2016年「日本ダンス大会」全チームレポート!優勝は熊本の「鎮西高校」!
2016.06.06 REPORT
24)東京都立荒川商業高等学校
真っ赤なMA-1が鮮烈なヒップホップチーム。ストレートなグルーヴ一本で一気に駆け抜けるパフォーマンス。
25)大阪市立鶴見商業高等学校
キレとメリハリ、気合いと表情が印象的なパフォーマンス。普段の練習量の高さが伺える。
26)三重高等学校
やはり赤黒衣装がダンス部に映える。ロックで見せきるなら、より体力の強化とグルーヴの研究をすれば伸びていくだろう。
27)千葉県立松戸高等学校
くのいち忍者をテーマに、スピード感とメリハリで勝負する。もう少し忍者っぽい動きを取り入れていくと、作品の個性が際立って行くだろう。
28)専修大学附属高等学校(東京)
衣装、髪型、ムード、選曲にストリート感たっぷり。ハウスダンスを高校生らしいアプローチで見せつつ、大所帯をうまくフォーメーションで構成している。
29)大阪府立東淀川高等学校
関西勢らしいパワーとキレ、静かな曲調にイカついヒップホップを合わせることで個性を生んでいる。振り付けのバリエーションや抑揚も効いていて、このアプローチでは群を抜いている印象。
30)品川女子学院(東京)
毎回コンセプトとセンスの良さで際立つ東京の強豪校。お坊さんというネタを企画倒れにならないバランス感で見せる。コンセプトに合わせた振り付けと、ダンスとストーリーのバランス、曲のミックスなどに相当な気が使われているのだろう。
31)東京都立鷺宮高等学校
こちらも都内の強豪校。ビビッドな衣装に展開の早いダンス。衣装的な場面と世界観を確立させるのが課題か。
32)大阪市立汎愛高等学校
逆にこちらは完成度の高い衣装に合わせた世界観作りがうまい。踊りを控えめにする箇所を作ることで観客を引き込むという好例。
33)さいたま市立大宮西高等学校
脅しかけるような迫力とスキルの高さが印象的。ダンスだけでなく、フォーメーションや移動でのグルーヴ作りというアプローチを見せてくれた。
34)実践学園高等学校(東京)
ハイセンスな衣装と、盛り上がる曲ミックス。フォーメーションやパンキングのループなど、印象に残る場面を戦略的に見せている。
35)大阪府立久米田高等学校
どんどんハイレベルになってきた。関西の強豪校の登場。地を這ってみたり、飛んだり跳ねたり、まさにフリースタイルという独自のダンススタイルを次々に繰り出してくる。予想をさせない展開で、観客をドキドキさせる好チーム。
3位
36)名古屋市立西陵高等学校(愛知)
こちらもチーム力の高いヒップホップチーム。スポーティな衣装には華やかな表情が印象的。
37)大阪府立箕面高等学校
ポップ、ロックをメインにしたオールドスクールダンス部。まるで運動部のような体力、統率感、チーム力を感じさせる。
38)東京都立狛江高等学校
ドラムラインとチア風衣装が今年目立っている常連校。この衣装のままイカついヒップホップもやってしまうのがダンス部の面白さ。フォーメーションでの迫力、センターのメンバーの強さが光る。
39)群馬県立安中総合学園高等学校
叙情的な曲にハメていくリズムの力強さが練習量を物語っている。動きも大きく、細かく、情熱的。母親への感謝というテーマも会場の共感を呼んでいた。
40)精華女子高等学校(福岡)
高校生離れした女性らしい雰囲気と技術の揃い方。センターの存在感と、強烈な意思力を感じさせる作品だ。
41)大阪府立登美丘高等学校
昨年の全国大会を制したエアロビのパロディ作品。盤石のダンス力に、無表情という表情づけと、ポッチャリ役のコミカル演技はいつ見ても鉄板。場内大喝采。
42)北九州市立高等学校(福岡)
iPhoneの着信音をうまく曲に取り込んで、無機質に群舞を展開。聴き慣れた音に、予測は出来ないが快感を感じる隊列やカノンの使い方など、他とは一線を隠すアプローチが非常に戦略的だ。
準優勝
43)山村学園高等学校(埼玉)
コミカル作品に定評のある同校は、全員おじいさんで昭和感たっぷりの選曲。内容はおもしろかったが、ダンスの迫力でがっちり見せ切る場面も欲しかった。
44)鎮西高等学校(熊本)
ビートルズの名曲を使っての叙情的なジャズダンス。スキル、振り付け、構成ともに文句なし。ただ、男性役の衣装が冒頭から乱れてしまったが、気を散らせる要素になってしまいもったいなかった。そうならない対策と、演技中の対処をしても良かったかも。
優勝
45)京都文教高等学校
ROCK音楽にLOCKを乗せるという前年同様のさわやかエネルギッシュチーム。まるで文化祭のような学生らしい盛り上がりで、コンテストのトリを飾った。
その他の特別賞はコチラ。おめでとう!
【明日は、きっと、出来る賞】山村学園高等学校
【蝶理特別賞】都立狛江高等学校
【MIZUNO特別賞】大阪府立久米田高等学校
【寺川 綾賞「高校生らしさの観点として」】山村学園高等学校
【永利 真弓賞「コレオグラファーの観点として」】鎮西高等学校
【MASAMI賞「チームワーク・協調性の観点として」】大阪府立箕面高等学校
【長濱 佳孝賞「ステージエンターテイメントとしての観点」】精華女子高等学校
【羽柴 多賀子賞「パッションとしての観点」】大阪府立久米田高等学校
【岩井 智子賞「舞踊表現の観点として」】大阪市立汎愛高等学校
【TAKAHIRO賞「クリエイティビティの観点として」】北九州市立高等学校
【競技委員長賞「競技スポーツの観点として」】群馬県立安中総合学園高等学校
〜総評〜
今年も関西勢・福岡勢の活躍が目立ったこの大会。
毎年さまざまなアプローチや衣装などが楽しめるが、勝敗を決しているのはやはり基礎力の高さだ。ヒップホップにしてもジャズにしても、各個人の体力と基本技術をベースに、徹底した練習とこだわりでチームとしての強さを作り上げている。
自由な発想や派手な演出の影には、あくまでも地道で辛抱強い練習が裏付けされているのだ。
その部分で、西日本のチームの徹底ぶりや全体のレベルが圧倒的に高い。これだけ関東中心にチームが出場していても、評価は西日本に集まってしまった。
また、表現力の高いダンサーをセンターやアクセントとして配置し、作品の印象度を上げていくアプローチも今年は目立ったようだ。
今年の夏の大会に向けて、関東勢の奮起に期待したい。