【編集長コラム】思い出のダンス部〜同志社香里編「絶対王者の執念」
2026.01.08 COLUMN
ダンス部取材歴10年のワタシが、過去に取材したダンス部を振り返って行こうというコラムシリーズです。 2回目は、長きに渡って活躍し続ける伝統校・同志社香里の思い出です!
テキスト:石原ヒサヨシ(ダンスク!)
全国のダンス部の憧れ
私がダンス部の取材を始めた2015年頃、日本一のダンス部と言えば大阪の同志社香里高校だった。
ダンスタジアムのビッグクラスでは通算7度の優勝、2011年〜2013年には3連覇、2016年〜2017年には2連覇を達成する、ダンス部界の絶対王者と言える存在。
オールジャンルをこなしつつ、WAACKを主武器とする迫力のダンススタイルは、当時のダンス部作品の1つの潮流を作っており、生徒主体で振り付けを制作する姿勢も含めて、全国のダンス部から模範とされるような憧れの存在だった。

これまで『ダンスク!』では幾度となく、同志社香里への取材を行なっている。
著書ダンス部ノートでは、2019年の夏の大会をドキュメントした。
練習場所のピロティは、夏は暑く、冬は寒風が吹き込む屋外の施設だ。
そこに中高合わせた150名ほどの部員がひしめき合い、常にテンションの高い練習メニューをこなしている。
基礎練から、先輩と後輩によるペア練習、オールジャンル練習、そして作品作りまで、自主的に行なう練習メニューには高い精度と規律があり、取材をするたびに身が引き締まるような想いがあった。通ううちに、そのピロティがまるで「ダンス部の聖地」のような場所にも思えてくる。

全員参加の作品作り
「ダンス力と作品力は違うんです」
と、創部から同志社香里ダンス部を支えてきた当時の顧問は語っていた。
顧問の先生はダンス経験者であるものの振り付けは行なわずに、あくまで生徒主体で作品作りは進めるのが伝統だ。しかもその作り方が面白い。
曲が決まると、パートごとに部員がグループに分かれ、そのパートの振り付けアイディアを徹底的に出し合う。そして、それを全体の流れとバランスで調整していく。
そして、仕上げ段階には顧問の先生の厳しいチェックが、最後の関門のように待ち構えている。
「勝つためではなく、全員が納得できるダンスを」
をモットーとして、大会直前まで振り付けの修正を重ねていく彼女たちの姿には、常勝校とは思えない強い執念を感じさせる。
作品にかける想い、2分30秒の「一瞬」にかける想いの美しさこそが、ダンス部の最大の魅力だと感じさせてくれたダンス部、それが同志社香里だった。

かつて部長を務め全国優勝を達成した、川口さん(下表紙)は現在、東京の芸能プロダクションで活躍している。
同志社香里時代の経験が、現在の仕事にも多分に活かされているのだという。
「全員が本気で作品と向き合った時間は、今振り返っても特別です。誰かに与えられる答えがなかったからこそ、自分たちで考え、ぶつかり、納得するまで作り続ける力が身につきました。同志社香里で培ったその姿勢と、あの濃密な創作の時間が、今の自分の仕事の根幹を支えていると実感しています」

部活動を通じて、仲間と切磋琢磨し、技術やコミュニケーション能力を磨くこと。自分たちの思いをクリエイティヴに活かし、望む結果を達成すること。
その経験と感動は、ずっと自分の人生の下支えとして残るだろう。
同志社香里の作品と部活動への姿勢は、今でもダンス部の規範として輝き続けている。

【同志社香里のダンスク!TV動画】









