バブリープレッシャーを乗り越え「登美丘高校」が歓喜の二連覇!2018年DCC出場36チームレポート

2018.08.15 REPORT

Cブロック

東京都立福生高等学校
神秘(アラビア)
アラビアンをテーマにパンキングやタットで神秘性を表現。キラキラ衣装と笑顔も印象的だ。

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東京都立富士森高等学校
感謝(ママへ)
邦楽1曲使いでの感動的な先品。半円形ステージを効果的に使ったフォーメーションチェンジも印象的。

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東京都立鷺宮高等学校
華爛(おいらん)
同校のこれまでとは異なるコンセプトだが、音取りの良さが光る。おもてなしの心をダンスで表現するという突き詰めがいのあるテーマだ。

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武南高等学校(埼玉)
狂乱(ドール)
メイクもインパクト大だが、捨てられた人形の悲しみというテーマ設定と表現がうまい。新進気鋭のダンス部で今後も楽しみな存在だ。

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千葉県立四街道高等学校
印度(インド)
インドの文化やボリウッドの要素を取り入れ、オリジナリティの高い振り付けで構成。ユニゾンの良さからチームワークと練習量を感じさせる。

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東京都立葛飾野高等学校
狂刺(アラビアン)
こちらは中近東。アラビアンなムードにヒップホップを合わせる。女性らしさや鋭さ、狂気を表現した。

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桜丘高等学校(愛知)
恍惚(いちころ)
いつものストリートっぽさとは異なり、女子チームでのスタイリッシュなさわやかなパフォーマンス動きのアクセントがいまひとつか。

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千葉敬愛高等学校
熱波(ねっぱ)
こちらも昨年までのスタイルではなく、往年のディスコ曲に合わせたロックダンス。オールドスクールで勝負するにはまだ地力不足か。

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三重高等学校
総体(インターハイ)
ロックダンスの豪速球勝負をする同校だが、「インターハイ」をテーマに、アイディア満載、バラエティ豊かな演出を盛り込む。スピーディーなダンスもしっかり見せ、作品のバランスをコントロールしているのも見事。しかし、あくまで高校生らしい。ココが三重高校の最大の個性だ。
【3位】

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Dブロック

東京都立狛江高等学校
仮面(マスカレード)
見せ所を心得たショー的な振り付け・演出の安定感は都内随一。フォーメーション替えのアイディアやスイング感を表現するダンス力も特筆すべきところだ。

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山村学園高等学校(埼玉)
生命(ツナグ)
これまでのコンセプト作品とは異なる、やや抽象的な表現アプローチ。押し寄せるようなユニゾンの強さは同校ならではだ。

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北九州市立高等学校(福岡)
融合(フュージョン)
アニメーション、ブレイク、ヒップホップと、ジャンルを混ぜ合わせるダンス力と構成力が見事。世界観も徹底していたが、終始仮面をはずさなかった演出は功を奏したかどうか。

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東野高等学校(埼玉)
桜夢(サクラ)
同校から2チーム目もレベルが高い。こちらは邦楽1曲使いで、仲間たちとの夢を描いた情熱的な表現。しっかりとした体幹を使った大きな踊りも健在。

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明治学院東村山高等学校(東京)
紅涙(コウルイ)
ロック曲に熱い思いを乗せてパフォーマンス。ロックの8ビートは音取りが難しいので、そこをもっと突き詰めたい。

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広尾学園高等学校(東京)
微睡(まどろみ)
まどろみから徐々に覚醒していく様を情感的に構成する。進学校だけにテーマ表現の突き詰めが深く、本大会では評価すべきポイントだ。

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桜丘高等学校(愛知)
魂力(ソウルパワー)
こちらも2チーム出場、中京を代表するダンス部。ジェームスブラウンとB-BOYカルチャーをリスペクトし、男子クルーのカッコ良さを見せた。ストリートダンスが失くしてはいけない部分をいつも表現してくれる。

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川崎市立橘高等学校(神奈川)
海麗(みれい)
海賊の力強さと海の美しさを対照的な面を表現。展開の速さとフォーメーションチェンジが魅力的だ。

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大阪府立登美丘高等学校
煇晴(ハレルヤ)
ハレルヤとは歓喜・感謝。かつてのトリックスターのような作風は消え、ピュアにストレートにダンスで勝負してきた。これまでとは違う感動が大トリの会場を包んだ。
【優勝】

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<<結果>>
優勝:大阪府立登美丘高等学校
準優勝:大阪府立久米田高等学校
3位:三重高等学校
chiyoda賞:山村国際高等学校
読売中高生新聞賞:三重高等学校
古坂大魔王賞:三重高等学校
TOKYO HEADLINE賞:東京都立狛江高等学校
ダンスチャンネル賞:武南高等学校
avex賞:広尾学園高等学校

 

<<総評>>
登美丘高校が二連覇を果たした。
と言葉で書くのは大変だが、ここまで作品を仕上げるためには、彼女たちはとてつもない過程を経てきたに違いない。
過去の栄光はステージで戦ってくれない。逆に言えば「日本一有名になったダンス作品」の幻影と自らが戦うことになる。
現実にあるのは、伝統とプライドと練習量、そして今年のアプローチの成否のみだ。

登美丘高校の作風を振り返ってみると、3年前のエアロビ、2年前のおばちゃん、昨年のバブリーと、常にパロディに乗せた中毒性のある振り付けを笑いのフィルターで高出力するような作品作りで一世を風靡してきた。
>>レポート★DANCEで笑いをCOOLに再現!〜登美丘高校ダンス部だけが「特別」な理由をダンスク編集長が真剣に考察
しかし、そのベースとなっているのは高度な構成力とユニゾン力。それを可能にする練習量と部の統制力だ。
出ハケや移動を頻繁に使い、同時進行的あるいは矢継ぎ早に複数のパートのハーモニーを作り、観客の目線を刺激的に散らす。そしてクライマックスでは一糸乱れぬ速いユニゾン。その構成はこの日の半円ステージでは非常に映えていた。

そして、今年の作品はわかりやすいパロディや笑いをほぼ排除し、スキルと構成力で勝負する王道のダンス作品だ。衣装や世界観は日本ではなかなか馴染みのないスタイリッシュな海外トレンドで、その意味で王者として非常にチャレンジングなアプローチであることが最大の評価ポイントと言えるだろう。

明日からは、ダンス部最大の大会である「ダンススタジアム」がパシフィコ横浜で開催される。
ビッグクラスでは、DCCで3位だった同志社香里が逆転優勝で登美丘を捲るというドラマが起こった。
DCCでの同志社香里の出来を見ると、その再来が起こり得る可能性も高く、他に久米田、鎮西、堺西なども優勝圏内にいると予想する。

大会に出るようなダンス部をA面とB面に分けるならば、その差はユニゾンの力にあると思う。高校ダンスの醍醐味であるユニゾンの一体感は、部活という空間からしか生まれないものだ。
上記に挙げた学校は、当然のようにハイレベルなユニゾンを武器にしているので、ぜひ見どころにしてほしい。

昨年のブームでメディアからの注目度もますます高く、本当に楽しみが多い夏のダンス部大会だ。

レポート:石原久佳(ダンスク!)

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