同志社香里が執念の優勝!2019年DCC出場36チームレポート&部長コメント

2019.08.22 HIGH SCHOOL

>>01〜18チームより

 

19)駒沢大学高等学校:恋叶(メルト)
まるでお花畑で舞い踊るようなメルヘンワールド。その世界観でジャズの基礎動作をしっかりと入れ込んでおり、ダンス部作品の取り組み方としてレベルが高い。
39/25/14=78【読売中高生新聞賞】
「恋する女の子の可愛らしさや苦しさ楽しさなどを表現しました。仕草や1つ1つの表現、もちろんダンスのスキルにも磨きをかけて練習してきました」

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20)大阪市立高等学校:舞国(ディセンダント)
男子役と女子役に分かれてエネルギッシュにパフォーマンス。ダンスの楽しさを伝える表情の豊かさが印象的だ。
27/17/8=52

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21)大阪府立金岡高等学校:魅化(ダリア)
地味な衣装でのスタートから、衣装替えして得意のワックを全開で見せるまでの演出がうまい。
33/22/11=66
「正反対の2曲を使用し、衣装チェンジや表情で作品の中で差をつけました。入りハケが多いのでステージ幅に合わせた練習をしました」

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22)大阪国際滝井高等学校:群衆(アイデンティティ)
DCCの決勝にかけてきたという同校。シンプルな白黒衣装で情熱的なパフォーマンスだ。
26/14/10=50
「一人一人の個性を見せるところ、細かい部分の揃え、表情を工夫しました」

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23)目黒日本大学高等学校:闘師(とうぎゅうし)
何度も言うが、下半身と体幹でしっかり踊るからこそシンプルな動きが映えている。加えてアクロバットと表現力とテーマ性も大きな武器。大きく踊る、そのために何が必要かを丹念に積み重ねているチームだと感じる。
33/18/13=64
「アクロバットとさまざまなジャンルの融合で、円形ステージに合うような構成をつけてフリを固めました」

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24)東京都立富士森高等学校:美空(ビューティフル)
Super Fly1曲でのさわやかなパフォーマンス。命の大切さ輝きを伝える作品だ。
34/11/12=67
「テーマをしっかり表現できるよう、表情を大きく、振り付け自体もみんながしっかり笑顔になれるよう工夫しました」

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25)愛知県立昭和高等学校:雨後(あめのち)
雨上がりの晴れやかな心境を情熱的に表現。円形ステージをフルに使ったフォーメーションも効果的だ。
38/20/14=72
「自分たちの作品を通して見ている人たちに伝えたいことをどうやったら伝えられるかを考え、表現しました」

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26)広尾学園高等学校:靭脆(あまのじゃく)
出ハケを使わず、個々の踊りが入り乱れるような構成が円形ステージによく映える。強さと脆さ、その葛藤が情熱的に表現されていた。
39/24/14=77
「現実に立ち向かう強さと脆さの気持ちを作品に表現しました」

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27)北九州市立高等学校:黄臭(ファンク)
黄色い臭いと書いてファンクが今回最高の二文字。ブッといベースの効いた曲への音感表現と黒人らしいファニーな表情作りが光る。フォーメーション使いもスリリング。Back to the Old School、最高でした。
44/28/17=89
【準優勝】

「ロックに加え、ブレイクやワック、ハウスなどさまざまなジャンルを取り入れ、見応えのある作品にしました。180度楽しめるダンスです」

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28)大阪府立三島高等学校:紫炎(しえん)
ゆったりとしたヒップホップのノリからトリッキーなパートを中盤に挟む。軸と重心を鍛えられればより強いノリが出てくるだろう。
27/16/9=52
「シンクロしたヒップホップに、めまぐるしく変化する構成に力を入れました。ジャッジやお客さんに伝わるよう、エナジーを飛ばす練習をしました」

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29)大阪府立柴島高等学校:闘者(ソルジャー)
同校特有のグラインドするヒップホップのノリ。ステージを見下ろすこの会場でもチームとしてのアラが見えず、群が一体の生き物のようなスケール感があった。
34/25/12=71【Chiyoda賞】
「細かいステップをこなしながら柴島らしいヒップホップを表現しました。衣装はDickiesの上下にバーバリーの柄を組み合わせました」

