ダンススタジアム初の公式選抜大会グランプリ決定戦、出場全チーム アドバイス&コメント

2019.11.05 HIGH SCHOOL

第1回日本高校ダンス部選手権
公式選抜大会 グランプリ決定戦
2019年11月4日@横浜アリーナ

初の試みということで様々な面で課題も多かっただろうが、細かくは他へ譲ろう。
すべてを「若者の成長」のためにつなげてもらえれば、良い大会になっていくと思う。

選抜大会ということで、レベルの高い学校が揃っており、ほとんどの参加者は今後も活動が続くだろうから、いつものレポートより多少辛口になっている。
今後に向けてのアドバイス、参考材料になれば幸いだ。

なお速報を優先させたため、今回は各チームの写真はありません。

レポート:石原久佳(ダンスク!)

目黒日本大学高等学校(東京)
闘牛士をテーマにした情熱的なパフォーマンス。アクロバットが見せ所だが、以前よりユニゾンも強化されている。しかし演舞が始まってみると、想像以上にステージが大きいことに気づく。この巨大空間をモノにするのはなかなか難しいだろう。

神奈川県立市ケ尾高等学校
ボリウッドを思わせるような幻想的なムードの新作。同校得意のカノンやパラレルの展開を効果的に使い、世界観で観客を魅了した。

二松學舍大学附属高等学校(東京)
黒光りする生き物がうごめくようなイメージで、グルーヴィなポッピンをカマす。移動などで大きいステージをもっと効果的に使えると良かった。

大阪府立柴島高等学校
逆に大舞台に合わせて作品をバージョンアップさせてきた模様。構成や入りハケ、踊り分け、フォーメーションを使って大人数の見せ方がうまい。もちろんこれだけの人数でのユニゾンのエネルギーは圧巻だ。個人的にはトップ3レベル。

桜丘高等学校(愛知)
ストリート系ダンス部の雄、桜丘は男子ブレイキンチームでチャレンジ。ブレイキンでスタイリッシュなショーを作ろうとする研究努力の跡が見て取れて好感が持てる。

神奈川県立川崎北高等学校
ホラーテイストのヒップホップがこの夏評価が高かった同校だが、この日は大会場での表現の伝わりにくさが惜しかった。

大阪府立箕面高等学校
相変わらずの安定の箕面節と言えるポップ&ロックの構成。大会場で見ると、どうしても平面的な印象になってしまうのはオールドスクール系の弱点か。

横浜創英高等学校(神奈川)
ハッピーな1曲使いに、小道具を用いて、楽しげにスクールライフを表現。衣装とアクティングの伝わりにくさに課題の余地があるか。

帝塚山学院高等学校(大阪)
シルエットの徹底で印象的な場面をいくつも作り、抜群の表現力を生んでいる。ダンスタ優勝の作品にアレンジを加えて、最後には大きな旗を振り大会場に映えさせた。しっかりと戦略性が見られる。

大阪府立東百舌鳥高等学校
ハイテンポなダンス曲に合わせて自在にノリを変えていく様が心地よい。数年前なら優勝レベルの純ストリートダンスだ。

三重高等学校
いつでも青春全開、三重高の豪速球ストレートのようなパフォーマンス。今回は楽曲との相性はどうだったか。

山村学園高等学校(埼玉)
強いフィジカルとチームワークでハイテンポな振り付けを展開する。振り付けや衣装など和テイストの取り入れ方に向上の余地がある。

精華女子高等学校
非常に体の効いた動きから、ジャズ、ソウル、ワックなどの動きを見せる。構成は良いのだが、1曲使いだけにハイライトを作れなかったか。

鎮西高等学校
アイドル系の楽曲を使っていたが、ビートが薄いために、ダンスのアタック感の強さとのギャップが目立つ。J-POPは歌と歌詞を聴かせるミックスのために、ダンスミュージックに比べてビート感に劣る。大会では大音量PAでそれらと聴き比べすることになるので、選曲する場合には注意したい。

