【インタビュー後編】ブレイキンを五輪へ!Shigekixら日本人メダルの可能性?!【KATSU ONE】

2024.02.09 INTERVIEW

>>前編より
インタビュー前編で、KATSU ONE自身のダンサーとしてのキャリアから、オリンピック競技化へ向けて奔走したストーリーをお伝えした。
後編では、最終選手選考へのロードマップや日本人選手の可能性、世界の有力選手を教えてもらおう。

 

Shigekixに続く日本人代表選手の争い

 

「選手にとってオリンピック代表の切符を手に入れる方法がけっこう複雑で、3つの道があるんです。1つは五大陸予選から1名ずつ、男女計10人が選ばれて、シゲキ(Shigekix ※写真)がアジア予選で切符を手にしました。そして世界選手権の優勝者から男女2名、今年5月のオリンピック予選シリーズから男女20名が選ばれます。日本は男子でISSINとHIRO10が残り1枠を争い、女子でAMI、AYUMI、RIKOが2枠を争っている状況ですね」

興味がある人は、来る2月17〜18日にNHKホールで行われる第5回全日本ブレイキン選手権をぜひチェックしてみてほしい。

メダル最大の期待は、やはり21歳のShigekix。今年のNHK紅白歌合戦では、KATSU ONEらと郷ひろみのステージに登場し、その爽やかで実直な人柄やストイックな姿勢、ダンス以外の才能が若者の支持を集めている。

「シゲキをはじめ日本人選手の強さは“繊細さや細やかさ”ですね。採点基準が細かくなったところで着実にポイントをあげていくことができる。逆に海外の選手は爆発力があって、デカいポイントを上げていく力は怖いところです。男子だとVictor(アメリカ)やPhil Wizard(カナダ)、女子はNicka(リトアニア)や671(中国)が強力なメダル候補だと思います」

 

ブレイキンである「理由」

 

そんな代表争いや有力選手にも注目しつつ、改めてオリンピック競技としてのブレイキンの見どころを伺おう。

「まずみんなが親しんでいるダンスやHIPHOPのカルチャーがオリンピックの会場に現れていることを喜んでほしいです。だって、MCがいてDJがいて、ずっとダンスミュージックが流れていて、ゲストショーがあって、会場が若者の歓声で湧いている。そんな光景がオリンピックの会場から世界中に流れるんだから! ダンスがどれほど社会に世界に受け入れられているかを感じてほしいです。絶対盛り上がるんで!」

競技ダンスでもなく、チームダンスでのコンテストでもなく、さまざまなダンスの中で、ブレイキンのバトルがオリンピックに選ばれたこと。そこにも大きな意味があるとKATSU ONRは語る。

「よくブレイキンをやりたい子の親御さんに聞かれるんです。どんな意味がありますか?って。めちゃめちゃありますよ!って答えます。まず自分のエネルギーと可能性を爆発させることができる。一所懸命何かに努力する大切さを学ぶことができる。そして自分のスタイルを見つけることができる。悩みながら迷いながら、自分がどういう人間かを知ることができる。それを仲間に支えられながら、切磋琢磨しながら磨き上げていける。その過程で、めちゃくちゃ友達ができる。世界中にBBOYやBGIRLがいて、ブレイキンをやっているというだけで、すぐに友達になれる。その関係は、ダンサーとしてでも、社会人になっても一生繋がる財産になる。…それは全部、自分が体験してきたことなんです。めちゃめちゃあるでしょ!」

ブレイキンの世界では、勝ち続けるだけでは、高度な技を繰り出すだけでは、真のリスペクトは得られないという。その立ち振る舞いや品格、チャレンジ精神や賢さ、仲間やカルチャーを大切にし、愛のある人間性が、その正々堂々とした戦い方に現われ、言葉の通じないステージ上でも世界中からのリスペクトを得ていくのだ。
KATSU ONEいわく、日本は特に「HIPHOPツリー」と呼ばれる、世代間をつなぐカルチャー伝達のあり方や家族の支えが、世界でも群を抜いて豊かなのだという。

カルチャーを守り続けるダンスとしてのブレイキン、
ダンスを超えた競技としてのブレイキン、
そして競技を超えた人間形成への道としてのブレイキン。

BBOY、DJ、RAP、GRAFFITYが、HIPHOPの4大要素と言われるが、別の4 要素があるのを知っているだろうか?

PEACE、UNITY、LOVE & HAVING FUN !
(平和、団結、愛、そして楽しむこと!)

ブレイキンがオリンピックに出ていく理由、ブレイキンが今の世界に訴えるメッセージは、思った以上にデカいのだ。

インタビュー&テキスト:石原ヒサヨシ(ダンスク!)

 

KATSU ONE(石川勝之)*プロフィール
大学時代にブレイキンを本格的に始め、以降世界中を飛び回るB-BOY。MIGHTY ZULU KINGS、ALL AREAなどのチームで活躍し、ゲストジャッジとして主要世界大会での信頼も厚い。2010年にはオーストラリアへ移住、2013年にアーティストビザとしての永住権を獲得し帰国する。
公益社団法人日本ダンススポール連盟ブレイクダンス本部 本部長/一般社団法人アーバンスポーツ大会組織委員会 理事/INTERNATIONAL STREET FESTIVAL KAWASAKI 実行委員会 大会実行委員長/かわさき産業親善大使/体育教員免許取得
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