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30)同志社香里高等学校:刻韻(こくいん)
ハイスピードなワックと目盛りの細かい音感表現を活かした同校特有のパフォーマンス。もはやダンスというより、まるで映画のSEをバックにした身体芸術表現だ。特に、音の鳴っていない箇所に瞬間で入る動きが凄みを演出している。圧巻。
46/29/18=93
【優勝】
「円形のステージを活かして、ワックだけでなく表現の部分を多く取り入れました。曲調が大きく変わるので、会場の雰囲気も変えられるように細かいニュアンスまで揃えました」

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31)千葉敬愛高等学校:朱蘭(アマリリス)
新人戦を制した代の大勝負。テーマ性の表現では意識高く工夫されている。今後は自作チームとして、如何に隊列と振り付けの幅をもたせられるかがポイントか。
40/23/14=77
「アマリリスを表現するために衣装やフリ、構成にこだわりました」

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32)日本大学明誠高等学校:時間(タイム)
独特の世界観作りが冒頭から巧みで、その後の多様なギアシフトも惹きつける。動かないことで見せる引き算の考え方。見るたびに表現がソリッドになる、楽しみなチームだ。
41/24/19=84
【3位】

「テーマの表現と音の質感に合わせることにこだわりました。時空を表現できるようクリアジャケットやシルバーのパンツを使用しました」

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33)山村国際高等学校:奏狂(シンフォニー)
関東予選優勝校。出ハケを頻繁に使ったスリリングな構成と展開。スカートを激しく振り回し、大人数が入り乱れる様はまさに狂乱のシンフォニー。
43/24/16=83【WODインドネシア出場権/avex賞】
「円形ステージを活かしたフォーメーションで魅せるところを工夫しました。衣装は2枚のスカートを縫い合わせて、ピアノをイメージしたワンピースを作りました」

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34)三重高等学校:忍者(にんじゃ)
三重高校の故郷、伊賀忍者をコミカルストーリー仕立てたニンニンジャー。素晴らしいスキルの無駄使い(笑)。彼らの勢いと「やったれ精神」がなせるワザだ。
33/18/13=66
「ストーリー性があり、ダンスをしてない人でも楽しめる作品にしました」

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35)大阪府立久米田高等学校:解放(リリース)
鍛え抜かれたフィジカルと精神力で毎回のように上位入賞を果たす強豪校。衣装替えを効果的に使い、テーマの通り解放感のエネルギーを放った。
40/22/14=76
「テーマに合わせた衣装作りと表情を工夫しました。一人一人の作品に対する思いを見てください」

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36)大阪府立登美丘高等学校:艶麗(ヴォーグ)
昨年の優勝校、話題の登美丘高校はVOGUEの世界観を煌びやかな衣装とフォーメーションで演出。設定は斬新だったが、ダンス表現がそこに追いつかなかったか。
40/25/17=82
「振り付けのコーチ(nona)にしかない世界観を表現しました。大人の女性らしさを出せるよう、無表情の中でどれだけダンスで表現できるかを意識しました」

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【結果】

優勝:同志社香里高等学校(大阪)
準優勝:北九州市立高等学校(福岡)
3位:日大明誠高等学校(山梨)
4位:山村国際高等学校(埼玉)
5位:大阪府立登美丘高等学校
6位:駒澤大学高等学校(東京)
7位:千葉敬愛高等学校
8位:広尾学園高等学校(東京)
9位:大阪府立久米田高等学校
10位:大阪市立汎愛高等学校

 

【総評】
競技性とエンタメ性を兼ね備えたavexらしいダンス部大会へのシフト

7回目となるDCCがavexの大会として進化していた。
会場は同じく舞浜のアンフィシアターだが、まず審査員が変わった。
ジャッジするのは審査委員長のテリー伊藤以外はプロダンサー4名。
スポンサー関係者は列席するが、得点は持たずに特別賞を選定するのみ。

