優勝は熊本の鎮西高校!2018年「日本ダンス大会」出場全45チーム写真付きレポ&総評

2018.06.11 REPORT

6月のBIGなダンス部大会と言えば「日本ダンス大会」

今回で6回目を数える関東で開催される大会だが、今年は全国から送られてきたビデオ予選を通過した33校と強豪シード校の12校で争われ、もはや全国大会と言える規模とレベルを誇る。今年は予選参加校が一気に増加したとのことだ。

審査員長のTAKAHIROを始め、各界から選出された審査員は毎年ほぼ固定されており、教育的要素を重んじた審査基準(こちらの記事を参照)により日本一のダンス部が決定される。

大会は2日間にわたって行なわれ、1日目はリハーサルに加えて各種セミナー、2日目はダンス部によるコンペティションだけでなく、数々のエキシビジョンステージが用意され、学生たちが「見て学ぶ」イベントとなっている。

6月は東京都内の公立高校の3年生にとって引退時期となる場合が多く、あるいは夏休みの大会へ向けて作品の初披露となる時期でもある。

独特の緊張感と感動、涙と歓喜と笑顔が爆発する本大会の模様をDANSTREET恒例の全チームレポートでお送りしよう。

>>第4回レポート
>>第5回レポート

例によって、やや辛口なレポートとなっているが、今後のアドバイスとして受け取っていただければ幸いだ。
※得点と順位は大会側が審査結果として公表している点です。

レポート:石原 久佳(ダンスク!)
写真:ほりたよしか

01)千葉県立松戸高等学校
静けさの中でのしなやかな表現からスタートし、中盤からヒップホップの動きに変化。パワーはそれほどないが、シンクロ率が高く、よく練習されている様子が伝わる。[43位:252.3pt] 20180610-_MG_6840

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02)椙山女学園高等学校(愛知)
ミドルスクールを基調にした王道のノリと音取りで見せる。終始走り続けてきて、終盤はやや息切れした感があるので、もっとスタミナとパワーをつけよう。[44位:247.3pt] 20180610-_MG_6875

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03)さいたま市立大宮西高等学校
埼玉のヒップホップ強豪校。黒い衣装にクロいノリ、体幹の強さを感じさせる動きにも練習の量と質の高さが伺える。ただ、上位に食い込むにはもう一つキャッチーなアクセントが必要か。[32位:275.4pt] 20180610-_MG_6922

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04)宮城学院高等学校
少人数ながら笑顔と表現力が光る。異なる衣装の組み合わせと構成からなる世界観をうまくまとめており、今後に期待できる。[45位:238.5pt] 20180610-_MG_6939

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05)宝仙学園高等学校女子部(東京)
同校特有のダークなムードで今年はヒップホップ色が強め。ミリタリーを取り入れたフォーメーションも目を引く。声出しも気合い十分で展開もアグレッシブ。さらに重心の低さが出てくると化ける可能性があるだろう。[38位:272.2pt] 20180610-_MG_6969

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06)東京都立清瀬高等学校
王道ソウルダンス〜ワックを笑顔でさわやかに表現。よく練習されているが、今後は下半身でのグルーヴ作り、指先までの動きや可動域、しなりやたわみのような動きまで表現できると良いだろう。[31位:278.5pt] 20180610-_MG_7035

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07)大阪府立鶴見商業高等学校
大阪の強豪校。ノリの深さや強さがやはり関西レベル。笑顔も良いのだが、表情にもっとバリエーションがあると表現力がより豊かになるのでは。[27位:289.5pt] 20180610-_MG_7055

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08)トキワ松学園高等学校(東京)
毎回、作品のコンセプトが楽しい同校は今年は全員メイド姿でチャレンジ。衣装とダンスの親和性がイマイチだが、後半衣装替えしてからのラテンダンスのアプローチが面白かった。[33位:275.3pt] 20180610-_MG_7082

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09)天理高等学校(奈良県)
アダルトなノリの導入部が良い。徐々にグルーヴを強めていく出力調整もよく練られている。ショーケース要素の強いダンスなので、大会での評価はその都度でまちまちだろうが、この手のチームが大会に出場する意義は強い。[19位:294.7pt] 20180610-_MG_7112