初芝立命館高等学校(大阪)
ゴティエの曲を使った無機質な序盤から一転、アグレッシヴに展開。いまひとつ山を作れずに終わった感がある。構成に課題があるか。

駒澤大学高等学校(東京)
カンフー+ヒップホップという明確なコンセプトを自作トラックを交えて効果的に見せる。アタック感の強さと緩急が印象的。

同志社香里高等学校(大阪)
これまでの同志社から一転、シンプル衣装にヒップホップをベースにしたパフォーマンス。大所帯のボリューム感と構成力を武器にしていたが、まるで自主公演のフィナーレのようなレビューっぽさがあった。

千葉敬愛高等学校
今年のダンスタ決勝進出ができなかった悔しさをブツけた作品。自作チームだけに踊りのバリエーションやフォーメーション展開、細かい音感表現の部分などにまだ伸びしろを感じる。1曲目の低音の割れも気になった。

京都府立山城高等学校
競馬をコンセプトにしたエンタメ作品。伝わりにくい部分も多かったが、挑戦する姿勢には好感が持てる。ユニゾンの精度は大きな武器だ。

山村国際高等学校(埼玉)
今夏の大会でインパクトを残した狂乱のピアノナンバー。ソロの挟み方も効果的で、スカートの大胆な使い方が大舞台に映えていた。

大阪府立堺西高等学校
ダンスタ全国2位だった作品。音取りのバリエーションが豊かで、ジャストにしたり引っ張ったりと、まるで音楽をグイグイ引っ張っていくかのよう。ハウスのような細かいステップだけで音取りをする技術も高い。

上宮高等学校(大阪)
ミドルスクールをベースにしたヒップホップだが、要所にゆるいノリやクラブフィーリングも見せる。顧問の影響なのか一回り上の世代のダンスが直伝されているのはダンス部ならではの面白さだ。少人数なのに大舞台で小さく感じさせないのは、やはり一人一人の踊りの大きさとエネルギーの高さ故だろう。

大阪府立泉陽高等学校
基礎力高く、よく鍛えられたチームワークで、情熱的な邦楽曲を乗せて世界観を作る。もう一つ踊りの表情が伝わってきてほしかった。

光ヶ丘女子高等学校(愛知)
基礎技術の高さに加え、音取りの独創性が素晴らしい。民族的かつ祝祭的な世界観が予測のつかない興奮を与える。高度なテクニックは裏打ちされているが、それを凌駕するようなエネルギー値の高さ。優れた抽象表現は大きな興味関心につながり、採点や評価の枠を超えていく。この日の光ヶ丘は確かにそこを越えようとしていた。

大阪府立久米田高等学校
夏のダンスタ3位の作品、代替わりしたメンバーも充電できたか久米田ならではのエネルギーの高いパフォーマンスが披露できた。

群馬県立伊勢崎清明高等学校
怪しげな邦楽ジャズナンバーで、同校得意のセクシー&アダルトなパフォーマンス。衣装やムードが良いのだが、肝心のスイングのノリが不足している。

神奈川県立百合丘高等学校
サーカスをテーマに、異なる衣装にミックスされたジャンル。だが、構成に捉えどころなく、今ひとつ狙いが伝わらないうちに終わってしまった。

東京都立狛江高等学校
ベールを使った序盤の不穏な世界観がテーマの「黒鳥」を伝える。テーマ、衣装、音楽のバランスは良いが、音取りやノリのバリエーションをもう少し増やしたい。

奈良市立一条高等学校
一条らしい遊び心に溢れたコンセプト。曲にあるスイング感のノリをもっと共有できると良かったか。

樟蔭高等学校(大阪)
スカートの稜線やフォーメーション展開が美しい芸術的なパフォーマンス。イメージは伝わるが抽象度が高く、伝わりにくさがある。また全体を通して見ると、今日のステージと照明では黒の衣装はやや不利に映るか。

【結果】
グランプリ:光ヶ丘女子高等学校(愛知)
準グランプリ:帝塚山学院高等学校(大阪)
3位:大阪府立堺西高等学校

ストリートダンス協会賞:桜丘高等学校(愛知)
オーディエンス賞・視聴者賞:帝塚山学院高等学校(大阪)
横浜市長賞:山村国際高等学校(埼玉)
NIKE賞:駒澤大学高等学校(東京)
G-SHOCK賞:三重高等学校



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