ダンススタジアム2016年中学生決勝大会、優勝は芸術性高い「樟蔭中学校」
2016.08.28 REPORT
日本高校ダンス部選手権の興奮も覚めやらないなか、夏休み最後に行なわれた日本中学校ダンス部選手権〜ダンススタジアム。
第5回を迎えた本大会だが、まだまだ中学生部活ダンサーの数が少ないことや、大会参加へのハードルが高いことから、なかなか高校ほどは出場校が伸び悩んでいるとのこと。
ただ、そのパフォーマンスの質は徐々に向上しており、数年後には高校ダンスの盛り上がりに劣らない状況が見えてくるはずだ。
この日の出場校は、常連校と言える学校が多く、中高一貫でダンス部が盛んな私立も目立つ。
それでは、各校のパフォーマンスを見ていこう!
01:桜丘中学校(愛知)
愛知の強豪校から最小2人組チーム。大きくゆったり踊る意識ダンスを楽しむ気持ちが表われていた。余裕があるなら、コンビネーションやソロなども見たかった。
02:豊島岡女子学園中学校(東京)
オリンピック閉会式を思わせるマリオネタで楽しくロッキン。後半はビートを効かせて強めのダンスへ展開する。円形ステージをうまく使ったフォーメーションと溢れる笑顔が印象的。
03:同志社香里中学校(大阪)
昨年の優勝校は、クールに押さえたポップからファンキーなロッキンへ展開。動きのダイナミクスとシンクロ率は相変わらず超中学生レベル。
【準優勝】
04:横浜市立茅ヶ崎中学校(神奈川)
女学生スタイルに「み〜いつけたぁ〜」とオカルト世界観を盛り込んで、ステップの音が聴こえるぐらいのパワフルなユニゾンで押しまくる。
【審査員特別賞】
05:明治大学付属明治中学校(東京)
オールディーズな音楽と衣装で、まるでテーマパークのステージのような華やかさを表現。中盤のカノンの展開がハッとして印象的。
06:荒川区立第七中学校(東京)
ストリート押しの大所帯チーム。スキルにバラつきはあるが、それが逆にラフさや個性につながっていて、チームとして独特の雰囲気を作っていた。
07:桐光学園中学校(神奈川)
イカついストリート系チームが続く。キャップにスタジャンに迷彩パンツと、衣装のスタイリッシュさが印象に残る。
08:トキワ松学園中学校(東京)
地理の授業で学んだというアフリカの世界観をダンスで再現。生命の息吹を感じさせるエネルギッシュなパフォーマンス。
09:和歌山市立西浜中学校(和歌山)
囚人×看守というネタでストーリーを表現。パワフルに見せるユニゾンと、対決構造で見せる絡みなど、わかりやすい構成。
10:三重中学校(三重)
Tシャツに体操着というスタイルで楽しくロックダンス。学校教育に導入されたダンスのリアルな姿を見るようで、ダンスの裾野の広がりを感じさせた。
11:広尾学園中学校(東京)
精力的に大会へ参加する広尾学園は、高校でも定評のあるセクシーでメリハリのあるダンススタイル。
12:板橋区立板橋第一中学校(東京)
タットでギュっと始まるオープニングから、ファンキーに広がる中盤、フリーに拡散する後半と、群の見せ方がうまい。
【応援団賞】
13:江戸川区立葛西第三中学校(東京)
しっかりと下半身と表情で踊っていく意識が、見ていて気持ち良い。衣装も選曲もセンス良く、この日随一のグルーヴ感が出ていた学校。
【第3位】
14:和泉市立石尾中学校(大阪)
鮮やかなホワイト+デニムが鮮烈な、パワフルな大所帯チーム。体が出来上がってくればさらにダイナミックになるだろう。
15:名渓学園中学校(東京)
今年なぜか目立ったゾンビ系チーム。動きのバラつきやぎこちなさが逆にゾンビっぽさを演出していくという好例(?)。
16:三田国際学園中学校(神奈川)
イカついヒップホップ音楽にチアのようなキンキラ衣装という組み合わせが不思議。チームの個性としてはさわやか方向にまとめたほうが良いかも。
17:中央大学付属横浜中学校(神奈川)
キャッチーな衣装に音楽、フォーメーション移動が楽しいチーム。多ジャンルをさまざまな表情で見せてくれた。
18:品川女子学院(東京)
東京のダンス名門校は、得意の品の良いコンセプト作品。ダンス要素は少ないが、持ち前のポピュラー性は同校ならでは。
19:川崎市立有馬中学校(神奈川)
中学生らしからぬアグレッシブなダンスを畳み掛ける。ややガチャガチャした場面もあったので、しっかりとトメとダイナミクスを作りたい。
20:樟蔭中学校(大阪)
振付けや構成も素晴らしいが、それぞれの動きを最大限大きくとっている意識が何よりも良い。動きの数よりも、動きの大きさが大事ということ。トリにふさわしいパフォーマンスだ!
【優勝】
レポート:石原久佳(ダンスク!)