【インタビュー&WS募集】LOCK DANCEのグルーヴで未来を切り開く「Funky YUI」

2022.10.08 INTERVIEW

世界一のエンターテイナーに!!

 

高校ダンスの東西の違いを一つあげるとすれば、関東にはLOCK DANCERが圧倒的に少ないコト。

歴史や土地柄の違いによるものだろうが、それが東西のダンスのグルーヴの質の違いに現われていると思われる。
LOCK DANCEのノリは、16ビートのソウル/ファンクミュージックから生まれ、細やかな音取りやバックビート感、心地よい後ノリや「ゆらぎ」が醍醐味だ。そのノリを体感しているかどうかで、ストリートダンスのグルーヴには大きな違いが出てくる。

「最初に子供の頃LOCK DANCEを教えてもらったのが九州のスタイルを持つ先生で、それからTONY GOGOさんが師匠だったんです。ラーメンで言ったら、最初にとんこつラーメン好きになっちゃった、みたいな(笑)。最初から濃い味のほうが好きで“とんこつ、うまっ!”みたいな子供でした!」

そう明るく語るのは、若きLOCK DANCERのFunky YUI。LOCKのオリジネイターである、TONY GOGOを師匠にする、いわば正統継承者だ。

「私の場合、LOCK DANCEを教える時に、LOCKINGとDANCEに分けているんです。DANCEはソウルダンスっぽいしなやかな体の動きがあり、そこにストップやポイントを加えるのがLOCKINGというツールなんです。ストップとかポイントのパワーシルエットの方がLOCK DANCEだと思われるけど、その前のDANCE、その間の“力を抜いた動き”が本当は大事なんですね!」

LOCK DANCEの源流には、Party Groove(日本でいうSOUL DANCE)のステップやしなやかなフィーリングがあった。当時、創始者のドン・キャンベルがそれらのムーブをうまく踊ることができず、“止まる動作”を偶然加えたところから広まっていったというのがLOCK DANCEの1つのルーツであるという。

「TONYさんには、いつも首をリラックスする重要性を言われていました。体の動きに対して、首が遅れてついていく感じですね。あと、自分のスタイルを進化させていくことの大切さも。LOCK DANCEって形が決まっているようで、すごく進化しているんです。TONY さんもオリジネイターだけど、常に新しいものを取り入れている。私も海外のバトルに出た時、小さい女の子が外国人に対抗するために、女性らしさやしなやかさやシルエットの綺麗さを武器にすることを考えていました。女の子らしいLOCK DANCE 。TONY さんは“YUIはLADY LOCK”を目指しなさいって!」

YUIがダンスを始めたのは、キッズダンスブームの兆しが見え始めた2003年。いろんなジャンルを経験したが、自分が一番楽しく発散できるLOCKに夢中になった。

「小学校の時に通っていたスタジオでイベントがあって、そこに出るために2つ条件があったんです。バク転と壁倒立10分。毎日練習したら、ついにできるようになって舞台に立てたんですけど……、その時に舞台から見たお客さんの笑顔や景色が忘れられなくて……。“人を笑顔にするのってこんなに楽しいんだ!”って、その時に世界一のエンターテイナーになろうと決心しました!」

そして、まず日本一を目指すために、育成スタジオから選ばれたメンバーでチームONPARADEを結成。数々のコンテストで優勝を重ね、メディアにも多数出演。メンバーには現在活躍中のMiyuやKANUも所属していた。

「ONPARADEのメンバーはみんなストイックで、すごく刺激になりました。オールジャンルだったし、振り付けも自分たちでやっていたから、その経験は後々にすごく活きましたね!」

 

ダンサー、ダンス部プロデューサー、起業、就職…

 

その後、LOCK DANCEを追求し、世界一を目指すために、積極的にバトルに参戦。12歳で初渡米し、チェコの大会SDKでは16歳で世界タイトルを獲得。
学業の方にも精を出し、高校2年生時には英語などの成績や内申点を評価されて、学年から1名選出される奨学生としてイギリスに1年の留学を経験する。

「留学中は最初の3ヶ月でいろいろ事件がありましたね〜(笑)。街で財布と携帯を盗られて途方に暮れたり、フランスにバトルに行こうとしていたら銃撃テロが起きて行けなくなったり……、アジア人への風当たりも強かったし、いろいろ苦労した時期でした!」

さまざまな局面で人種差別なども感じる中で、17歳一人で異国の地。さぞかし心細かったろうが、持ち前の負けん気と明るさでヨーロッパ各地のバトルに単身で参戦し、各国のダンサーと交流を深めた。人種や言葉の壁はあっても、ダンスで認められれば交流や調和が生まれることを体感したという。
大学は、経営を学ぶために立教大学へ進学。そこでは、3,700人が所属する「東京六大学ストリートダンス連盟」の会長を務める。

「自分の周りに見える人に喜んでもらうだけじゃなく、もっと目に見えない多くの人に伝える方法や構造を学ぶために、経営学を学んだり、連盟の会長をやらせてもらいました。そこでは、コロナ禍で新入部員になってもらうようなオンラインイベントや、サークル対抗のミスコンなどの企画が成功しましたね。盛り上がる仕組みを考えたり、スポンサー営業をしたり、そこでビジネスへの興味がどんどん湧いてきました!」

 


▲大学時代には「ダンスク!TV」にも登場し、大学ダンスサークルの魅力を語ってくれた!

そう明るく話すYUIには、人を惹きつけ元気させるエネルギーとユーモア、輪を作って大きくしていくインテリジェンスに溢れている。その多くは、やはりダンスのキャリアで培ってきたものだという。

「昨年はDリーグに1年間所属して、いろいろ勉強させてもらいました。大学は今年3月に卒業して、今は起業家として企業のPRのお手伝いの仕事をしながら、高校ダンス部のプロデュースを手掛け始めています。そして来年からは新卒社員として大企業に勤めていきます。そこでは、楽しさと笑顔を広げて、人の輪を作るような仕事を学んでいきたいですね!」

一人で何人分ものシゴトをこなす、彼女の無限のバイタリティと柔軟性。

ダンスの経験を活かして、学び、進化させ、自分のスタイルを見つける。
Funky YUIの明るさと負けん気、グルーヴとインテリジェンスが、どのような未来を切り開いていくのか——。
これから描いていく、彼女だけの「世界一のエンターテイナー」像に期待しよう!

 

インタビュー&文&写真:石原ヒサヨシ(ダンスク編集長)

>>Funky YUI:Instagram
>>Funky YUI:Twitter

 

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