【ダンス部大会のこだわり④】チームダンス〜教員によるダンス部公式大会

2026.04.09 DANCE

ダンス部大会の「こだわり」を聞く、インタビューシリーズ第4弾。

今回は「チームダンス」について深掘りしていこう!

インタビュー&テキスト:石原ヒサヨシ(ダンスク!)

>>シリーズ【ダンス部大会のこだわり①】マイナビハイダン
>>シリーズ【ダンス部大会のこだわり②】DCC
>>シリーズ【ダンス部大会のこだわり③】ストダン


教員による公式大会を目指して

 

「ダンスを部活でやる生徒が、社会で正当な評価を受けるための大会」

全日本高等学校チームダンス選手権こと「チームダンス」を端的に表すならば、この表現になると、主宰の緒方先生(一般社団法人全日本高等学校ダンス連盟代表理事/北九州市立高校ダンス部顧問)は語る。


>>寄稿【北九州市立】ストリート系ダンス部の歴史を創り上げた【緒方先生】の「道程」

 

その言葉には、緒方先生がダンス部顧問として歩んできた道のりの重みがある。
北九州市立高校(旧:戸畑商業)でダンス部を立ち上げたのは28年前。
ストリート系のダンス部がほとんどいなかった時代だったので、創作ダンスやチアダンス系の大会に出場出場するしかなかった。成績を残すこともあったが、純粋なストリートダンスを評価するものではなく、校内での評価も得難かったという。

「これはもう自分たちで大会を作るしかないな、と思い立ち、野球や吹奏楽の連盟を参考にしながら高校ダンス連盟を立ち上げ、2011年にチームダンス選手権をスタートさせました。他の部活と同じく教員たちによる運営で、公式大会としての扱いを受ける大会を目指しました」

公式大会になれば、学校から遠征費が援助されたり、成績優秀者は大学等への推薦要件を得らたりする。先生や同級生からも認められ、校内で表彰されることもあるだろう。まさに、「ダンスを部活でやる生徒が、社会で正当な評価を受けるための大会」となるわけであり、SNSやメディアで取り上げられること自体が部活動の本来の目的ではない。

「学習指導要綱には、部活動の目的が“生徒の自主的,自発的な参加により〜”と書かれているのですが、それはダンスでもできるんです。そしてその活動目的の中で重要なのが、ダンス技術の向上。野球部ならば野球の技術を向上させることと同じです」

>>【チームダンス選手権】小編成優勝は目黒日大!大編成は桜丘!【全チームレポート】

 

ダンス技術を評価する大会

 

チームダンス選手権は、数あるダンス部大会の中でも、シビアなダンス技術評価がされる大会として知られている。だから強豪校の中では、この北九州の決勝の地での栄誉を目指す学校も多い。

「コスチューム大会でもなく、コレオグラフ大会でもなく、あくまでダンスを競う大会でありたい。とは言え、ストリートダンスにこだわっているわけではなく、こちらの想像を超える新しいスタイルももちろん評価しますし、むしろ楽しみにしています」

チームダンス選手権の審査基準は「ダンス技術」「音感技術」そして「構成技術」と、他の大会とはポイントが異なる。そして例年約半数は固定プロジャッジに、ダンス部顧問のジャッジが毎年入れ替わる格好だ。

「音感技術とは、選曲も含めて音楽の解釈とアプローチ。グルーヴであったり、表現であったりですね。ジャッジに関しては、やはりプロだとしても評価はまちまちになるわけなので、固定とすることである程度の一貫性を持たせられていると思います。。そして高校ダンス部を一番知っているのは顧問なので、経験と信頼のある先生たちをおいて、審査にバランスをとっています」

 

教育的意義しかない理由

 

他大会への主催者インタビューでも共通して「大会の教育的意義は?」という質問をしているのだが、緒方先生へはナンセンスに感じた。何しろ、教員が運営していて、営利目的ではないのだから、そこには教育的意義しかないのだ。利益や成長路線よりも、教育的であるか否かに判断基準が置かれ、公益性を重んじているところが、チームダンスと他大会との圧倒的な違いと言える。

「学校内の事務的なところでは、公式大会としての申請の仕方やダンス部の運営や立ち上げに関しても、連盟としてサポートしていますので、今はほとんどの出場校で公式大会扱いになっているはずです。先生方の横のつながりで、今年は北陸大会もスタートしましたね」

ほとんどのダンス部大会は民間企業が運営している。つまるところ営利活動でもあるわけで、そのためにはチケット、スポンサー、メディアなどの諸般の「事情」が関わってくる。それにより学校側としては、音源の著作権問題がネックとなり、大会の増加によるエントリー費や遠征費などが負担になっている現状がある。
チームダンス選手権は、チケットの一般販売はしておらず(関係者のみ顧問を通じて発行)、 スポンサーもない。現段階では音源の規制も特に設けてはない。

「基本的に、若者は自由にさせてあげないと。それを押さえつけるようなことはやりたくないですからね(笑)。ダンス部に関わってきて長くなりますが、最近になってようやくダンス部が市民権を得たなと感じています。学校の中で歓迎される存在になってきた。そして大会をやりながらいつも思いますが、高校生が泣くぐらい一生懸命なことって、そうそうないじゃないですか。そういう場を作れていることにやりがいと喜びがあると信じて、これからも走り続けるしかないです」


第16回全日本高等学校チームダンス選手権大会スケジュール

・北海道大会(北海道) 令和8年8月1日(土) @北海道 札幌市豊平区民センター
・東北大会(青森,岩手,宮城,秋田,山形,福島) 令和8年7月17日(金) @宮城県 仙台市太白区文化センター
・北陸大会(新潟,長野,富山,石川,福井) 令和8年7月20日(月) @石川県 遊学館高等学校体育館
・関東大会(千葉,東京,神奈川,埼玉,茨城,栃木,群馬,山梨) 令和8年7月27日(月), 28日(火) @埼玉県 大宮ソニックシティ
・中部大会(愛知,岐阜,静岡,三重) 令和8年7月19日(日) @愛知県 安城市民会館サルビアホール
・関西大会(大阪,兵庫,京都,滋賀,奈良,和歌山,鳥取,岡山,徳島,香川,愛媛,高知) 令和8年8月1日(土) , 2日(日) @大阪府 藤井寺市立市民総合会館パープルホール
・九州大会(島根,広島,山口,福岡,佐賀,長崎,熊本,大分,宮崎,鹿児島,沖縄) 令和8年7月31日(金) @福岡県 J:COM北九州芸術劇場※地区予選は、いずれか1つの大会のみご参加いただけます。 日程や地理的な問題等により、近隣地区予選からのエントリーが困難な場合は、事務局へご相談ください。
・提携大会~ 沖縄大会 令和8年5月30日(土) 沖縄県 嘉手納文化センター 第10回沖縄県高等学校ストリートダンスコンテストSplash Dance OKINAWA
・中四国大会 令和8年7月11日(土) 広島県 新日本造機ホール 呉市長杯STREET DANCE CUP 2026

決勝大会 令和8年9月12日(土) 福岡県 北九州メディアドーム

>>エントリーは5月23日まで
>>オフィシャルHP:https://hstdance.com


▲昨年のレポート動画。本格派チームが勢揃い!



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