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10)品川女子学院(東京)
これまでの女子力の高いコンセプト作品から一転、爬虫類的な衣装でのアート作品。こういう場合は、踊りの生物感と表情がキモになるので、ダンス力・表現力をより突き詰める必要がある。[16位:297.2pt] 20180610-_MG_7159

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11)川口市立高等学校(埼玉)
ブロードウェイダンスのような世界観で、ジャズ、ロック、タップ的な動きを織り交ぜる。後半の曲替えから、ダンスもガラリと変えるような工夫や演出があるともっと印象があがるはずだ。[37位:272.5pt] 20180610-_MG_7196

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12)日本大学明誠高等学校(山梨)
衣装や構成が多面的で面白い。欲を言えば、中盤の女子パートはもっとパワフルに、終盤はより情感豊かに表現できると素晴らしい作品に成長するだろう。[35位:273.4pt] 20180610-_MG_7230

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13)名古屋市立西陵高等学校
中部地区らしい力強いヒップホップにスポーツテーマの衣装。後半の明るい展開も高校生らしくて好印象だが、そろそろ芸風を変える時期に来ているか。[28位:286.6pt] 20180610-_MG_7242

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14)東京都立鷺宮高等学校
衣装のクオリティと質感が素晴らしい常連校。ステージを縦横無尽に使う展開も素晴らしい。無機質な表情を基調にしていたが、逆に表情を強く入れたパターンも見てみたい。[17位:297.0pt] 20180610-_MG_7278

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15)精華女子高等学校(福岡)
しなやかな動きに織り交ぜた強い音取りや緩急が気持ち良い。選曲や衣装もここまでで一番センス良いが、後半は曲名「エモーション」の通り、もっともっと情感や表情を出してほしいところ。[23位:293.0pt] 20180610-_MG_7321

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16)千葉県立四街道高等学校
対極な衣装でインド舞踊的な世界観を表現。全員が同じ衣装だった場合を想像すると全然違う印象になるので、衣装演出のうまさを感じる。[12位:310.4pt] 【寺川綾/特別審査員賞】
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17)駒澤大学高等学校(東京)
ここからシード校が登場。冒頭からフロアの動きを大胆に取り入れ、他校と一線と画するアプローチと意気込みを感じさせる。緩急を自在に操るダンスの基礎力も高く、その地力が上がれば上がるほど作品も良くなる予感がある。[9位:315.5pt] 【角田美和賞】
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18)山村学園高等学校(埼玉)
ダンスというより、身体表現の可能性を探ったような斬新なアプローチ。基礎練習に裏打ちされたフィジカルの強さが随所に見られ、部活ダンスの醍醐味を味わさせてくれる。[15位:306.6pt] 20180610-_MG_7413

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19)京都明徳高等学校
これまた強靭なフィジュカルで、力強い動きを繰り出す常連チーム。全体的に押せ押せ感が強い傾向があるので、ちょっとした緩急や場面転換を感じさせるポイントを作れば印象はさらに上がるはずだ。[6位:320.9pt] 【MIZUNO特別賞】
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20)三重高等学校
単純に、スピード感とシンクロ率と気迫で観客を圧倒する。自分たちの最大の武器に特化して勝負する強さと凄みを感じさせる。審査員が違えば優勝してもおかしくない、素晴らしく清々しいストリートダンス。[4位:323.9pt] 【蝶理特別賞】
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21)千葉敬愛高等学校
こちらも三重高校と同様。しなやかさとスイング感で一本勝負を狙うような熱量の高い作品。同じ印象が続いた分、やや損を食らったか。[5位:322.0pt] 【競技委員長賞】
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22)大阪府立久米田高等学校
まるで観客を挑発するような先の読めない展開で、いつの前に引き込んでしまう演出力と大所帯が一体となった波動が素晴らしい。これだけの大人数で出ハケを使わず、それを逆に作品の個性と圧力に変えている。[2位:327.1pt] 【準優勝/長濱佳孝賞】
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>>後半へつづく



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