同大会では、漢字二文字のテーマを掲げその表現性を高く評価するのが最大の特徴だ。
【テーマ・表現力】10点
【ダンススキル】6点
【その他(構成、衣装、チームワーク、パッションなど)】4点
…という得点配分となっている。
わかりやすく言うと、ダンス技術関連の能力と、それを使った表現力を10点ずつ均等に評価しているわけで、偶然にも創作ダンス大会の審査基準に近い形ともなっている。
ダンスだけではない、ダンスを使った「表現」
それらを例えるならば、競技性と芸術性、肉体と感性、手段と目的、形と独創性。
そのバランスの良いチームが歴代の優勝・入賞校に輝いており、実際は当て字も多く見られる漢字二文字の再現性だけを審査しているわけではない。

大会の進行で大きく変更された点は、各チームの審査結果をリアルタイムで集計し、演技後に発表していること。ここで、ベスト3が入れ替わるとビジョンに学校名が現われ、出場チームから一喜一憂の声があがる。開始直後は、点数の低かった学校のテンションが保たないのでは?と心配したが、後半につれベスト3が次々に入れ替わり、純粋に観客目線としてもイベントを楽しめるムードが演出されていた。
イベントとしての演出力と審査の公平性をシンクロさせた、avexらしいダンスコンテストへのシフトだったと思う。

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また、踊った直後に得点を会場が共有し進行することで、過度な期待感や妙なわだかまりがたまらず、かつ審査自体も個人的には異論がないものだった。ダンスコンテストの審査はやはりプロダンサーあるいは識者がメインで行なわれるべきである。

上位入賞した3チームのバランスが良かったことも、DCCの審査の信頼につながったように思う。
優勝した同志社香里は、ダンススタジアムでの悔しさを胸に、円形ステージへのアレンジを見事にプラスに変えた。
主武器の素早いワックはステージから波動を放ち、緻密な音の表現力は観客の感性に訴えかけ、円陣のような隊列は会場中にエネルギーを拡散させた。まさに同志社香里のためにあったステージ、と思えるのほどの情熱的な身体表現を見せてくれた。

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北九州市立はストリートダンス本来の、とうか古来のスタイルで、ピュアにストリートダンスの魅力を伝えた。愛し守り続ける信念はブレない軸になる。ダンスとの付き合い方は本来、ハッピーであり自由であるもの。ダンスは遊びから生まれたのだ。
彼らのパフォーマンスで感じたものを持ち帰った高校生は多かっただろう。

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そして新鋭校から強豪校へステップアップした感のある日大明誠は、ダンスの新しさや可能性を探求するかのような抽象的でシュールなパフォーマンス。しかもそれがリアルタイムで産み落とされているような緊張感や間(マ)があり、自然と引き込まれる。まさに抜きの妙、引き算の美学。
今後このアプローチをとる学校も増えそうだが、やったとしても、簡単に見えて奥が深い、その妙技に気がつくことだろう。

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今回は何より、終演後のDJ KOOによるDJタイムがハマっていた。
DJ KOOが「出演者のみんな、ステージにあがって踊っちゃえ!」というと、「え、いいの?」という感じでソロソロと円形ステージにあがる。ここぞとばかり目立とうとするB-BOY、さっきまでのステージとは打って変わってシャイな様子の女子。気づけば、出演者全員が衣装のままビートに合わせジャンプしまくっている。

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「楽しい〜!!」「ヒュ〜〜!」と歓声があがり、入賞できなかった悔しさも、体を音楽に預けることで吹き飛んでしまったよう。

「自由」「解放」「共有」、これこそがダンス本来の楽しさ
結果に気分を左右されるのではなく、純粋にダンスの楽しさに立ち戻れる今回のDCCのフィナーレ。
ダンス部大会としては斬新で壮観なこのDJタイムで、高校生たちが身体で感じたことをぜひ次のステージで活かしてほしい。

DCCがJSDAではなくavexのイベントとして振り切ったことにより、他大会との差別化がさらに明確になり、ダンス部大会のエンターテインメントとしての可能性も示した。

教育と、青春と、エンターテインメント。
あるいは、
若者の成長と、一瞬の輝きと、歓びの共有。

ダンス部の魅力はこの三角形の中にあるのだなぁとしみじみと感じた大会でした。

 

レポート:石原久佳(ダンスク!)



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