DANCERケガ予防と最強コンディション作り…姿勢/食事/睡眠/ケガ予防/ストレッチ/体幹トレ

2021.03.21 COLUMN

>>#1「カラダのクセを知って姿勢を正そう!」より

小食と菜食が基本、食事の「質と量」を見直そう!

皆さんもコロナ渦での空いた時間でたくさんの「インプット」をしたはずだ。勉強やダンスの練習はもちろん、動画や音楽、読書、ネット閲覧、あるいは家族との会話などの「一人時間」でたくさんの知識や情報をインプットしたことだろう。しかし、人間、いや動物にとって最大のインプットとはなんだろう? それは「食事」なのだ。なにせ、直接的にカラダに入ってくるインプットなのだから、誤魔化しようがない。食事を単にカラダを作る栄養素と考えている人も多いだろうが、食事の内容は思考や精神状態にも大きく影響し、その質によっては皆さんの未来や運命を変えることだってできるんだ。
筆者の場合、食事で心がけているのが「少食」と「良食」だ。これを日本人が古来続けてきた食生活に戻す形で体重と体調を改善してきた(1年間で172cm70kg→55kg、その間不調ナシ)。少食とはもちろん量を減らすこと。現代は1日3食が基本だが、そもそも江戸時代初期の日本人は1日2食が基本だった。特に朝は体内が動いていないので、大きな食事量は消化器官にとって非常に負担になる。同様に、寝る寸前までの飲食も、睡眠中に消化にエネルギーを持っていかれてしまい、疲れを残したまま起きることになる。
筆者がとっている方法は、1日の15〜17時間は主食を摂らず、1日2食にすること。例えば、前日の19時に夕食を済ませたら、翌朝は野菜ジュース(ジューサーで絞った人参&林檎ジュース)のみで済ませ、10〜12時頃に昼食を摂る。「朝食を摂らないと力が出ないんじゃ…」という意見もあるが、やっているうちにカラダは慣れていくし、少食は逆に午前中の集中力を上げ、適度な空腹感は免疫力や自己治癒力を呼び覚ましていく。コロナ対策にも良いだろう。例えば、獲物を求めて飢えている野生動物は動物園の動物に比べて、研ぎ済まれていて力強いということをイメージしてもらえればわかりやすい。そして、時間を空けてから摂った食事の美味しいこと! 週末断食の効果は医学的にも認められているが、筆者の場合はそれを1日のうちのスケジュールで実践しているわけだ。日本人が古来続けきた少食=正食(1日1〜2食)は「マクロビオティック」と言われ、健康法として世界的に広まっている。無駄な体重を減らし、集中力を上げ、強い体を作る。筆者がカラダで実感してきたことなので、高校生の皆さんとはカラダに違いもあるだろうが、ぜひ参考にしてもらいたい。
そして、「良食」とはもちろんカラダにとって良い食べ物を摂ること。本来、カラダが求めている栄養素は「美味しい」と本能的に感じる機能があるはずだが、現代での「美味しい」は、さまざまな刷り込みや脳による錯覚も含まれていると思う。日本人は本来、先に述べた2食(にじき)だけではなく、菜食や玄米食が中心だった。肉・卵・乳製品・小麦はあまり摂っておらず、今で言うヴィーガンのような食生活で、戦時中に欧米諸国に対抗する強いカラダと精神力を作り上げてきたという。敗戦後は、GHQの政策により、一気に肉や小麦や乳製品、その他加工食品がアメリカから輸入され、学校給食から日本人の食生活は急変していった。肉、卵、乳、小麦など日本人の腸には消化しにくい食べ物が生活の中心に置かれ、結果ガンや糖尿病、アトピーなどの新しい病気が急増。食生活が欧米化(狩猟民族化)し、菜食中心の農耕民族であった日本人のカラダは対応できず、確実に弱体化していったのだ。
肉は美味しい、パンやパスタは美味しい、卵も乳製品も欠かせない。でも、これらは本当に「美味しい」のか。カラダが本当に欲している「美味しい」なのだろうか。日本人は、脂質もタンパク質もカルシウムも菜食から充分に摂れる効率の良い体質なのだ。小麦やお菓子やファーストフードには中毒性が認められているし(食べられないとイライラする等)、加工食品に含まれるトランス脂肪酸の過剰摂取は記憶力を低下させるというから、学生には大問題だ。私たち日本人のカラダは現代ほどの肉・小麦・卵・乳などを本当に欲しているのか? ——そういう時は一度離れてみればわかる。筆者の場合は、一度離れることカラダでわかったことが多く、本当に欲している食べ物を美味しいと感じるカラダ(=正体)を取り戻したと感じている。1週間だけでもいい、肉・卵・乳・小麦・加工食品を抜き(減らし)、菜食果物中心の「原材料が目に見える」食生活を実践してみてほしい。

鼻呼吸と脱スマホがポイント、睡眠の「質と量」を見直そう!

睡眠がカラダを作る。成長期の皆さんならばなおさらのことだ。睡眠は、疲労を回復させ、免疫力を上げ、脳とカラダを休める。良い睡眠のために、ここで筆者が推奨したいのは、「就寝前後のスマホデトックス」と「鼻呼吸&舌磨き」だ。
就寝前や起床直後の食事がカラダに負担をかけてしまうのは先ほど述べたとおり。スマホに関して、就寝直前までベッドでスマホやPCを観ている人も多いと思うが、最低でも就寝前の1時間(できればお風呂から出て寝るまでずっと)はスマホの電源を切って穏やかに過ごしたい。ブルーライトや電波(特に5G)の人体への影響もあるが、何よりネットの雑多な「情報量」が睡眠中の脳に悪影響を与えてしまうのだ。最近は「デジタルデトックス」と言われるが、生活の中で如何にデジタルを遮断する時間を作ることが、現代社会を健やかに過ごすためには肝要なのではないかと思われる。
ほとんどの雑菌は口から入ってくる。だから、皆さんはいま日中にマスクをしているわけだが、実は睡眠中に口から入ってくる空気中の雑菌が、風邪を始めとする多くの病気の原因になっていることも覚えていてほしい。特に、口を開けて寝る癖があり、起きると口の中がカサカサに乾燥しているという人は要注意! 動物の中では人間だけが口呼吸をするというが、そもそも口呼吸は息切れ時の緊急用の手段であり、基本は鼻呼吸を徹底すべきなのだ。鼻呼吸ならば鼻毛や鼻水がフィルターになり、雑菌を遮断してくれる(さらに鼻うがいを習慣づければ完璧)。どうしても開いてしまう人は、就寝時に口に絆創膏や専用のテープを貼ることで対処しても良いだろう。
また、起床時に口の中や舌がネバネバしている人、このネバネバは雑菌の塊(舌苔)なので、起きてすぐに飲食をすると、雑菌を体内に流し込むことになってしまう。一説によると、朝の舌の状態はベ○キ並に汚れているそうだ。朝起きたら、まず歯磨き&舌磨きを習慣づけよう。合言葉は、舌苔(ぜったい)は絶対(ぜったい)ダメ!

>>#3「DANCEケガの種類と予防」&#4「ダンサー必須のストレッチと体幹トレ」へ続く



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