ダンス部への提案〜新しいDANCEのススメ#4「ヨガ」「脱力」
2024.05.28 COLUMN
もうすぐ新学期、新生活、新体制での部活動がスタートするね!
それを機に何か新しいコト、新しいダンス、新しい活動に挑戦してみるのもいいでしょう!
今回は、『ダンスク!』が7つの新提案=「新しいDANCEのススメ。」をご紹介します!」
インタビュー&文:石原ヒサヨシ(ダンスク!)
カラダが良くなると心も!
心が良くなるとカラダも!
アドバイザー:MIHO BROWN(プロダンサー/ヨガ講師)
動き、呼吸、集中、瞑想。
ダンスが生まれ変わる 「ヨガの魔法」
「ダンスとヨガ」一見無関係に思えるようだが、海外のトップダンサーや、スポーツ界のトップアスリートには、トレーニングメニューにヨガを取り入れているケースが多い。
それは、ヨガがダンスやスポーツにとっての「フィジカル面」と「メンタル面」の両面で大きな影響力を持つからだ。
まず「フィジカル面」では、単純に可動域が広がる。開脚や後屈などダンス練習のストレッチと同じ様なメニューがヨガのポーズ(アーサナ)にもあるが、ヨガのほうがより多彩で連続的、そして同時に筋肉や体幹を鍛えていくことができる。
例えば、ヨガの代表的ポーズの流れ(フロー/ビンヤサ)の組み合わせに「太陽礼拝」と言われるものがあるが、これは背筋を伸ばし姿勢を正し、前屈~後屈~膝裏やアキレス腱などのストレッチ効果があると同時に、腹筋や背筋、手足の筋力や体幹を鍛える効果が連続ポーズだ。
ダンスにとって可動域を広げいくことは重要だが、同時にブレない軸を作ることも必要である。
ヨガの各種ポーズは、正しい形(スタンス、バランス、骨の配列)で行なうことが重要視されている。誤ったストレッチや筋トレは、効果がないばかりか、思わぬ怪我につながる恐れもある。
「正しいストレッチ」を覚える意味でも、ヨガの基本ポーズを学ぶことは意味があるのだ。
ここで、ダンサーでありヨガインストラクターであるMIHO BROWNさんに話を聞こう。2000年代に「ガールズヒップホップ」のスタイルを国内で浸透させ、トップアーティストとの共演を果たしてきたレジェンドダンサーだ。
「私がヨガを始めたのは、長年のダンサー生活で痛めた腰や背中を治療するためでした。柔軟性が驚くほど上がり、体幹もアップして心やカラダに起きる不調や乱れもコントロールすることができました。自分の軸が戻り、10歳は若返った気分です!」
また、ヨガがストレッチと大きく違う部分と言えば、ポーズに深い呼吸を連動させていること。先の太陽礼拝にしても、ポーズの流れに「吸う/吐く」という呼吸の流れを合わせることで、可動域をより広げる効果がある。
例えば、吐きながら前屈したほうがより深まるし、吸いながら腕をあげたほうが全身が伸びていく、という具合に。体を使って大きく鼻呼吸することによって、腹式~胸式~喉にかけての「呼吸筋」も鍛えられているので、普段の生活からの大きな呼吸につながる。
「ヨガのおかげで、踊っている時も意識的に呼吸をできます。長い間踊っても疲れないカラダにもなりましたね!」
現代人はよく「呼吸が浅い」と言われる。1分間の普段の呼吸数は、男性で12 〜15回前後、女性で15~18回あたりが平均なのだが、一度自分の普段の呼吸数を測ってみてほしい。
そこで20回を超えてしまうのは、いわゆる「呼吸が浅い」という状態だ。
呼吸が浅いと、精神的に不安感や焦りを煽り、安定したメンタルにはつながらない。またスタミナも無駄に浪費してしまうだろう。
逆に、緊張した時や疲労した時に深呼吸をしたくなるのは、安定したメンタルを得たいという無意識の働きだ。
ヨガによって呼吸を鍛え、普段からの深い呼吸につなげていけば、いざ本番の場面でも落ち着いていられるだろう。
「カラダが良くなると心も良くなる。心が良くなるとカラダも良くなる。心とカラダを連動させていきましょう!」
またヨガには「マインドフルネス効果」があることが科学的に証明されている。
マインドフルネスとは、端的に言えば「いまココ」に集中すること。
過去の失敗にこだわったり、まだ来ぬ未来を不安がったりするのではなく、いま自分が立ち向かうべき対象に全感覚を集中させる。ヨガにあるこの「瞑想効果」が、普段の練習や学校での勉強、本番での集中力などへの集中力を養ってくれるのだ。
「若い時からヨガをやれば健康どころか〝強健〟になれますよ! ヨガでじっくり筋肉に負荷をかけることで、しなやかで強い筋肉が育てられるんです。自分の持っているエネルギーやダンサーとしての可能性をフルに引き出してくれると思います!」
MIHO BROWNさんが以前に行なったダンス部へのワークショップでは、まず自分たちの振り付けを踊ってもらい、ヨガのレッスンを挟んだあとに、もう一度踊ってもらったところまるで別物のような表現力が身についた。
ヨガによって広がった可動域と強くなった体幹の上で、開放された心がキラキラした表現力を促してくれたのだ。踊っていた高校生たちも自分たちの変化に驚いていたようだ。みなさんもぜひ、この「ヨガの魔法」をダンスに取り入れてみよう!
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講師:MIHO BROWN
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