【編集長コラム】ダンス部ならではの人間関係トラブル解消法
2025.12.12 COLUMN
ダンス部ならではの人間関係トラブル解消法
ダンス部に取材で訪問すると、部長さんなどからチームワーク作りの難しさや人間関係の悩みを聞くことがあります。
今回は、ダンス部ならではの人間関係の悩みを考えていきましょう。
>>【編集長コラム#1】男子ダンス部員が女子とうまくやっていくコツ!?
経験の違い
ダンス部は初心者での入部が多い部活なので、当然経験者との技術的な差がつきます。それによって、ある程度の序列のようなものができてしまい、その差に悩む人も多いようです。
練習してもなかなかうまくならない。追いつけない。でも焦る必要はありません。ダンス部は、プロダンサーのカンパニーではないので、技術だけが必要な組織ではないのです。例えば、チームをまとめるリーダー、記録や連絡を取るマネージャー、衣装やメイクの担当者などなど、さまざまな役割でチームに貢献できることができます。いわば、活動を通じて自分の興味や特性を知ることができる部活、それがダンス部なのです。実際、部長にはダンス経験がない・少ないタイプがなることが多いですからね。
そして、技術の差も、毎日の努力と目標設定によって埋まっていきます。例えば「初心者だけど、2年生の時にはレギュラーになる!」という目標設定で上達していった部員を、私はこれまで何人も見ています。

▲未経験から1日7時間の練習でレギュラーになった、久米田高校副部長のトーク動画
レギュラー争い
ダンス部の大会は人数制限があるために、オーディションによってレギュラーを選出することがあります。部によっては、学年関係なく技術レベルで選ぶために、上級生だけと最後の大会に出られない、なんて事態もあるのです。落ちた部員はショックで落ち込み、受かった後輩も複雑な心境で、チームの和が乱れてしまう、なんてことも。でも、そんな時こそ、チームワークを固めるチャンスでもあります。落ちた部員は気持ちを切り替えて、サポートする側に回る。受かった部員はその想いを受けて、精一杯のパフォーマンスに徹する。そんな気持ちの揃ったチームは、ステージに見えない力として出てきます。
レギュラー争いがあることによって切磋琢磨が生まれ、役割に違いが生じることによってチームワークが生まれる。すべてをポジティブに考える組織でありましょう。

▲目黒日大2021年の取材では、熾烈なオーディションの模様が。
先輩後輩の上下関係
強豪ダンス部はわりと体育会系なノリで、規律や礼儀を重んじることが多いですが、先輩後輩の上下関係まで厳しいという部は少ないです。練習中はその関係性が垣間見えても、練習後にはみんなで和気藹々なんてシーンは、ダンス部ならではの良さです。代替わりの会などで、後輩が先輩たちに感謝の想いを送るシーンでは、仲の良さと感謝の気持ちが表れていいて良いですね。
代によってノリや個性に違いがあって、それが作品の特徴に活かされる、なんてことも。例えば、有名な登美丘高校のバブリーダンスは、その代にわりと女の子らしい部員が集まっていたから、それを考慮してコーチが発案したネタなんですね!

▲北九州市立の練習取材では、引退する3年生の会で、2年生が涙の送り出し!
先生やコーチとの…
断言すると、良いダンス部は先生やコーチとの信頼関係が強い! これは間違いないです。
顧問の先生が元ダンサーで、技術指導も行ない、苦労しながら部を作り上げてきた、なんて経緯のあるダンス部は、部員から先生への絶対的な信頼とリスペクトがあります。
先生が元ダンサーでなくても、部員や目標への情熱があれば、良い信頼関係は作られています。コーチは、OBOGだったり、外部からの紹介だったり、いろいろな形がありますが、コーチ自身にも教育的な意識があることが重要です。技術指導や作品の振り付けは、自身のエゴやキャリアアップのためではなく、生徒の力を引き出すためにあること。そして、学校や顧問の方針のもと、あくまで教育活動の一貫として行なうこと。ダンス部はダンススタジオではありません。ダンス部を私物化してしまうコーチの失敗例は、これまでたくさん見てきました。生徒の方も、そういった邪心は見抜いちゃいますよ!

▲目黒日大の顧問・田邊先生はダンス経験がないながら、生徒からの熱い信頼が!
作品作りでのトラブル
生徒が作品を作っていく場合は、その過程で意見の違いは当然生じてきます。振り付け担当に対して反対意見が起こる。大会で結果が出ずに、作品修正でさまざまな意見がブツかり、人間関係にまでそれが及んでしまうことも。
ここで大事なのは、「誰の意見」を大事にするのではなく、「作品が望んでいること」という視点で選択していくことです。音楽に対して一番ふさわしい動きは? 作品テーマにとって必要/不必要な要素は?などなど。一番偉いのは振付師でもコーチでもなく、作品であり音楽なのです。
この視点は、みなさんが将来、仕事をしたり家庭を作ったりする上でも重要なことです。「誰が正しい?」ではなく、「何が正しい?」「どのやり方がハッピー?」という視点に全員が立てるようにしましょう!
text:石原ヒサヨシ(ダンスク!)
▲久米田高校の渾身の作品「太陽の塔」、完成までのこだわりを取材!








