県立浦添高等学校
沖縄らしいポジティヴなパッションを、多彩な構成とフォーメーションで見せる。

 

 

仙台城南高等学校(宮城)
情熱的な表現を展開の速さと意外性で惹きつける。

 

 

叡明高等学校(埼玉)
歌舞伎+ヒップホップのハイブリッド作品。ヴィジュアルのインパクトは大会随一。

 

 

桜丘高等学校(愛知)
強豪校ならではの振り付けの難易度と個性の活かし方。エンディングのパーティグルーヴも同校ならでは。

 

 

大阪府立柴島高等学校
大編成でも強靭なフィジカルとグルーヴを見せつけるヒップホップ強豪校。

 

 

北九州市立高等学校(福岡)
ビバップ、ソウル、ロックとつなぎストリートダンスの原点を感じさせる。

 

 

京都文教高等学校
アフロ的なビート曲で、ロックダンスを基調にしながらも予測のつかない展開。難解ながらも唯一無二の引き込み力!

 

【大編成部門 結果】

優 勝:京都文教高等学校(京都府)
準優勝:桜丘高等学校(愛知県)
第3位:北九州市立高等学校(福岡県)
優秀賞:叡明高等学校(埼玉県)
優秀賞:大阪府立柴島高等学校(大阪府)
優秀賞:樟蔭高等学校(大阪府)

LEE賞(大編成):樟蔭高等学校(大阪府)

 

文部科学大臣賞(総合優勝):桜丘高等学校(愛知県)



【ジャッジ講評】

勝っても負けても感情が動くと思うから、それを持ち帰って、ダンスを続けて、みんなの生活を豊かにしてほしい。せっかくだから、大会に集まった全国の仲間とも仲良くなっていってください。(YASS)

 

レベルが高くなっているだけじゃなくて、各校がいろんなことを切磋琢磨してきたんだと感じました。自分たちの中でやり切った感があれば、絶対に次につながるし、後輩たちにもそれを伝えていってほしいです。(LEE)

 

LOCKのボキャブラリーを駆使して、いろんな音楽を使って踊るチームが目立っていた気がします。古いものから新しいものへ繋がるアイディアをいくつも見れました。引退してもダンス続けてください!(KENJI)

 

先生方の運営でこんな大きな大会が続いているのは本当にすごいです。ダンスには正解はないので、今日の自分たちのダンスがとても良いと思えるのだったら、それでいいと思います!(宮田健男)

 


【ダンスバトル】

各校代表によるソロバトル「TEAM 1 ソロバトル」
異ジャンル対決の熱いダンスバトル、激しい応援合戦!

優勝者:桜丘高等学校(愛知県)伊藤 藍
準優勝者:柳川高等学校(福岡県)伊藤 愛華


【ゲストショー】
地元九州のヒーロー「九州男児新鮮組」!
世界レベルのパフォーマンスに高校生大盛り上がり!

これぞ、まさしくゲストショー!!


【総評】

塗り変えられていく勢力地図

昨年までは、コロナによる入場制限のために通常のホールでの開催だった本大会だが、今年から本来のメディアドームに戻った。

とにかくこの会場はドームだけに、空間が大きい!
ステージに立つとさらにその広さを感じるようで、自分たちの表現が拡散してしまうような気持ちになり、萎縮してしまうパターンも多いようだ。

さらに、審査員席からステージもやや遠いので、そこまで届くパフォーマンスのエネルギーが必要になる。チームとしての一体感はもちろん、個々のエネルギーが何より重要だ。

スキル評価の高い本大会であるが、それはもちろんのこと、気持ちの強さがモノを言う部分も大いにあるだろう。

ステージが大きかろうが、空間が広かろうが「自分たちが一番最高のダンスを届けるんだ!」という強い気持ちをパフォーマンスとして伝えることのできるチーム、それが優勝した桜丘であり京都文教であったような気がする。

桜丘は、本大会の優勝常連校だ。ヒップホップもジャズも強く、近年では男子のブレイキンチームが躍進している。スキル、フィジカル、個性が際立っているだけでなく、選曲やファッション面でもスタイリッシュ
体育会系になりがちなB-BOYチームだが、彼らの存在はB-BOY界でも際立っているのではないだろうか。

京都文教の作品は、トライバルなビートに独創的な振り付けが展開され、一度見ただけでは捉えどころがない難解さもあるが、印象としては唯一無二。
ダンスタで見た時よりも、細部がかなりブラッシュアップされているようで、そこが玄人揃いの審査員に評価されたのだろう。

両校ともに「どこにも似てない」ことは、今日のダンス部大会の勝者の必須条件だ。

 

今年はコロナが明け、各ダンス部大会が一斉に活気づいてきた。ダンスタを筆頭に、DCC、チームダンス、そしてハイダンが4大大会と言えるだろうが、それぞれに個性というか評価基準もクリアになってきた。

作品力と芸術性が評価されやすいダンスタ、
華やかさと表現力を重視するDCC、
ダンススキルと独創性のチームダンス、
今日のストリートらしさを求めるハイダン。
…と言ったところだろうか(もちろん一概には言えないが)。

こういった大会の審査傾向や、開催時期、条件、バリューなどを塾講して各校が挑む大会を選んでいくことになるだろう。

関東勢の活況、新鋭校の台頭、表現の多様化などにより、ダンス部界の勢力地図は日に日に塗り変えられている。

これからの新しい世代、若い力の台頭が楽しみだ。

レポート:石原ヒサヨシ(ダンスク!)

 

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